失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫 134-1)
- KADOKAWA (2000年12月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044253011
感想・レビュー・書評
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2013/02/21読了
子どもながらの発想って、本人は本当に大真面目なんだけど、スキだらけで実はスカスカ。
そんなことを思い出しつつ読むと、面白いなあって。
大人びているけれどやっぱりナオは子どもだし、ヘタレで子どもっぽいけれどやっぱり父親は大人なのだ。
そういう対比にも注意しながら読んでみて。
構成というか、背景も上手だなあ。第三者がこう来るとは。
「しあわせは子猫のかたち」は、別の小説集で読んだ記憶が。
望まれた結末ではなかったけれど、ふわりと爽やかな感触を残して終わった。
「僕」の生活は、モノクロだけじゃなく、セピア色も選べるようになったのかな。
彼女と小さな温もり、ささやかな生活の中に潜む存在感。
ふとよぎるそれが幸せだと、言い換えることも、きっと出来る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「しあわせは猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2編を収録。
「しあわせは猫のかたち」は大学生になり一人暮らしを始める、人の嫌いな男の子の話。
人と関わりたがらずに、部屋のカーテンを閉めっぱなしにするような「ぼく」だったが、引っ越し先で奇妙な現象に遭遇する。今まで読んだ乙一作品でこれが一番好き。
「失踪HOLIDAY」は家出して誘拐されたふりをする大金持ちのひとり娘、菅原ナオの話。漫画を買ったあとに読んでも面白かった。自分の娘を心配する父親の姿が健気でかわいらしい。 -
「しあわせは子猫のかたち」は、『失はれる物語』で読んだことがあるので飛ばした。
こちらは「しあわせは子猫のかたち~HAPPINESS IS A WARM KITTY~」という副題がついているが、内容は変わらないみたいだ。
「失踪HOLIDAY~しっそう×ホリデイ」は、乙一にしてはあまり心をつかまれない、ダレた展開が続くなーと思っていたら、ラストはさすがだった。
全く疑いもせずに読んでいたから、ほとんどなににも気づかなかった。
狂言誘拐を演じた主人公の女子中学生が、事件を機に家族関係を見直す話かと思っていたら、確かにそのような展開にはなるのだが、実はいろんなことが起こっている。
切なさの乙一とはまた違って、温かい感じの物語。 -
デビューしたての頃ってことか、もしくはラノベ系だからってことか、正直、彼の作品を殆ど読んだ後に本作を手に取ると、ぬるい。短編と中編の2作が収められているんだけど、どちらもなんか、とりあえず及第点を狙いました、程度の出来映え。設定にたいした斬新さはないし、オチも想定の範囲内でした。
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しあわせは子猫のかたち
他の単行本に載ってた…
失踪HOLIDAY
大金持ちのひとり娘ナオが誘拐された。その誘拐犯は…何とナオ自身?家出したつもりのだけだったのだが、ひょんな事で大騒動に。後戻り出来なくなったナオは誘拐を捏造するしかなかった。 -
『しあわせは子猫のかたち』
見えないものとの同居。乙一さん、好きだな。
『失踪HOLIDAY』
何を書いてもネタバレになっちゃうかな?
ヒロインは自分の居場所を見つけたのだ。
まだ中学生。
これからどう生きるか、先は無限大。 -
高校生の頃ハマっていた乙一さん。角川スニーカー文庫はすべて未読だったため、まずは表題作を知らない本書から。『しあわせは子猫のかたち』は『失はれる物語』で読んだため割愛。
これは子どもの間に読んでおきたかった。展開に無理がある部分にツッコミを入れてしまうため、純粋に入り込めなかった。黒乙一の場合を考えて身構えていたので、いつクニコが不幸に見舞われるかとハラハラしながら読んだ。全体的に呆気なく終わり、少し物足りないが、読書し始めの頃に読むと良いかも。コタツに入りながら読めたので雰囲気はバツグンだった。 -
★2008年6月14日 48冊目読了『失踪holidays』乙一著 評価B
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再読。10年前は「失踪HOLIDAY」の方が好きだった。今読んだら「しあわせは子猫のかたち」が素晴らしいと思う。人間って変わるのね。
まぁ、「子猫のあれ」は他の本でも読んだけど。この乙一、文章が若いね!