万能鑑定士Qの事件簿 II (角川文庫 ま 26-311)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年4月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043836437
感想・レビュー・書評
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Ⅰからの続きになってます。前巻の最後に日本がスーパーインフレになり貨幣の価値がなくなってしまった原因の追求に奔走する凛田莉子。ちょっと間抜けな小笠原。結果は意外の展開に。兎に角読まずにはいられないストーリーです。
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『週刊角川』記者・小笠原は途方に暮れていた。わずか2日で、コンビニの弁当は数千円から数万円に、JRのひと区間は九千円以上になり、いくら金があっても足りないのだ。従来のあらゆる鑑定をクリアした偽礼が現れ、ハイパーインフレに陥ってしまった日本。だが、まだ万能鑑定士・凛田莉子の鑑定がある!パーフェクトな偽礼の謎を暴き、未曾有の危機から国家を救うことができるのか!?
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読書録「万能鑑定士Qの事件簿2」4
著者 松岡圭祐
出版 角川文庫
p91より引用
“発見とは人と同じものを見ながら、人と違
うものを見つけることだとノーベル賞受賞者
のセント・ジェルジもいっている。ほかの研
究者が見つけられなかったからといって、俺
の研究を妨げる理由にはならない。”
目次から抜粋引用
“精巧なる贋作
マネーサプライ
南極
西表島
論理の石”
多方面に対する膨大な知識を駆使する美人
鑑定家を主人公とした、長編ミステリ小説。
住居侵入を未然に防いだ、主人公・凜田莉
子と雑誌記者・小笠原悠斗。事件のその後を
確認するために、管轄の警察署へ向かったの
だが…。
上記の引用は、物理学者・氷室拓真の心情
を描いた一節。
上手くいきそうで、その結果世の中が良くな
る研究ならば、足の引っ張り合いはやめて欲
しいものです。
世間を揺るがし、国が傾くような大パニッ
クが描かれています。しかし、そんな時でも、
冷静に自分の出来ることをし続けて耐えるこ
との大切さを、改めて思います。ほんの些細
な事で、それが嘘でも、大勢の人が信じてし
まうと大変な事になるのかもしれません。
声の大きい人達が言うことを、鵜呑みにはし
ないようにしたほうがいいのではないでしょ
うか。
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力士シール事件の下巻。莉子の示唆による神楽坂マンション突入事件から始まった日本の経済破綻。その真相を解き明かすべくリスクを負いながら里帰りする莉子の動きが、骨折り損のくたびれ儲けに思わせながら伏線を回収していく展開で面白い。さすがに真犯人にたどり着いた時には意外過ぎて「どうか?」と思ったが、まあこれはこれでエンターテイメントとしては良かったのだと思う。
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最初だけ1巻と2巻で完結と知らず、急いで2巻を買った。
莉子が鑑定士に至る経緯やキャラクターなどを最初に書いておきたかったのだろうけど、なんの前置きもなく過去と現在に話が行き来し過ぎるし、テンポが悪く読みづらかった。
帯の宣伝文句の通り誰も死なないけど、ミステリーでもないような気がするしジャンル不明。
莉子が余りにも淡々とした人で、何だか嫌な人に感じてしまった。 -
1巻と違って、時系列に物語が進んでいき読みやすかった。1巻で解決されなかった力士シールと偽札事件がちゃんと回収されていてすっきり。二転三転と読み手を振り回してくれるので、飽きない。豆知識豊富で、読んでいて楽しい。最後の結末は、悲しすぎる。これからの凛子と小笠原が楽しみ。