万能鑑定士Qの事件簿 II (角川文庫 ま 26-311)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043836437

感想・レビュー・書評

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  • Ⅰからの続きになってます。前巻の最後に日本がスーパーインフレになり貨幣の価値がなくなってしまった原因の追求に奔走する凛田莉子。ちょっと間抜けな小笠原。結果は意外の展開に。兎に角読まずにはいられないストーリーです。

  • 『週刊角川』記者・小笠原は途方に暮れていた。わずか2日で、コンビニの弁当は数千円から数万円に、JRのひと区間は九千円以上になり、いくら金があっても足りないのだ。従来のあらゆる鑑定をクリアした偽礼が現れ、ハイパーインフレに陥ってしまった日本。だが、まだ万能鑑定士・凛田莉子の鑑定がある!パーフェクトな偽礼の謎を暴き、未曾有の危機から国家を救うことができるのか!?

  • 日本を襲ったハイパーインフレの嵐。鑑定をすり抜ける偽札の存在により、紙幣は紙切れとなり、物価は高騰した。
    実際にこんなインフレが起こったらどうしようと思った。
    雑誌が休刊となっても、雑誌記者としてのプライドを失わず、事件の真相を追いかける小笠原はかっこいい。

  • 読書録「万能鑑定士Qの事件簿2」4

    著者 松岡圭祐
    出版 角川文庫

    p91より引用
    “発見とは人と同じものを見ながら、人と違
    うものを見つけることだとノーベル賞受賞者
    のセント・ジェルジもいっている。ほかの研
    究者が見つけられなかったからといって、俺
    の研究を妨げる理由にはならない。”

    目次から抜粋引用
    “精巧なる贋作
     マネーサプライ
     南極
     西表島
     論理の石”

     多方面に対する膨大な知識を駆使する美人
    鑑定家を主人公とした、長編ミステリ小説。
     住居侵入を未然に防いだ、主人公・凜田莉
    子と雑誌記者・小笠原悠斗。事件のその後を
    確認するために、管轄の警察署へ向かったの
    だが…。

     上記の引用は、物理学者・氷室拓真の心情
    を描いた一節。
    上手くいきそうで、その結果世の中が良くな
    る研究ならば、足の引っ張り合いはやめて欲
    しいものです。
     世間を揺るがし、国が傾くような大パニッ
    クが描かれています。しかし、そんな時でも、
    冷静に自分の出来ることをし続けて耐えるこ
    との大切さを、改めて思います。ほんの些細
    な事で、それが嘘でも、大勢の人が信じてし
    まうと大変な事になるのかもしれません。
    声の大きい人達が言うことを、鵜呑みにはし
    ないようにしたほうがいいのではないでしょ
    うか。

    ーーーーー

  • 1巻が前編、2巻が後編。
    1万円札偽造のからくりを莉子が解き明かす。

  • いろんな人の勘違いのオンパレードで面白かった。
    凛田莉子でもこういうことがあるんだなと主人公に親しみを感じられる内容だった。

  • 力士シール事件の下巻。莉子の示唆による神楽坂マンション突入事件から始まった日本の経済破綻。その真相を解き明かすべくリスクを負いながら里帰りする莉子の動きが、骨折り損のくたびれ儲けに思わせながら伏線を回収していく展開で面白い。さすがに真犯人にたどり着いた時には意外過ぎて「どうか?」と思ったが、まあこれはこれでエンターテイメントとしては良かったのだと思う。

  • 最初だけ1巻と2巻で完結と知らず、急いで2巻を買った。

    莉子が鑑定士に至る経緯やキャラクターなどを最初に書いておきたかったのだろうけど、なんの前置きもなく過去と現在に話が行き来し過ぎるし、テンポが悪く読みづらかった。

    帯の宣伝文句の通り誰も死なないけど、ミステリーでもないような気がするしジャンル不明。
    莉子が余りにも淡々とした人で、何だか嫌な人に感じてしまった。

  • 〇 概要
     マスコミに本物と全く見分けがつかない偽札が送付されたことをきっかけとして,日本を未曾有のハイパーインフレが襲う。日本経済が混乱に瀕する中,凜田莉子は独自に捜査を続ける。果たして,本物と全く見分けがつかない偽札を作り出し,日本経済を混乱に陥れたのは誰なのか。そしてその動機は?万能鑑定士Qシリーズの最初のエピソードの完結編

    〇 総合評価 ★★★★☆
     偽札騒動をほったんとするハイパーインフレ騒動がテンポよく描かれている。先が気になって読むのをやめさせない抜群のリーダビリティに,驚きの真相。特に真犯人は,消去法で予想がついてしまうのだが,それでも十分インパクトがある。欠点があるとすれば,解決部分があっさりしすぎている点。「論理の石」からわずか4章で解決に至る。あまり,解決部分を掘り下げると,物語全体の無理が目立ってしまうので,あえてあっさりにしているのかもしれない。
     ハイパーインフレ騒動について,1巻でフラッシュバック的に描き,2巻でもじっくり描かれているだけに,ラストのあっさりさがやや物足りない。その点だけが割引き。
     1と2にわたるエピソードは,欠点があったとしても,読みやすさ,インパクトなどを考えると,万能鑑定士シリーズの開幕にふさわしい傑作といっていいデキだと思う。★4で。

