20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385108

感想・レビュー・書評

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  • 著者の「取材・執筆・推敲」を読む前に手に取ると、理解が進む。

  •  文章苦手な自分にとってこの本に出会って本当に良かったのだ。「書くことをやめて“翻訳”するのである」「頭の中“ぐるぐる”を伝わる言葉に翻訳したものが文章なのである。」こういうふうに、改めて文章の定義を勉強するようになった。
     また、本書には難解な文章、難しい言葉など、一切なくて、外人の自分でも、すらすら読むことができる。まさに「あらゆる人に開かれた“平易な文章”ほど難しいものはないのである」と書いた通りと思っている。
     そして、文章に関する定義と概念以外、具体的な“技術”という知識もたくさん書かれているのである。「何を書くじゃなくて、何を書かないのか?」「“読者の椅子”に座って文章を書く」「起“転”承結」など、様々な文章知識を吸収していた。
     文章の入門書として、これほどふさわしい書物がないと思っている。

  • これは読んでよかった!
    とても読みやすいし、文章を書くことに苦手意識がある人は読んでみて欲しい。
    レポートや口コミ書くのにも役立ちそう。

  • ぐるぐるを翻訳すること
    ぐるぐるは書き出すこと
    何を書きたいかではなく、何を書かないか
    「主張」があることにより、分かりやすい文章になること

    何を書こうか考えている時や書き始めている時は、書いては消してを繰り返しながら作業していることが多い。多分、ぐるぐるが翻訳できてない状態から作業してるからだなと思った。

    ぐるぐるを翻訳すること=頭の中を整理してクリアにする必要性は良くわかった。

    ついつい、あれもこれも言いたい!となりがちだし、たくさんのエピソードを話したり書いたりした方が良いと思っていたが、そうではなかった。
    書かない事柄を決め、書く事柄を深掘りしていく。今までに無い視点で印象に残った。

    どんな文章にも必ず主張があり、主張するために文章がある。
    ぐるぐるの翻訳に繋がるが、主張するには言いたい事を整理する必要があり、それを軸に考える必要がある点も忘れないようにしたい。

  • 少々読みにくいところがあった。

    書き手になったとき、もう一度読み直したい。

  • 文章を書く仕事をしているわけではないが、在宅勤務で文章でしか連絡が取れないことが多く、伝わりやすい文章を考えたくてこの本を読んだ。

    映画を見た時に「あー面白かった」の 感想しか言えない人について、
    私もその傾向があるので反省した。
    常に考えることを放棄せず、翻訳することが必要だと感じた。

    また文章を作る時に、足し算ではなく 引き算で考えるということが納得した。足し算では話したいことが溢れて軸がずれてしまうが、引き算 なら自分にとって大切なことを残すことができる。

  • 私の本職は営業の仕事なのですが、社内の人員数の問題もあり、広報誌の作成など書く仕事を任される機会が増えてきました。そこで「分かりやすい文章を書くにはどうしたら良いだろう」と思い本書を手に取りました。

    本書では「話し言葉と書き言葉の違い」や「気持ちを翻訳すること」など、文章を書くにあたってのノウハウを論理的に学ぶことができます。個人的にはこの"論理的に学ぶ"というのが肝で、今まで自分の書いた文章や読んだ本の中で「これは読みにくいな…」と感じる事が多々あったのですが、なぜ読みにくいのかの理由が漠然としていました。

    しかし、本書にある話す時の身振り手振りによる非言語の部分や、その時の感情についても文章に書き起こさなければ理解の難しい文章になってしまうなど、話し言葉と書き言葉の違いについて読んだとき、今まで感じていた読みにくさの理由がすとんと腹に落ちた気がしました。

    それ以外にも、書き始めにおいて「何を書くかより、何を書かないかを考える」など、文章を書くにあたっての知識が満載でしたので、これからの書く仕事が楽しみとなる1冊でした。

  • 古賀史健(こがふみたけ)
    1973年福岡県生まれ。出版社勤務を経て24歳でフリーランスライターになる。ビジネス書や教養書を中心に80冊以上の本を担当。


    ●"話せるのに書けない"を解消しよう
    (わたしはまず「話せない」のだけれども・・)

    ・書けない理由→頭の中のぐるぐるは「感じ」や「思い」であって「言葉」になり切れていないものだから。
    ・ぐるぐるを翻訳したものが文章。かくことをやめて、「翻訳」しよう。だれにでも通じることばで伝える。
    ・なにを書こうと悩むのではなく、なにを書かないかを決めて書くべきものを明確にしていく。

