独創短編シリーズ (2) 野崎まど劇場(笑) (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048692694

作品紹介・あらすじ

「電撃文庫MAGAZINE」連載の、図ありイラストあり、挙句はQRコードすら載った奇文珍文目白押しの短編が、1冊にまとまって文庫で登場! OLと退魔師、深窓の令嬢、ソムリエ、秘密結社、神主と破魔矢、人妻、大作家とコメ欄、徳川将軍とオーク、黄門さま、モーゼといった不可解極まるキャラクターたちが織りなす爆笑必至の物語の数々! 雑誌連載分に加え、恒例ボツネタ&書き下ろし+αとボリューム満点でお送りする、編集部の狂気を感じる短編集! ――この本を読んだ時、あなたは『賢者』へと覚醒する。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の脳内暴走を活字にしたような本。とても実験的で、ユニークな逸話の一覧。楽しい一冊

  • 2014年1月のvol.35掲載の「参上!次元監査官!」が文庫でどうなっているか知りたくて購入したが、収録されていない。野崎まどの才能は文庫には収まりきらなかったようだ。

    面白くゆかいな本ほど、短時間で読み終わるが、笑いすぎてページをめくる手が止まるのは初めてであった。笑いながら机を叩いて、ティーポットが倒れたので、カーペットのクリーニング代を請求したい。

  • 隅から隅まで手を抜かないこのテンションは見上げたものだわ。後書きですら作品の一つ。その後書きが終わってもなお待ち構えてる巻末ミステリー。そしてさらにダメ押しは裏表紙の“あらすじ”いや!油断するな!カバーの裏も見よ!野崎まどに対峙する時は全力でぶつからんと駄目だねw。そしていい具合に脱力させていただけます。もうどこまでも付いて行きますよ。

  • 図や絵の合わせ技で笑いを誘うのは物書きとしていかがなものか!と噛みつきつつも悔しい笑っちゃう。
    マジメ腐った純文学を連続して読んでいるとどうも言葉の美しさに囚われてしまって本そのものが持つ表現の愉しみを忘れて、読後も悶々としまうことがある。そんなとき本能的に欲するライトなノベル。これは間食的な小説として十全である。

  • バカ小説集の2作目(笑)

    前作よりも視覚に頼った作は少ないかな?
    ま、それでもカフェの日替わりボードのやつはなかなか面白いアイデアだと思う

    なかなかウケたのは、小説家になろうを揶揄した医者バージョンのやつ
    オチの部分は、なんでそこまで気づかないんだよ というツッコミが大部分を占める

    麻雀のやつは僕は結構笑えたけど、元ネタの麻雀放浪記とか哲也を読んでないと面白さ半減なんじゃなかろうか?
    ムダヅモ無き改革の小説って感じかねぇ

    個人的に一番好きなのは写経のやつ
    チア部か写経かの揺れ動く心理とか
    エクセル写経のバカバカしさと、オチを知ってからの「そういうことか」という納得のギャップもなかなか
    ジャンルとしてはバカミスになるんじゃなかろうか?


    そして前作にも増して1冊の隅々まで張り巡らされたネタ
    今回は宣伝の部分まで侵食してるし
    表紙詐欺とも言える裏表紙のコンビネーションとか
    こんなエンターテイメント要素は好き

  • ノンフィクションライターのphaさんがブログで「とてもうまい作家だ」と書いていたので、とっつきやすそうな短編集から手にとって見た。

    多くのユーモアに共通する要素は「予定調和を裏切ること」だと思う。
    ・常識的に考えるとこうなりそうなのに、ならない
    ・文脈から推測するとこうなりそうなのに、ならない
    ・世界観に引き釣りこんだ上で、最後に重要な前提をひっくり返す
    などなど。
    本書の作品は、いずれも読者の予定調和を裏切るのが上手い。中身は風刺だったりブラックジョークだったりといろいろだが、我々が普段生活するのと同じようなシチュエーションに、違和感や非現実という石が投じられ、苦笑・爆笑につながる。
    もちろん、発想がそもそも非凡なのも間違いない(モーゼとエジプト王パロとヤハウェが麻雀を打つというシチュエーションだけで十分面白い)。

    良かった作品
    白い虚塔
    どんでん返し。本書の1番目の作品だが、冒頭からやられた。

    Cafe Bleuetは元気です!
    カフェの看板だけで語られる物語。断片的な情報にもかかわらず。裏側で人々にどういうことが起きてるのか映像で再生できるのがすごい。

    麻雀出エジプト記
    小ネタの一つ一つが面白くよどみ無い。難があるとすれば、麻雀放浪記(哲也でもいい)と聖書の出エジプトの知識が無いと意味不明なことくらいだろう。

  • シュール笑いは評価が難しいなと思いました。個人的には1の方が好き。

  • 独創短編シリーズ (2) 野崎まど劇場(笑) (電撃文庫)

  • カフェの軒先に置かれた一言メッセージ入りの黒板10日分だけで1話。
    大相撲の実況解説をフィギュアを使って(写真で)やりきる1話。
    巻末の広告枠を(文字通り)そのまま活用した館モノで1話。
    雑誌(他社含む)でボツになった原稿を載せたものが6話。
    あとはQRコードが文中に挿し込まれたり電子書籍の画面(読者コメント付き)が挿し込まれたり猫の写真(ただし猫は写っていない)だけ延々と続いたり、する一冊。

    筒井康隆が好きな人にオススメ。

    ライトノベルかくあるべし。

  • 人を食ったタイトルだが、内容も然り。小説の自由律、とでも言いたくなる短編の数々は、まずその様々な挑戦が面白いが、楽しめるか否かは人を選びそう。薦め難いが自分は面白い、という小説の中でもサブカルな立ち位置にある感。

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著者プロフィール

【野崎まど(のざき・まど)】
2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズ(2020年現在、シリーズ3巻まで刊行中)は、2019年よりアニメが放送された。文芸界要注目の作家。

「2023年 『タイタン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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