ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.98
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本棚登録 : 674
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048667760

感想・レビュー・書評

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  • 童話のようなお話。
    優しき魔物の王に自分を食べてほしいと願う少女の話。

    ものすごく感動したとかはないけども、ラストの展開は「めでたしめでたし」といった感じで良かった。

  • 色彩の暴力
    好きだからあげる、好きだから伝える、好きだから奪われたくない。
    短さと文章の淡白さに対し表現される色彩と感情の量が多い。

  • ファンタジックで心優しいお話を読んだ。お天気がいい休日にふさわしい、現実離れをしたお伽噺ふうの世界が広がっていた。
    電撃大賞受賞作、電撃文庫と言うのは、門戸の広い印象を受けた。

    人間の世界で奴隷でも最下層の仕事をしていた少女は、手足に鎖をつけたまま森に逃げてくる。そこは魔王が治めていた。彼女は自分をミミズクだと言って、魔王に食べてもらいたいと思っていた。懇願してみても魔王は人間は食べないと言って断る。少女はなぜか魔王が恐ろしくない、できれば食べて欲しいと思いながら、次第に馴染んでいく。

    森のある国を収めている王様は魔王を捕まえて、殺してしまいたいと思っていた。聖なる剣士と呪術師たちは森を襲って魔王の住処を焼き払ってしまう。つかまった魔王を助けるために少女は刑場に行く。

    ミミズクだというしかない、人間から乖離するほどの悲惨な過去を持っている少女の額に奴隷の番号が付いていた、魔王はそれを記憶を消す印に変える。魔王の過去も、絵を書く趣味も、何か淋しく、少女も過去の記憶は消えたが、何か物足りない。

    城には生まれながら手足の不自由な王子もいた、二人は友達になっていく、ここらあたりも、事の成り行きが夢の様でもある。

    呪術師が総力を挙げて処女の記憶を回復させようとする、そしてかすかな記憶が甦り、魔王の元に行く。

    と言うあらすじだが、騎士や魔法を扱う巫女も登場して、中世ロマンの気配やラブストーリーの側面もあり、王様と王子の親子の情愛も絡む。騎士と巫女と言う子供の持てない夫婦が少女を可愛がり引き取りたいと思ったり、何か善意に溢れた話は、大人が読む童話のようで、たまにはこういう別世界で遊んでみるのも楽しい。  

    すぐに忘れてしまうようなものかもしれないが、何か心に残って、いつか読み返したくなるかもしれないと思う。



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  • 装丁の彩りに魅せられました。ストレートな表現に加え、少女の心の動きを繊細に捉えた作風は桜庭一樹さんをイメージさせます。生の、むきだしの文章から受けるイメージは、ゴツゴツした堅苦しいものではなく、むしろ逆。この端麗な文章の、どこから血の匂いが沸き上がってくるのか不思議で、それぞれの感覚がとても深いのだけれど、同時にとても鈍い。傷の痛みとは違う。

  • とても美しいお伽噺。

    何も持たないミミズクの世界に色がつき、名前がつき、自分で自分を選びとるまで。無駄なところがなく清々しい。
    周りのひとたちがみんないい人すぎるけど!
    王様はもっと悪いかんじで終わるのかと思ったら、ふつうにいい人だったよ。まあそれでいい話なのだろうなあ。

    あとがきで、大人になったら忘れられてしまってもいい、一瞬だけ心を動かすものがあれば、そういうはなしが書きたい、と作者が書いていて、何かとても、色んな気持ちを思い出した。すごく心を揺さぶられるとか、ヒリヒリするとか、そういう感覚。長いこと蓋をしていたんだなあと思った。
    子どものころに出会っていたら、人生の1冊になっていたかもしれない。

  • 小学校か中学校の時読んでずーーーっと大好きだった話を、10年ぶりくらいに再読したらやっぱし泣いた。
    懐かしい。

    出てくる登場人物みんな、不器用だけど優しくてね
    愛おしいのよ。
    優しいおとぎ話。綺麗な涙を流せた。

    ラノベだから軽く読めるしね。

    フクロウの不器用な優しさがとにかく好きなんだ。

    2018.09.26

  • おとぎ話チックで、スピード感あって
    ずっと入り込んでくる。

  • 奴隷の少女と夜の王の不器用なだけど純粋な関係に心打たれました。

  • おとぎ話だった。平易で起伏のない、スリリングさのないお話。面白くはなかった。もう一度読みたいともあまり思えない。

  • 死にたがりの奴隷の女の子が、魔物の王に出会うお話。
    なんか…泣いた。うるっとじゃなくがっつり泣きました。
    読み始めると目が離せないし、物語に感情を持っていかれるしでホントに良い時間を過ごせました。
    自分が良かれと思ってやってる事も、きちんと相手の立場になって考えなければダメなのだなと思いました。
    フクロウがめっちゃ好み。
    後、オリエッタさんとアンディも好き。

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2022年 『雪蟷螂 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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