ニート

著者 :
  • 角川書店
3.02
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736435

感想・レビュー・書評

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  • 58点。現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを完璧な文体で描いた傑作短篇集。とはいうもののいつもの文体です。いろんなニートとかダメんずが出てきます。ちょっと狙ってる感がイヤ。

  • 衝撃。
    最後の話は、私はダメでした。
    ぎゃー。

    怖いもの見たさで、最後まで読んじゃったけど(汗)

  • 小説家になった「私」とニートになったキミとの繋がりを描いた話や、東京から新幹線に乗って大阪の女に会いに行く話などの短編集。

    一番最後の『愛なんかいらねー』はスカトロの話だった。唐突なスカトロセックス。人間関係のなかでのやるせない感情を描く人なのかなと勝手に思っていたから、もはや性行為なのかもわからない排便の描写には驚かされた。

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    (かんたんなあらすじ)
    大学で働く女性の前に現れたのは、十年くらい前に消息を経った男子学生だった(現在は32歳で、女性は10歳年上)。刑務所帰りだという彼と寝ることにしたが、彼が求めたのはスカトロセックスで、好きな音楽はスチャダラパーだった。
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    わけもわからないまま、圧倒的な勢いにただただ驚いた。不意打ちのスカトロはトラウマになりそう。

  • 絲山さんの作品は、愛はないけどなしくずしで関係する男女とか、ドライでたばこの似合う女がよく出てくるイメージあります
    「ニート」と「2+1」の他はストーリー上は繋がりがあるわけではないけれど、どれも共通するのは、出会いと別れ(もしくは別れの予感)とかそういうことかなと思いました
    甘くも苦くもない、どちらかというと無味乾燥な愛の話だ

  • やわらかく揺れ動く心は手を伸ばせばどちらにも辿り着くはずなのにあらかじめ決められた運命の流れに身をまかせる。そこに悔恨はなく現実を受け入れる時間を言葉にして整えていく。愚図っていても前を向いている意思は周囲から無様に見えても喜んでその一歩を踏みしめよう。その楽しさは独り占めでもいいじゃないか。同意は要らない。

  •  絲山秋子さんの描く男女の愛の幅広さを感じました。「ニート」、2005.10発行。「ニート」「ベル・エポック」「2+1」「へたれ」「愛なんかいらねー」の5話。第2話「ベル・エポック」は東武野田線「七里」駅周辺が舞台の物語、同じ区内の小さな町の話、親近感が湧きましたw。

  • 絲山さんの作品の振り幅がすごすぎて怯えている すごすぎる

  • 表題を含む短編5つ。ラストに収められた「愛なんていらねー」と他の作品との飛躍がすごいなと思った。自分は「愛なんていらねー」の狂気と金属を触ってるようなヒヤッとした読み心地が一番好き。現代的な、映像を喚起させる作品だと思う。乞う映像化。

  •  作品解説(帯より):キミは来る日も部屋に閉じこもって、借金の取り立てと光熱費の取り立てに脅えながら暮らしていた。食事は一週間に三食。一食は具の入っていないインスタントラーメンで、あとの二食は調味料だけで作るチャーハンだった。……キミが死んでしまうと思ったのは少し大袈裟かもしれないが、なんでこんなになるまで私に黙っていたのか、と勝手な思い込みをしていたら泣けてきた。それでここ数日というもの、恋するようにキミのことを思った。キミの今の生活、今よりもう少しマシな生活のことを思った。

     表題「ニート」とその続編「2+1」を含む五篇の作品集。
     (5作品の最後「愛なんかいらねー」で一気に評価を下げました。詳細を記す気にもなれませんので無かったものとします。)
     さすが数多くの文学賞を受賞しているだけあり、飾らない内容の中に詩的な美しさを兼ね備えています。読む前には想像もつかない切り口で、ニートを非難もせず、擁護もせず、中庸の存在として扱っている点がおもしろい。
     作者がどのように取材等をしたのかは不明ですが、かなりニートの生活状況、心情を理解されているように見受けられます。

  • ニートと2+1のみ続いててあとは短編集
    最後のだけは読めなかった
    ホントに無理。オエー

  • 何が好きとか嫌いとかなく、すいすいと気持ちよく読んだ。短編5編。もっと読みたい。この人の文体が好きなのかな。

  • H28/2/29

  • 2015年12月12日、読了。はじめて絲山さんを読む。短編集。「2+1」が好き。これは表題の「ニート」続編。なんとかしようと思いながらも日々無気力さを選ぶ男の世話をする女。平易な言葉が並ぶ二人称であるにも関わらず読後もずっと引っかかる「ニート」のあとに「2+1」を読めて、主人公の切実な想いに電車内でうっかり涙が滲んだが、ラストの「愛なんかいらねー」が愛いらなさすぎる内容で村上龍を彷彿とさせて、「2+1」で出た涙の意味を忘れてしまった。それこそテーマなんだろうけど。
    まぁでも「2+1」はキミと私以外に、冷戦中の同居人がいるのが良い。キミへの気持ちを語る間に同居人の存在が浮上して、恋愛とは以て非なる感情が客観的に伝わってるのかなぁと。冷戦しながら同居を続ける性格だからこそニートをひきとる気になったんだろうとも思うし。

