- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043599011
作品紹介・あらすじ
あのとき交わした、たわいもない約束。10年たった今、君はまだ覚えているだろうか。やりがいのある仕事と大切な人。今の僕はそれなりに幸せに生きているつもりだった。だけど、どうしても忘れられない人、あおいが、心の奥に眠っている。あの日、彼女は、僕の腕の中から永遠に失われてしまったはずなのに-。切ない愛の軌跡を男性の視点から描く、青の物語。
感想・レビュー・書評
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こちらは男目線の物語
やはり同性であるからか、
感情移入しやすい。
男は名前をつけて保存
女は上書き保存
だから男は過去の恋愛を思い出しは浸り、引きずり、未練に溺れる。そういうもんなんですかね。
そしてこちらはRosso(赤)より
気持ちのいい、希望の見いだせる結末でした。
男性と女性とで
それぞれ青と赤、どっちが良かったかとか
どっちがどうのこうのとワイン飲みながら議論したいと思いました。以上!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
順正もまた、あおいのことを忘れられずにいた。
忘れられないほど愛した人。もう二度と会えない、でももしかしたら会えるかもしれない約束が、元恋人の存在を心の中で膨れ上がらせ、過去の二人よりも高尚な場所へとどんどん向かってしまう。
どんなにお互いを求めていても、その存在を過去にすがり求める限り、未来で共に生きていくことはできない。共に未来を生きるためには、現在を一緒に積み上げるしかないんだ。
「過去に囚われ過ぎず、未来に夢を見すぎない。現在は点ではなく、永遠に続いているものだ、と悟った。ぼくは、過去を蘇らせるのではなく、未来に期待するだけではなく、現在を響かせなければならないのだ。」という文に心打たれた。
Rossoは違った印象を受けたけれど、Blueを読んだ後は、どうか、二人が、二人で幸せになれますように、と思ってしまった。
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江國さんの赤本があるからこの本も良いって感じかな。
映画はチープ感がありましたが、本はおススメです。
ミラノやフィレンツェは本で読むだけでなく実際に行ってもいいところです。 -
Rosso Blu の順番で読んで良かった。逆だと全く違う読後感になるところでした。
同性だから、ってのもあるんでしょうが、Blu の方がだいぶ読みやすく、感情移入もし易かったかな。
Rossoのラストは、辻仁成の為に、敢えて江國香織さんが前振りに徹してあげたんだろうか、、と思うくらい、Bluのラストには、やられた〜感とともにホッと出来ました。
映画は見てないけど、本を超えることは無いだろうと思える素晴らしい筆致でした。
アルバイトのあおいがICに乗り、お坊っちゃんの順正がEurostarに乗る、というのは、中々生々しい描写か? ここぞというときにはお金より時間が大事。。 -
あまり内容に言及してなくていけないんですが、順正のやっている絵の修復というのは、とても重要な意味を持っているのだと改めて思いました。特に美術館とかに行くとそう感じます。
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青と赤でひとつの作品だなと思った。両方読むと二人の心情がよくわかり、深い恋愛小説だった。赤は江國さんの小説よく読んでたのでかなり昔に読んでた。その後映画見て青も読むことに。ヨーロッパのアートが好きなので、個人的には青の方が好みだった。フィレンツェには随分昔に行ったので、小説読みながら情景が浮かんだ。本当、エンヤの音楽が赤と青に合っている。
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4.4
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図書館の『LOVE』特集に並んでいて「そういえばこれ、あんなに流行ったのに読んでない…」と手に取った本。
…あああああ。
なぜに『青』から読んじゃったんだ、私(>_<)。
これは交互に読むべきだった(>_<)!
読む順番を間違えたとはいえ、とても素敵なストーリーでした。
風景の描写にイメージが湧きます。
小田急沿線に住んでる私は感情移入もしやすくそこも良かった。
冷静な順生の時折見せる激しさやくすぶった情熱。
昔の恋人と今の恋人、そして師匠への愛情に揺れる心情。
なかなかオトナなラブストーリーでしっとりしました。
江國香織さんの方が早くラストを書き上げ、辻仁成さんに「このまま終わらせないで」と頼んだ…という経過をがあったそうで…。
こういう手法の小説は楽しいね(^^)。
交互に連載したのに、出版はそれぞれが…というところがまた良い。