    具体的な方法→まとまらなくても人に話してみる、言葉や絵で書き出してみる

    ●いい文章とは何かを理解して書こう
    ・正しく論理展開されている文章は「リズム」がよく、読みやすい。音読してみるといい。
    ・文章には一定の知識や技術、ルールが求められる。音楽でいうところのリズムやメロディ、コード進行などに該当する部分である。
    ・構成が非常に大事(映画の絵コンテのようなもの)
    ・必ず自分の主張を入れた上で、文章を眼で確認する
    ・読者の心を動かし、行動も起こさせるのが「いい文章」
    ・文章は誰が読んでもわかる文を書くことが大切。専門用語を並べたり、「わかるやつにわかればいい」書き方は、読者に甘え、本来やるべき説明を怠っているから、読みづらいのである。

    【ポイント】
    ・接続詞がきちんと入る文章は論理的な展開ができている。加えて、主張・理由・事実の3つが連動して入っていると、より論理的になる。
    ・読者は美しい文より、論理的に整った文の方がリズムよく読める。
    ・さらに論理的な文は客観性を保てるので、自分の意見である主観を際立たせることができる。
    主張+理由+事実が書けたら◎(「大相撲の人気回復策として、ナイターー制の導入を提案したい(主張)なぜなら、平日の昼間に取組みを行っても、会場に足を運べるファンはかぎらかぎられるからだ。」
    ・結局何が言いたいのか?に一言でこたえられなかればならない。「主張」とは、そういうことだ。

    「読みやすい!」文章を書こう
    (1) 句読点は一行にひとつ
    (2) 五行以内に改行する
    (3) 漢字とひらがなをバランスよく使い、漢字はキーワードの役割とする

    ●(膨大な資料を読んでぐるぐるを紙に書きだしたら、)原稿に「ハサミ」を入れよう
    「何を書かないか」を考え、引き算する中で、「自分が残したい主張は何か」「自分が大切にしたいことはなにか」をあぶりだす。「なぜここにこの一文がはいるのか」何故ここにこの一文が入らないのか」が説明できる文でなくてはならない。

    他に

    書くためのトレーニング法:
    ・日本語学者の金田一秀穂先生の提案したゲーム。一枚の写真を見ながら、言葉で説明、・描写する。自分の意見(主観や感情)は全く入れない。
    「テーブルの上に、小さなグラスがおいてある。逆光に照らされ、白く輝いて見える(初夏の朝を思わせる柔らかな光に照らされるは主観はいっていて×)」
    書くためのトレーニング法:
    絵文字を使わずに文字で気持ちを伝える。「バカバカ~(^^)」「バカバカ(><)」

    ・日本の教育では、作文や読書感想文を書くトレーニングはあるが、文章の書き方・組み立て方を体系的には教わらない。「思った通りに書きなさい」「感じたままに書きなさい」と指導される。
    判断基準がないので、先生が「よい」と思うことが評価の基準になる。文章の書き方を指導するはずの作文はいつの間にか「心の指導」にすり替わり、「書き方指導」ではなく「生活指導」になっている。
    ・「なんかよくわかんないけれどおもしろかった」の「なんかよくわからない」部分に言葉を与えよう。
    それは、書くことによって考え、解を得られる。「よく考えてから書きなさい」ではなく、「考えるために書きなさい」。
    ・「書くこと」は考えること。「書く技術」が身に着けば、ものの見方が変わる。物事の考え方が変わる。そしてきっと、世界を見る目も変わってくる。だから20歳までに身に付けてほしい。
    ・読んでもらうためには、面白そうな文章が必要。映画やドラマのカメラワークのように"客観(導入)⇒主観(本論)⇒客観(結論)"の流れで構成する。
    ・導入は興味を持ってもらうためにインパクトを持たせる。本論は自分の主張を明確に書く。結論は客観的視点からまとめる。
    ・7割は読者が知っている情報で構成すること。斬新なことばかりの文章は受け入れてもらえない。
    また、自分がわからないことは書かない。「理解が足らない」まま書くのではなく、文章には「自分の頭でわかったこと」を書くこと。ライターは取材を「聞く」だけで終わらせることなく、膨大な資料を読み込み、自分の頭で考え、自分の理解が少しでも100に近づくよう努力しなければならない。そして自分の理解が80までしか及ばなかったとすれば、正々堂々と80の範囲で書く。
    ・メールや文章、書いたことを相手が誤解した、「意味がわからない」と言われた→相手の理解力がないのではない、それは書いた人の言葉が足りていない。自分でそれを読み返し、日を置いてもう一度読み返してみよう。

  • 自分のものにしたかったから三回読んだ。ホントにいい本。伝えること、伝わるようにすることへのこだわりがとても参考になる。

  • 「いい文章を書くのに、文才など必要ない。
    必要なのは、“翻訳”の意識と技術だけ」

    ブログを始めた自分にとって、
    目からウロコが何枚も落ちる内容でした。

    今すぐ文章が書きたくなる良書です。

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著者プロフィール

●古賀史健(こが ふみたけ)
 1973年、福岡県生まれ。ライター、株式会社バトンズ代表。『取材・執筆・推敲』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(共著・岸見一郎)、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』ほか著書多数。2014年「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。構成に幡野広志さんの思いをまとめた『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)など。

「2021年 『雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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