マレ-鉄道の謎 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061820272

感想・レビュー・書評

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  • マレー鉄道に興味があって読んだのだが、舞台はキャメロンハイランドだた。マレー鉄道は事故で死亡という設定でしか出てこない。隙間をテープで封印するという密室のトリックをどのように暴くかが焦点だったが、見破った方法がはたして可能なのか疑問?カバーの裏に「鉄道ミステリーではありませんので、ご了承ください」を見逃していた。

  • 本格ミステリーらしいストーリー。
    やはり、密室は燃えるよね。
    くっそー、こんなトリックかぁ。と読み終えた時に悔しくなったよ。そうか、これはこうだったのは、こんな理由があったのか。みたいな。
    もう、どうしようもないトリックを想像していた俺がちょっぴり恥ずかしい。

    ただ、殺人事件が起こるまでがちょっと冗長な気がする。それが味を出しているというのも事実だけれど、やっぱりもっと短くてもいいようにも思える。もっとも、これは自分が冊数を増やしたいからという我儘な理由なだけで、ファンとしてはもっと長くてもいいと思えるだろう。

    さてさて、有栖川先生と火村先生のコンビは非常に息が合っていてとても快活である。ラストのちょっと待て、そんなことは言うんじゃないと諭そうとする有栖川先生とそんなこと知ったこっちゃないとばかりに、犯人を糾弾していく火村先生。ホント、ドキドキもの。

    犯人が持っていたのがxxxx(秘密)というのは書かない方が良かったんじゃないか?そんな風にも思えるがどうだろうか?ラストのちょっとしたどんでん返しも味が出ている。

    本作を読了して新本格っぽいミステリーが書きたくなってきた。書けなくてもミステリーのトリックを考えるだけでも面白い。そんな風に思う。

  • <ネタバレ有り>



    ++++++++++++++++++++++++++++++++



    作家アリス国名シリーズ6作目。
    鉄道の時刻表ミステリが苦手なので鉄道ものかぁ…となんとなく敬遠してたけど、読んでみたら鉄道ミステリじゃなかったのでよかった。
    独自のサムライ・イングリッシュを話すアリスですがあれだけ理解できて話せれば十分だと思いました。蛍のシーンは幻想的で素敵でした。
    密室トリックの方は外からキャビネットを動かして目張りを施しても、手で貼ったようにぴったりは引っ付かないだろうし、人が入ったキャビネットが動いたんなら窓枠や床に何らかの形跡が残りそうなもの。それを警察も火村も見逃したというのはちょっと無理があるなーと思いました。
    あと、アランはそんなに悪い人には思えなかったのでそこまで悪し様に言わんでも…アリスにはアランの推理を笑う権利はないぞ!

  • 憎むべきは罪か人か

  • 今月の12冊目。今年の125冊目。

    前々から読んでみたいミステリ小説だったので、図書館で借りてきました。なんか舞台がマレーシアだと、地理が良くわかんなくて、実際うーん、と思ったところもありました。まぁ確かに日本だとトレーラーハウスってあんまないからねー・・・。トリックが文章で説明されてもちょっと分かりにくかった。動機もうーんかな。まぁ面白かったとは言えるけど、めちゃくちゃ熱中できるわけでもないかなー。やっぱりマレーシアっていうのが個人的に微妙でした。

  • マレー半島を訪れた推理作家・有栖川有栖と臨床犯罪学者・火村英生を待ち受ける「目張り密室」殺人事件!外部へと通じるあらゆる隙間をテープで封印されたトレーラーハウス内の死体。この「完璧な密室」の謎を火村の推理は見事切り伏せられるのか?真正面から「本格」に挑んだ、これぞ有栖川本格の金字塔。 (「BOOK」データベースより)

    久しぶりに読みました、有栖川氏の長編。
    そしていつものように、やっぱりいいんだなあ。
    何のストレスもなく、先へ先へと読み進みたくなる。
    こういう言い方は作者様に失礼かもしれませんが、本当に相性がいいんです。

    作家アリス・シリーズで海外が舞台の作品って、初めて読みました、多分。
    旧友のいるマレーシアをバケーションで訪れた火村とアリス。
    この二人がいて何も起きないわけがない(笑)、そこで起きた不可解な密室殺人事件の第一発見者となってしまいます。
    迫る帰国の日までに、なんとかその謎を解こうと走り回る二人。
    街の様子や登場人物がそれぞれ丁寧に描かれていて、映像で見ていたかのような錯覚をしてしまいます。
    憎まれ口をたたきながら、心底、信頼しあっているこの二人、ちょっとうらやましいかも。

    ちなみに私は、アリス派です♪

  • さすが新本格派!じっくりと読みました。
    トリックも流れも人物描写もすべて満点です。
    おまけに読みやすさも(これ結構重要)。
    タイムリミットにこっちまで焦りながら
    最後に十分納得できるどんでん返しもあって
    大変楽しめました。
    有栖川さんやっぱ好きだな~

  • 新書版シリーズ。週末のラストはこの作品。舞台が海外だとイメージがわかないから個人的には嫌いなんだが、特段現地ならではのトリックではなかったため、気持ちよかった。トリックそのものよりも、そこにいたるまでの名探偵コンビ(火村・有栖川)の一挙手一投足が楽しい。

    最後にどんでん返しを作ってくれていることも含め、物語としての完成度は非常に高く、楽しく読むことができた。国名シリーズということで無理やりマレー鉄道を持ち出した感もあるが、それはそれでいいだろう。

  • 日本推理作家協会賞受賞作。
    早いうちにタイトルを明かしてしまったためファンから「マレー鉄道まだですか」を連発され、もうタイトルを先に言うのはやめようと思ったらしい。
    シリーズ中最も全体のバランス、まとまりが良いのではないかと思う。

  • 国名シリーズ第6弾。
    マレー鉄道で起きた過去の数々の事故死、キャメロンハイランドで遭遇した密室殺人。
    英語が不得意なアリスが現地で四苦八苦する様に同情した(´¬`)
    トリックについてはこんなもんかなという感じ。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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