はじめての王朝文化辞典 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 170
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002558

作品紹介・あらすじ

平安時代の家、調度品、行事や服装、儀式、季節の行事、食事や音楽、娯楽、スポーツ、病気、信仰や風習……。『源氏物語』や『枕草子』など古典文学の世界が鮮やかによみがえる! 文化を学べる読む辞典。

感想・レビュー・書評

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  • 辞典といっても、用語の解説文の羅列ではない。

    平安時代にタイムスリップしてしまった現代人に、「これは屏風。あれは几帳」と教えてくれるような。
    もしくは、王朝文化というテーマの、集中講義のような。

    読み手に語りかけていくスタイルなので、わかりやすかった。

    特に「はじめての」という超初心者向けのスタンスなので、かなりかみ砕かれているし、既出の用語も何度でも説明してくれる。

    その言葉を説明するのにふさわしいエピソードの引用もあり、用語だけではなく、『源氏物語』『枕草子』などの古典そのものにも触れられる。

    「疲れましたか」「大丈夫ですか」「我慢してね」の声掛けがくどかったのが、やや難点。

  • 『はじめての王朝文化辞典』(仮称、角川ソフィア文庫、KADOKAWA)の仮目次: 川村裕子の王朝と猫(2022年5月12日)
    http://kageyuko.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-216f9e.html

    「はじめての王朝文化辞典」 川村 裕子[角川ソフィア文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321611000839/

  •  平安時代の貴族たちはどのような生活を送っていたのか、住んでいた家や調度品、服装、儀式、季節の行事、食事や音楽、娯楽、病気、信仰や風習などはどのようなものだったのか、「蜻蛉日記」、「枕草子」、「源氏物語」等の文学作品を通して、具体的に描かれた物や事柄について詳しく解説をしたもの。挿絵も多く付されており、理解を大いに助けてくれる。
     
     それらの物や事柄がどのようなことを含意しているのか、ある場合には、登場人物の位置や関係であったり、その心情を如実に示しているものであることを、著者は丁寧に教えてくれる。引用されている文章はいずれも数行程度のものなのだが、著者の解説により、それらの文章を大変ふくらみをもったものとして受け取ることができるようになった。

     平安時代の貴族の生活をよりリアルに感じることができるようになったし、古典の解釈としても得るところも多いが、著者の語り口調の丁寧過ぎる文章には好き嫌いがあるかもしれない。

  • 素敵!
    川村裕子氏の著作はいくつか読んでいます。
    どれも共通するのは、
    優しく穏やかな語り手がいること。
    まるで平安時代の物語に出てくる女房に案内されている気分になります。

    たくさんの説明で疲れているときにも、
    励ましてくれる、
    あたたかでやさしい王朝文化への入門書なのです。


    さて、この本は、
    平安時代に当たり前のように出てくる言葉や風習、物、場所を解説した本です。
    解説といっても、心配いりません。
    とてもとてもわかりやすくガイドさんが案内してくれます。

    最初は寝殿造などの建物のお話から。
    ほんとうに、一緒に建物を見て回るような気分になれます。

    平安貴族たちの暮らしは、結構忙しく、
    行事の準備から、文化を学ぶことまで…。

    文化と暮らしがしっかりと結ばれた彼らの暮らしは、
    今の基準から見ると、優雅で美しいけれど、
    本音を言えば面倒臭そう…。
    でも、彼らがしっかりと日本文化を築いていってくれたから、
    私たちの中にも微かに花よ蝶よの心が残っているのだと思います。

    源氏物語や、枕草子といった、ポピュラーな古典作品以外にも、あまり知られていない文献も紐解きつつ、案内されるので、
    しっかり古典を学んだ人にも、
    その場面に別の見方ができることに驚くと思います。

    古典に出てくる風習を学ぶと、
    かけていたパズルを埋めるのとはまた違った、
    奥行きある物語理解ができます。
    学べば学ぶほどこの感覚がクセになる。

    とにかく、この本は一般向けに書いてあるので、
    少し平安時代が知りたい人にもおすすめ。
    この本よりもやさしい『平安女子の楽しい生活』や、『平安男子の元気な生活』から入るのも良いでしょう。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060284

  • タイトルどおり、古典に詳しくない人向けにわかりやすく平安時代の高貴な人々の生活、文化を教えてくれる本。イラスト入りでなお、わかりやすく興味深く面白かった。貴族の日常も知りたくなった。どんな一日を過ごしているのか、とか、部屋の内部はどんな家具があるのか、とか。わかりやすい内容だっだが著者の語りかけ口調のような文章は違和感があった。

  • とても面白かったです!
    物の名前と説明だけではなく、それが登場する作品を引用して解説していたので頭に入りやすかったですし、物の意味を知ると見える世界がこんなにも変わるんだな〜と驚かされました。
    平安時代の文芸作品には苦手意識があったのですが、本書を読んで興味が湧きました!

  • 2022年9月22日購入。

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著者プロフィール

昭和三十一年、東京生まれ。武蔵野大学教授。立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。活水女子大学助教授、新潟産業大学教授を経て、現職。

【著書】
単著に『蜻蛉日記の表現と和歌』(笠間書院、平成十年)、『新版 蜻蛉日記Ⅰ(上巻・中巻)』・『同Ⅱ(下巻)』(角川ソフィア文庫、平成十五年)、『王朝生活の基礎知識--古典のなかの女性たち』(角川選書、平成十七年)・『王朝の恋の手紙たち』(同、平成二十一年)・『王朝文学入門』(同、平成二十三年)、『ビギナーズ・クラシックス 更級日記』・『同和泉式部日記』(角川ソフィア文庫、平成十九年)。編著に『王朝文化を学ぶ人のために』(秋澤亙氏と共編、世界思想社、平成二十二年)など。

「2012年 『王朝文学の光芒』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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