- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061388376
感想・レビュー・書評
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筒井康隆の本は「銀齢の果て」以来か。
軽い読み物(ラノベ)風で、しかも短いので、すらすらと読み終わった。
ビアンカ北町という美少女とその友達の生物実験から始まる物語で、登場人物が思いもかけない動きをするのでおもしろいが、あまりシリアスなところが無くて少々もの足りない。もっとぐちゃぐちゃになるはずなんだがなぁ。
筒井先生も、もう77歳ということだが、90歳でも小説書いてる人もいるのだから、もっと毒をまき散らして欲しいものだ。 -
筒井康隆初のライトノベル。ライトノベルなるものが何を意味するのか判らないが、内容はアモラルなジュヴナイルだ。擬似イベント、メタ構造、言語遊戯など筒井康隆の特徴が判りやすく盛り込まれたエンターテインメント。ラノベと云うものにはコミック風のイラストが不可欠らしいが、イメージが規定されるので邪魔。
ちゃんと本になって出たので太田はそんなに悪くないと思う。 -
何故これを課題本にしたし。
筒井康隆さんってことで売れてんだろうけど、内容はいろいろな意味でひどい。
目次で失笑だし、最初の章を読み切るのに相当SAN値を削られた。文章の表現もひどいし、状況描写もコピペが多い。練りこまれた流れのお約束はいいけど、これは何も考えられていない感じ。
最後あたりはそこそこSFっぽい雰囲気出ているけど、全然考え抜かれていない。
こんなんで金取るのか、というレベル。
これが筒井康隆による「ライトノベル」というジャンルに対する回答なのか。皮肉にしてもふざけんなと言いたい。
が、冷静になってみると意外と的を得ているかもしれないという悲しさ。
といってもメタでも楽しめませんよ。純粋に的はずれな所も多々。 -
内容(「BOOK」データベースより)
わたしは知っている。わたしがこの高校でいちばん美しい、いちばん綺麗な女の子だということを―。あらゆる男子生徒の視線をくぎ付けにする超絶美少女・ビアンカ北町の放課後は、ちょっと危険な生物学の実験研究にのめりこむ生物研究部員。そんな彼女の前に突然、“未来人”が現れて―!?文学界の巨匠・筒井康隆が本気で挑む、これぞライトノベル。21世紀の“時をかける少女”の冒険が始まる。
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筒井御大、血気さかんですなぁ。
かるーく読めてしまった。さすがである。
続編が読みたくなった。
太田が悪い。
途中、ちょっと痛いシーンがあった。
太田が悪い。
なんか編集がかわいそう。
太田が悪い。
(あとがき読めばわかりますw) -
あとがきが最高。
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一言。山なしオチなし意味なし。でも、そんなことわざとやってる筈だから困る。
御大本人としては、メタラノベのつもりなのかもしれないが、その実は、ラノベってこんな感じ?という試行錯誤の結果と受け止めた方がいいだろうなという印象。ラノベというレッテルはジャンルに貼ってあるわけじゃないし、どういうものがラノベなのかを文学的に位置づけることはまだ誰も成功していない。なにしろ、ラノベは逃走し続けているしね。逃走と言えば、それこそ筒井のお家芸なのではないか?(うまいことでも言ったつもりかよ>おれ(ここだけ一人称がおれなのはある種のネタ))
正直、巻末で彼が言うようなラノベとしてエンターテインメントを味わうという読み方は困難というか、少なくともボクには無理で、どこかのラノベ大賞への応募作なら、アイディアとキャラ設定を練り直した方が良いよと突っ返すレベルなんじゃない?
となれば、これは、筒井康隆にはラノベはこんな風に見えるという風に読者に思わせるために書いたネタでしかないと思って読むしかない。さて。そうだとしても、出来が悪いのはどう考えるか。出来が悪いなと思わせることが狙いなのだ、という考えを否定しきれないのが、筒井康隆が書いたということにつきまとっている呪いのようなものだが、ふふん、残念ながらそんなことは無視しちゃうのが若い世代じゃないかな?とも思う。
いとうのいぢの絵に代表されるようなものを愛でる行為に唾を吐いて見せただけ?と思えば、わりとすんなり整理可能なんだけど、そう思ってると、筒井康隆は「やーいひっかかった!」と悪戯っぽくニヤニヤしてるんじゃないか。そんな風に笑われるのは嫌だな、と思って、これは何なんだろうと悩み続けると結論はいつまでも出なくて、そういう思いをさせることが、きっと、本当の狙いなんだ。ちぇっ。
と、日記には書いておこう。 -
筒井康隆のライトノベル。ラノベゆえ表紙の萌え少女に目が行くがこれはやむなし。中身は軽妙なSF小説。時をかける少女をあえて意識してある。アブナイ実験にのめりこむ生物研究部員の美少女の話。
77歳でこれを書いた。それにいちばん驚いた。大人向けの記述が盛り込まれている。若いなぁ。。。笑 -
あの筒井康隆が初めてのラノベ刊行‼
…と言うネタ以上の面白さを期待すると痛い目に合う一冊。
各章冒頭のくだりがほとんど同じ文で始まるところや、ラストの部分での塩崎というキャラのラノベ云々のセリフからは、どこか筒井康隆の皮肉めいた言及も汲み取れるが、物語としての目新しさはないし(「そのこと自体がラノベへの皮肉なんだよ‼」みたいなことだったらキツい)、そこまでラノベ風のお約束感も薄いかなぁ〜と思った。
佐藤友哉のフリッカー式の序盤なんかは、ものの見事にラノベをパロッた感じがして面白かったが、それに比べるとこちらはこじんまりとした印象。
まぁ200Pにも満たない小説に多くを求めてもしょうがないか。