    〇 サプライズ ★★★★☆
     偽札騒動の黒幕が,チープグッズの店長であり,万能鑑定士としての凜田莉子を育て上げた師匠ともいえる存在である瀬戸内陸であったという点は,物語全体としてはサプライズがある。ミスディレクションとなる存在がなく,登場人物も少ないので,ミステリとしての解決をフェアに付けるには,この人物くらいしか犯人がいないという消去法で分かってしまうのは残念なところ。その点だけ割引の★4で。

    〇 熱中度 ★★★★★
     ハイパーインフレ騒動がテンポよく描かれており,この話をどう収集付けるのか,読み進む手が止まらない。抜群のリーダビリティの作品。この作品に限らず,万能鑑定士Qシリーズはいずれもテンポがよく,読みやすい。文句なしの★5で。

    〇 インパクト ★★★★★
     ハイパーインフレ騒動の描写はなかなかにインパクトがある。ひと昔(ふた昔?)前の「日本沈没」などのパニック小説の趣がある。瀬戸内陸が黒幕というオチもインパクトがある。こちらも文句なしの★5でいいだろう。

    〇 読後感 ★☆☆☆☆
     悪い。万能鑑定士Qの事件簿の1から始まって2のラスト部分まで,瀬戸内陸は儲けを度外視した理想的な経営主として描かれ,凜田莉子も尊敬する人物として描かれている。それが,ラストの数章で印象が全く変わる。5年前から,日本を大混乱に陥れるハイパーインフレを計画していたとは…。この部分もインパクトにつながるが,読後感は悪い。

    〇 キャラクター ★★★★☆
     凜田莉子は魅力的に描かれているし,小笠原,氷室,瀬戸内陸,楓,葉山警部など,登場人物は少なめながら,しっかりと描き分けられている。葉山警部などは,ややステレオタイプの刑事(二課の刑事といえば,こんなイメージという感じ)っぽく描かれており,やや物足りないが,全体的にキャラクター作りはうまい。

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     人気シリーズ。希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 凜田莉子が,イオナ・フーズの企みを暴きイオナ・フーズが警察で捜査を受ける。
    〇 イオナ・フーズの企みが,財務省と公安の捜査であり,国立印刷局工芸館の藤堂俊一の部屋に忍び込むためのものだったことが分かる。
    〇 一万円札の偽札が出回っているという脅迫文と偽札が各マスコミに届いたことが報道される。
    〇 莉子は,小笠原に頼み,週刊角川の編集部で偽札と脅迫文を確認する。偽札の真贋の見分け方は分からなかったが,脅迫文が沖縄の紙に書かれたものであることを見抜く。莉子は,藤堂の部屋のエアコンの室外機から,藤堂も以前,沖縄に住んでいたのではないかと推理する。
    〇 偽札についてマスコミが公表してから2日後の朝,政府がマネタリーベースで20兆円近く日銀が発行していない紙幣があると発表。混乱に拍車がかかる。
    〇 莉子は,偽札騒ぎの手掛かりを見つけるために,沖縄に里帰りする。
    〇 氷室拓真が,万能鑑定士Qの店を訪れ,鑑定の依頼に来ていた女性の宝くじの科学分析を行う。
    〇 莉子,波照間島に戻る。捜査
    〇 犯行グループからの映像がニュースで流れる。
    〇 莉子,竹富島を捜査→打ち紙を作っている工場だった。
    〇 莉子,西表島を捜査。力士シールが作られていたと思われる隠れ家(謝花兄弟)を発見。チープグッズとのつながりを知る。
    〇 小笠原の捜査。藤堂の家を見ていた不動産屋を怪しむが空振り
    〇 莉子。チープグッズで瀬戸内社長に会う。謝花兄弟を紹介される。力士シールはファットマン・キャラというキャラクターで,チープグッズが宣伝の一環で貼っていたという。
    〇 藤堂を指名手配する。藤堂はあっさり出てくるが,犯行には関与していないことが分かる。
    〇 万能鑑定士Qの事務所で,莉子,小笠原,氷室が会う。氷室は宝くじの鑑定のことを莉子に伝え,莉子は新聞の方が偽造されていたと見抜く。このことをきっかけとして,偽札事件の真相に気付く。
    〇 偽札の真相は,番号部分の偽造。繊維素コーティング(ファンデルワールス結合)。偽札事件の黒幕は,チープグッズの瀬戸内。瀬戸内は,謝花兄弟に番号部分の偽造をさせ,数枚の偽札を作り,マスコミに送付した。政府のマネタリーベース分析の間違いにより,この騒動が起こった。

  • 1巻と違って、時系列に物語が進んでいき読みやすかった。1巻で解決されなかった力士シールと偽札事件がちゃんと回収されていてすっきり。二転三転と読み手を振り回してくれるので、飽きない。豆知識豊富で、読んでいて楽しい。最後の結末は、悲しすぎる。これからの凛子と小笠原が楽しみ。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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