わたしが棄てた女 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 234
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061311411

感想・レビュー・書評

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  • わっ!この本とっくに読み終わってたのに感想書くの忘れてた。
    いまさらなんも覚えて無しし、いつ読み終わったのかもわからない。
    なので 読了日はいいかげんなものです。
    すまんこってす。すこすこ。

  • 遠藤周作(1923-1996)が1963年に手がけた軽小説。

    舞台は終戦直後の昭和20年代。貧しい印刷工場の女工が、薄情でニヒルな大学生に純粋な恋愛を求める。しかし、男は彼女に期待だけ持たせてあっという間に棄てる。男が勤め先の令嬢との交際を深めていく一方で、彼女は場末へ身を落としていく。

    後半に行くに連れ、遠藤作品らしい宗教的な色彩を帯びる。そして、二人が再会した時、彼女はハンセン氏病の宣告を受けた直後であった。

    「苦しいのは体のことじゃなくってよ。二年間のあいだにあたしはやっとわかったわ。苦しいのは…誰からも愛されぬことに耐えることよ。」(p.194)

  • よく自業自得の内容の小説はあるが、これは救われない話。確かにはみっちゃんは聖人のごとく純粋で善はあるが、世の中を渡って行くには鈍すぎる。要はバランスが大事。世の中、そんなもんなのか。

  • 想いにとりつかれるってこういうことかも
    ただ生殖していくだけでは済まない人間同士の不思議

  • これも読んだはずだけど、思い出せない。

  • 全体構成が上手い。
    「沈黙」や「死海のほとり」「深い河」なんかもそうだけど、「わたしが・棄てた・女」においてもそう。
    吉岡視点の「ぼくの手記」と第三者視点でミツを中心に描写する「手首のアザ」の章が入れ替わりながら物語が進んでいく。

    男というものは、かくも最低な生き物なのか。
    吉岡が言っている通り、男はたしかに似たりよったりの部分はある。(自分は違う!と言いたいけど)

    一方、遠藤周作がイエス・キリストに例えているのが、ミツだとすれば、うーん、ミツみたいな人、いるかね。
    いてほしいけど、いてほしくない。
    (自分の子供にミツって名前を検討したんだけどね。)

    久しぶりに読み返したけど、やはりスール・山形の手紙の最後のくだりは何度でも泣いてしまう。。

    吉岡は、きっと、この後しばらくしてミツのことを忘れんだろうな。でも、ふとした時に少し思い出す。
    これが、神が人生の痕跡を通して語りかけるってことなんだろう。

  • 泣き疲れて眠った本。
    不覚にも吉岡くんとミッちゃんにMOEて....
    そんな見方をしてsorry

  • 遠藤周作や三浦綾子などキリスト教信仰に基づいて書かれた本はいつも考えさせられる。
    ミツの人生っていったい…
    願わくば、他人の幸せと自分の幸せの両立しうることについても描いてほしかった。

  • 久しぶり?の遠藤周作です。飛行機の中で一気に読んでしまいました。

  • 現代において愛情を持つ時には、エゴイズム抜きには考えられない。

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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