何でも見てやろう (講談社文庫)

著者 : 小田実

• 講談社 (1979年7月11日発売)

感想・レビュー・書評

[しんじつさんの感想 · 2011年8月24日]

著者の行動力にしても考え方にしてもすごい・・・と驚くばかり。当時の各国の状況、人々の考え方、生き方は興味深いものがある。

[typhoon516さんの感想 · 2011年8月21日]

「何でも見てやろう」という至極お気楽なタイトル、しかし読後このタイトルを振り返ってみると、そこに浅はかならぬ重みを感じられるようになる。

ひとつは「何でも」見るという作者の姿勢。「ひとつ、アメリカへ行ってやろう、と私は思った。(中略)理由はしごく簡単であった。私はアメリカを見たくなったのである。」というごく単純な理由から始まるこの旅は、アメリカだけに留まらず、ヨーロッパ、アジアと作者の財布が持つ限り続いていく。「『何でも』見ると言っているんだからそれぐらいやって当たり前だろう」と人は言うかもしれないが、「何でも」見る、というのは恐ろしい程の労力と気力を必要とするものだ。それはもうこの本を読むだけでもひしひしと伝わってくる。しかも、その中には見たくないものもある。それを見ただけで、自分自身の内面をエグられるかのような激痛を伴うものもある。作者はそれらに背中を向けず、真っ向から、心身ともに疲弊しながら「見る」。「何でも」見るというタイトルには、斯くのごとく相当の覚悟がその裏に感じられる。

そしてもうひとつの重みは当然「見てやろう」である。いささか傲岸さもうかがえるが、作者は旅中ともかくとことんまで目の前にあるものを「見る」。それはもちろん物見遊山的な「見る」ではなく、目の前の事物、事象、人物を自分自身の内面、それも個人的な内面だけでなく、日本人として、日本という国を俯瞰的に分析した視点から、もっと突き詰めると世界の中での自分の立ち位置を俯瞰的に捉えて、そこから物事を「見る」。ここまで見事に「見られる」と、「見てやろう」に作者の傲岸さも天晴れ。前述の「何でも」とも相俟って、そこには「ともかく何でも真っ向からぶつかっていってやるからな」という気概があり、そしてこの作品全体にその気概は滲み出ている。

この旅行記は1960年前後が舞台であり、もはや時代はめまぐるしく移り変わり、このレビューを書いてる現代とはあまりにも時代が違いすぎるかもしれない。しかし、この「何でも見てやろう」という覚悟と気概でもって、このように「見られた」世界は今なお現代につながるものとして、今に生きる我々の世代にとって、我々が体験し得なかった時代を仮想体験させてくれると共に、この時代と現代を照らし合わせ、我々の視点から(それは作者と同じく世界の中での自分の立ち位置をふまえたものでなければならないけれど)、世界を「見る」という機会を与えてくれる、いつまでも古びない作品である。

[城西大学水田記念図書館さんの感想 · 2011年8月5日]

展示期間終了後の配架場所は、1階 学士力支援図書コーナー 請求記号：290.9//O17

[Hokutoさんの感想 · 2011年7月2日]

わずか二年とは思えない行動力
放浪記とは思えない内容
思想家とは思えない砕けた文章
インテリとは思えないアホさ
外国っていいな、ヨーロッパっていいなって思える本

[monomeさんの感想 · 2011年5月16日]

当時の世界が見えて面白かった。
語り口調も大阪人とあってか砕けていて読みやすい。

ややインテリっぷりが鼻についたが、
小田の"何でも見てやろう"の度胸に驚かされた。

旅のなかで日本を客観視する一冊

[marimari82さんの感想 · 2011年4月19日]

池上彰さんがテレビで紹介してて知る。アメリカ留学中の話より、ヨーロッパ、中東、インド旅行中の話のほうが面白かった。思想的な話より、体験談のほうが面白かった。自分の行ったことある国はその時のことを思い出しながら読んだ。40年くらい前の話なので、分からないこともあったり、変わったな〜ということもあったけど、あまり時代をかんじないというか、古くないかんじがした。

[satyaさんの感想 · 2011年2月5日]

池上彰さんがTVで紹介していた旅行記エッセイ。さて、読んでみるぞ～！

[KURUMED COFFEEさんの感想 · 2011年2月1日]

某書店のPOPで「深夜特急第0巻」と書かれていて、その通りだなと思いました。

今すぐ旅に出て、世界を見たくなる本です。

[クマタさんの感想 · 2011年1月2日]

世界には色々な面がある

[むっ子さんの感想 · 2010年12月15日]

池上さんが解説してた。