    初読みでしたが私の好きな作家の一人となりました。すっきり読みやすい文章なのに一語一句が深い。

  • 2015/07/24 読了 ラストの話のインパクトが強くて最初の話を忘れてしまう!(笑)
    鼻くそ男にしがみついてプチ貢ぎしていた自分の黒歴史を思い出した。はぁ。

  • 「ニート」が良い。心を指でこづかれるような表現が多々。文章のテンポが好き。

    しかし読了直後は「愛なんかいらねー」の衝撃でぼーっとする。下腹部がむずむずする。
    テレビで中東に行ってきたという人が「日本は綺麗すぎる、見て見ぬフリをする」って言っていたのを何故か思いだしました。

  • 楽しく読ませてもらいました。

  • 再読

  • (169P)

  • 絲山!ニート!良い❗️愛なんかいらね!凄い!

  • ヒモのようでヒモでないダメ男たちを養う女性を描いた小作品集。

    愛はすべてを救うだなんて嘘っぱちだ。男のプライドが、女の嫌悪感が、愛を不可能にするのだから。しかし、男の弱さと女の同情が、愛に似た何かを創りだす。この愛とも憎ともつかぬビミョーな関係に浮遊する男女関係が、すごく不思議だ。

  • 短編集。

    「ニート」「2+1」。

    「ニート」すごく泣きそうになりました。

    思いやるとはこういうことではないでしょうか。

    本人のためとかっていう正義をまとわずに向き合う、まっとうではない行為に走る素晴らしさ。

  • キミはニートだった。
    かつて自分もニートだった私は、キミを追い越して作家として生活している。

    小さな子供、あるいは犬のようなキミに金を貸し家に住まわせた、あの時。
    [ニート]

    僕は疑うことを覚えてしまった。僕はへたれだ。
    [へたれ]って言葉がいいよね。

    なんか絡みにくい短編集。
    最後に[愛なんかいらねー]を持ってくるのはどうなの。もやもやした。

    もやもやしてて掴み所がいまいち絡みにくい感じなのを久々読んだ気がする。
    だがしかし、私の頭が悪いだけで、実は今もっとも注目を集める気鋭の作家、らしい)^o^(

  • 「昔の自分に金を貸したい、みたいな気分なんだよ」。
    短編が5つ。金を貸すよりも、身体を重ねるよりも、素直に言えないので明るく平気に振る舞う人たちの、普通の、話かな。

  • 「へたれ」が好きです。しょうこさんみたいな影のある感じの女の人を魅力たっぷりに書いてくれるのが絲山さん。愛なんかいらねーは、どっかで観たことある……と思ったら、ああ、あいつか!っと気づいた笑

  • "駆け出しの作家としてようやく本が出せるようになった女性作家とニートの青年との、友情とも恋愛とも言いがたい微妙な関係を描く表題作の「ニート」”、とその続編「2+1」。
    友人の引っ越しを手伝う「ベル・エポック」。
    "他人を傷つけることを避けようとするばかりに優柔不断に陥り、かえって人を傷つけてしまうホテルマンの主人公と、育ての親である叔母、遠距離恋愛中の女医との距離とその揺らぎを描いた「へたれ」"
    女性大学教員の家に転がり込んでくる、学生だった乾との生活、「愛なんかいらねー」。

    「ベル・エポック」と「へたれ」がよかった。

  • 標準的な作品。あいかわらず上手い。

  • 抜群におもしろい。まず文体が好き。俗に、透明感のある文章とでも言うのでしょうか。どの作品も実は男女の恋?物語なんですね。批判が相次いでいる最後の「愛なんていらねー」ですが、「何が正しいかに興味がなくなったらおわり」と諭す先生。いわば、「常識」の側の代表者。刑務所あがりの乾はスカ*ロ嗜好で「非常識」、いわば向こう側の代表。しかし、先生もそれを受け入れ、絶頂で叫んだのは、「世の中消えちまえ」。まあ、これが主題ではないのかもしれませんが。

  • タイトルと想像してた内容違った…不思議な感じだけど。もう一味たりないような

  • h19.4/30
    01:15

  • こういう話をよんでいっつもおもうのは、すきもすきじゃないも紙一重なんだなぁということ。わたしから思うと、十分この人はニートのキミをすきだと思うけど、言葉に起こして理性で色々考えると途端に恋情から遠くなっている不思議。

    全体的に目に滑る文章で斜め読みで終わった。あと、タイトル負けしているとおもう。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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