失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫 134-1)

著者 :
  • KADOKAWA
3.51
  • (486)
  • (644)
  • (1724)
  • (78)
  • (14)
本棚登録 : 5766
感想 : 503
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044253011

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2013/02/21読了

    子どもながらの発想って、本人は本当に大真面目なんだけど、スキだらけで実はスカスカ。
    そんなことを思い出しつつ読むと、面白いなあって。
    大人びているけれどやっぱりナオは子どもだし、ヘタレで子どもっぽいけれどやっぱり父親は大人なのだ。
    そういう対比にも注意しながら読んでみて。
    構成というか、背景も上手だなあ。第三者がこう来るとは。

    「しあわせは子猫のかたち」は、別の小説集で読んだ記憶が。
    望まれた結末ではなかったけれど、ふわりと爽やかな感触を残して終わった。
    「僕」の生活は、モノクロだけじゃなく、セピア色も選べるようになったのかな。
    彼女と小さな温もり、ささやかな生活の中に潜む存在感。
    ふとよぎるそれが幸せだと、言い換えることも、きっと出来る。

  • 「しあわせは猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2編を収録。

    「しあわせは猫のかたち」は大学生になり一人暮らしを始める、人の嫌いな男の子の話。
    人と関わりたがらずに、部屋のカーテンを閉めっぱなしにするような「ぼく」だったが、引っ越し先で奇妙な現象に遭遇する。今まで読んだ乙一作品でこれが一番好き。

    「失踪HOLIDAY」は家出して誘拐されたふりをする大金持ちのひとり娘、菅原ナオの話。漫画を買ったあとに読んでも面白かった。自分の娘を心配する父親の姿が健気でかわいらしい。

  • 「しあわせは子猫のかたち」は、『失はれる物語』で読んだことがあるので飛ばした。
    こちらは「しあわせは子猫のかたち~HAPPINESS IS A WARM KITTY~」という副題がついているが、内容は変わらないみたいだ。

    「失踪HOLIDAY~しっそう×ホリデイ」は、乙一にしてはあまり心をつかまれない、ダレた展開が続くなーと思っていたら、ラストはさすがだった。
    全く疑いもせずに読んでいたから、ほとんどなににも気づかなかった。

    狂言誘拐を演じた主人公の女子中学生が、事件を機に家族関係を見直す話かと思っていたら、確かにそのような展開にはなるのだが、実はいろんなことが起こっている。

    切なさの乙一とはまた違って、温かい感じの物語。

  • デビューしたての頃ってことか、もしくはラノベ系だからってことか、正直、彼の作品を殆ど読んだ後に本作を手に取ると、ぬるい。短編と中編の2作が収められているんだけど、どちらもなんか、とりあえず及第点を狙いました、程度の出来映え。設定にたいした斬新さはないし、オチも想定の範囲内でした。

  • しあわせは子猫のかたち
    他の単行本に載ってた…

    失踪HOLIDAY
    大金持ちのひとり娘ナオが誘拐された。その誘拐犯は…何とナオ自身?家出したつもりのだけだったのだが、ひょんな事で大騒動に。後戻り出来なくなったナオは誘拐を捏造するしかなかった。

  • 『しあわせは子猫のかたち』
    見えないものとの同居。乙一さん、好きだな。

    『失踪HOLIDAY』
    何を書いてもネタバレになっちゃうかな?
    ヒロインは自分の居場所を見つけたのだ。
    まだ中学生。
    これからどう生きるか、先は無限大。

  •  高校生の頃ハマっていた乙一さん。角川スニーカー文庫はすべて未読だったため、まずは表題作を知らない本書から。『しあわせは子猫のかたち』は『失はれる物語』で読んだため割愛。
     これは子どもの間に読んでおきたかった。展開に無理がある部分にツッコミを入れてしまうため、純粋に入り込めなかった。黒乙一の場合を考えて身構えていたので、いつクニコが不幸に見舞われるかとハラハラしながら読んだ。全体的に呆気なく終わり、少し物足りないが、読書し始めの頃に読むと良いかも。コタツに入りながら読めたので雰囲気はバツグンだった。

  • ★2008年6月14日 48冊目読了『失踪holidays』乙一著 評価B

  • 2005.6

  • 再読。10年前は「失踪HOLIDAY」の方が好きだった。今読んだら「しあわせは子猫のかたち」が素晴らしいと思う。人間って変わるのね。

    まぁ、「子猫のあれ」は他の本でも読んだけど。この乙一、文章が若いね!

著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乙一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×