ペンギン・ハイウェイ

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 8591
感想 : 1309
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740630

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすくて、すんなり物語には入れた。少年の口調も心地好かったし、スッキリきちんとしているものが好きなので、全体的に好みでした。
    でも、ジャバヴォックの自分の想像が怖すぎて夜寝れなくなった。

  • アオヤマ君同様に、「ペンギン・ハイウェイ」という言葉がとても気に入ってこの本を手にした。お姉さんとアオヤマ君のお父さんの関係が気になった。ペンギン、シロナガスクジラ、そして「海」、本来ありえないものが出現しているにも関わらず、アオヤマ君の研究テーマの一つとして扱われて物語は進んでいってしまい、オイラは置いてきぼりにされた。あまり難しいことを考え続けるのは得意ではない。お姉さんが人類じゃないっていうこともそうだけど、ここに登場する大人たちってリアリティがない気がする。子供たちはリアルなんだけど……。小学四年生のひと夏の甘酸っぱくてドキドキワクワクする出来事、大人になってもそんな気持ちは忘れずにいたいものだ。日本一忙しい小学生として生活するアオヤマ君は見習うべきものをたくさん持っている、好奇心とか行動力とか。

  • やられました。物語が終わるのがとても惜しく、今年読んだ中で一番かもしれません。

    特徴のある文体、というかアオヤマ少年とお姉さんの口調が独特なのでそれが好きかどうかで評価が分かれるかも。
    個人的にこの二人とお父さんが『たいへん』素敵な人物で、とにかくずっと追っていたい内容でした。

    現実とファンタジーと冒険要素、一見醒めてしまいそうな部分もありそうですが、ほんとうにうまい具合に自然に入ってきました。ファンタジーというかノスタルジーというか。
    子供時代はだれもが不思議な体験をしていると思います。もしかしたらこれは空想で、いつかまたお姉さんに会えるかもしれないと思わせてくれます。
    というか、会って欲しい、何でこんなに泣けるんだ、切ない…。

    少年が素敵すぎました。
    お姉さんも素敵すぎました。

  • この少年が、のちに京都の腐れ大学生になるのだな。

    • aida0723さん
      レビュー笑えました。
      レビュー笑えました。
      2016/12/31
  • アオヤマ君、あなたは素敵な大人になります。
    小学生で大好きなおねえさんに出逢えたんですから。昨日の自分を上回るように1日ずつ大きくなっていくというその考え方もまっすぐで良いです。世の中はわからないことだらけですがペンギンで埋め尽くされた世界を想像してにっこりするのも悪くないと思います。

  • この方の作品好きですが、これだけはなんか合わなかった。説明が長くて読んでて頭に入ってこず。無理やり読んだ感。

  • アオヤマくん、きっとまたお姉さんに会えるよ。少年って呼ばれる頃を過ぎて、ノートを何冊も書き終えたころに、きっと。

  • うわぁやられた!泣いた…。最後の数ページでほんとにもう…!「森見作品はどんなのでも面白いって安心してます」方面の人間なので、腐れ大学生も出てこないし京都が舞台でもない、しかもSFという今までの森見作品にない煽りにちょいとびっくりしたもののわくわくな読み始め。そして期待はまったく裏切られないどころか!良かった!!森見文としか言えない語り口はもちろんばっちり顕在で、アオヤマ少年もきっちり森見的主人公で。登場人物みんな温かくてちょっとノスタルジックで、児童文学のようだった。(定番的なおっぱい連呼が無ければ)

  • 「他人に負けるのは恥ずかしいことではないが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ」と言う小学四年生の「ぼく」は、好奇心旺盛で勉強熱心。たくさんの本を読み、常に多くの研究課題を抱えて、毎日それを自分のノートに記録している。ある日「ぼく」が住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。この奇妙な事件に興味を持った「ぼく」は研究を始めるが、仲のよい歯科医院のお姉さんの不思議な力がその事件に関わっていることに気付く。

    主人公の「ぼく」のキャラクターが何とも言えない。小学四年生でありながら常に冷静沈着、非常に論理的で、周囲の人に少し生意気な印象を与えることもある。しかし、ときに子供らしい純粋で無邪気な面も見せ、憎めない少年なのだ。彼の思考や行動を追うのが面白くて、つい読み進めてしまう。
    そんな「ぼく」が奇妙な事件に遭遇する。解明困難な謎に立ち向かう「ぼく」にそっと寄り添うのが、彼の父親である。父親がノートを買い与え、書き方を教えてくれたおかげで、「ぼく」はその才能をずんずん伸ばすことができた。それだけではなく、「ぼく」が悩み立ち止まってしまったときに解決へと導くヒントをくれる存在でもある。それは「ぼく」が抱える研究に対してだけではなく、人生において大切な言葉の場合もある。程よい距離を保ちながらも目を離さず見守り、迷った時にはそっと手を差し伸べてくれる、素敵な人物だと思う。

    少年は事件を通して、本からは学べない世界の仕組み、人生の理不尽さをも知ることになる。世界には面白いこと、興味深いことだけでなく、悲しいことも手におえないこともたくさんあるのだということを知って、少年はまたひとつ大人へと成長を遂げるのだ。

  • 初めての森見作品。

    アオヤマ少年と、その周りで起こる不思議な事件。
    事件のキーになるものがペンギンってところがいいね。かわいい。

    事件のことより、アオヤマ少年の日常と語り口と、お姉さんや家族との場面が好きだなと思った。

    アオヤマ少年は賢くて、少し生意気で、子供らしくないようでいて、でも時々見せる子供らしさがたまらなくかわいい。冷静におっぱい好きを語るところとか。ニヤニヤしてしまう。

    同じく優秀で生意気な美少女ハマモトさんは、ハリポタのハーマイオニーを連想しながら読んでしまった。

    私はこの作品は好きだけど、生粋の森見ファンにはあんまり評判良くないのかな?
    普段はもっとダークな作品が多いのかな。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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