- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061388376
感想・レビュー・書評
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筒井康隆さんがラノベを書いたという触れ込みで登場した一冊。
筒井さんは、あとがきで「エンタメとしての読み方とメタラノベとしての読み方がある」と書かれているが、エンタメとしては荒唐無稽過ぎて楽しめない。
筒井さんがこの作品をラノベとして書いたという事実そのものを楽しんだほうが良い。
筒井さんは涼宮ハルヒをいたく気に入ってるそうで、ところどころにオマージュを匂わせる記述があった。
一方、非オタク系のニュース記事では、未来人の登場と絡めて「時をかける少女」と無理やり関連付けていたが、そこらへんの扱われ方もまた面白い作品だった。
ただし、作品としては全く面白くないので注意が必要。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ライトノベルの皮をかぶった現代批評。文学批評になっている。メタメッセージを読める技術がある人間が、この本を読む人の中にどれくらいいるのだろうか。そっちのほうに興味がある。。
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最初に言っておくが、これはライトノベルではない。これはライトノベルではない。同じいとうのいぢの絵を乗っけて売った本来一般小説であるAnotherよりもさらにライトノベルから遠い存在である。
いきなり章のサブタイトルが「~スペルマ」といきなりぶっ飛んでいて、主人公はラノベには稀な女性視点、男のから精子を搾り取る時点でもうライトノベルじゃないよね。ただのエロ小説です本当に(ry 言っとくけど、ラノベってこんなにエロくないからな!w
それなのに、後半は現代社会への皮肉とか満載だし。
作品の内容について突っ込むと、ビアンカの言葉使いがなんかアレだし、未来人とか出てくるけど、設定はまだライトノベルの方がこってるよねって思ったり。
他にも突っ込みたいとこ色々あるけど、それなりに面白いし、エロいし、エロいし、筒井康隆ファンや普段ライトノベル読んでる人がちょっと変わったのを読んでみたいって人なら読んでみてもいいかも。
ただし、ライトノベルを全く知らない層が読んでこれがライトノベルだと思われてると困る。てか、この本がその誤解を生じさせる事そのものを目的としているのではないかと疑ってしまうレベル。帯にも悪意を感じる。
ライトノベルでもなく、一般小説かと言われればそうではない・・・まさしく星海社FICTIONSに相応しい作品ではある。
星海社の小説やメフィスト作家の小説を普段読んでいる人が本来読むべき読者層なのかもしれない。 -
知人の文学好き50代から筒井康隆をさんざん勧められ、新刊が出たと聞いたので購入。後から時をかける少女の人だと知ったほどに筒井康隆については無知だが、聞いてイメージした筒井康隆像がしっかりそこにはあった。正直、終盤までしばしばダレるのだが、読み終えると一気に色々な考えに頭を支配される。とくに現代の若者への皮肉は、こたえた。何より面白いのが、この作品、ターゲットがつかめない点である。ラノベという装丁はまさに若者ターゲットだが、そのメインである中高生には、私としてはとても勧められない。かと言って、大人にも推薦できない。おそらくはこのような困惑を抱かせることも目的なのだろう。考えれば考えるほどに惑わされる、これぞ私が勝手にイメージして追い求めた筒井康隆作品である。
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四年も待たされた!判型デカイからラノベ売り場に置いてなくてわかりづらい!薄いのに高い!と言いたい文句はたくさんあるのだけれど漸く読めたということで売り方については溜飲を下げられる。しかし内容も内容である。書下ろしの第五章までひたむきに生殖の話である。第五章も無理矢理に話をまとめようと駆け足にもっていった感じは否めない。筒井康隆は四年前のインタビューでも言っていたが「ラノベ」を目指したようだ。しかしなまじ長年小説を書いてきただけにやや文体に違和を感じてしまう。あとがきでもインタビューでも言っていたように作品に対するベクトルが長過ぎる執筆期間のうちに変わってしまったこともあるかもしれない。さんざ文句を連ねてきたけれどブラックジョークやメタネタ、パロディ(まさか京極ネタをもってくるとは)など筒井康隆の味も出てはいるしファンなら一読の価値はあるだろう。ビアンカオーバーステップという次作の草案らしきものもあるらしいので、77歳という年齢で正直しんどいかもしれないが是非次作も筒井康隆の手によってしたためてほしいものである。今度はなるべく短期間のうちにね。
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描写はエログロなのにのいぢ絵っていうギャップw内容はアレだったけど、薄いしあとがきがおもしろかったしでまぁいいか。あと大田が悪い。ちゃんと他の作品は読みます。
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普段ライトノベルを読まない人が、これを読んで「ラノベってこんなの何だ」と思ってしまっていたら、非常に遺憾。
高い評価をつけている人たちはきっと作者のファンなんでしょう。
「いかにも筒井康孝らしい作品である」とか、反対に「筒井康孝が(良い意味で)こんなの書くなんて!」みたいなコメントをちらほら見かけます。
そういう感想を否定するつもりはないです。本がその中身の文章だけでなく、作者のキャリアやプロフィールも含めて評価されることはよくあることだし。
・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。
作者名を伏せてこの作品を読んだとき、はたして面白いと感じる人がどれだけいるでしょう。
美少女主人公が生物部で生殖について研究してて、やっぱ人間の生殖について調べたいわー、とかそういう話。後半は何故か未来へ行って巨大化したカマキリと戦うSFに。
仮にも時間移動を使った話なら、そのへんの設定はきちんとしておいてほしかった。
「そのへんは宇宙の自然修復機構がうまくやってくれるんだよ」
……って説明放棄しちゃったよおい。
あと下品な性描写が気に入らん。ラノベのエロは、ギャグなら思春期男子の妄想の範囲でやるか、シリアスなら非現実的なくらいグロく露骨に描写するか。どっちにしろ行為そのものに至るとかありえないし、ましてその場面をことさら煽るように描くとかどうなんですかね。
まああれですよ。コミケとかで売ってるいとうのいぢの同人イラスト集、あれに文章がおまけでついていると思えば、それなりの価値はあるんじゃないですかね。 -
マジで筒井康隆のラノベだった。ラノベ文法とメタ小説文法とSF&筒井康隆エキスで作った話。ラノベ的には★3かと思うが、メタ小説で+★ね。
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おもしろい。
でも、子どもとかには見せにくい。
一般書籍の扱いでいいのかな?