ウェディング・ドレス (講談社ノベルス クM- 1)

著者 : 黒田研二

• 講談社 (2000年6月1日発売)

感想・レビュー・書評

[眼鏡さんの感想 · 2010年7月12日]

結婚を誓った男女の視点が章ごとに入れ替わるのですが、段々とその２人の状況に違いが現れてきます。
同じ状況のはずなのに噛み合わない事が起こってきます。
視点が切り替わり、まるでパラレルワールドみたいに話が進んでいくのですが、どちらかが嘘という訳でもなく、どちらも真実のようだからこそ大変に混乱します。
さっきまで祥子とユウ君は一緒の時空にいたはずなのに、突然別々の時空に分かれてしまったような感覚に何度も陥りました。
塔のトリックは読んだ直後は納得出来ないと思ったのですが、パラレルワールドぶりの回収の仕方が納得のいくラストでこちらの方には感心させられたので、トリックは馬鹿馬鹿しいけど活字の中だし許せるというか笑っていいよと言ってやろうじゃないかと思えました。

[館長さんの感想 · 2010年6月18日]

メフィスト賞(16回)

[ao-nekoさんの感想 · 2009年12月31日]

再読。トリックの細かい部分は、案外忘れていたかも。でもあの最大トリックだけはさすがに忘れようがなかったなあ（笑）。だってあのシーン、想像するたびに笑いがこみ上げてきちゃって……「そんなのあるかいっ！」と突っ込みたいところではあるのだけれど、あの発想力はすごい！　並みの発想しかできない私は、そういうとんでもない発想力に憧れるんだよねえ。

[Chieさんの感想 · 2009年10月4日]

第16回メフィスト賞受賞作。

　3ヵ月しか付き合っていないユウ君からの突然のプロポーズ。ドジでノロマで有名だった祥子(さちこ)は夢のような気分で結婚式の日を迎える。しかしながら当日、ユウ君は大事な結婚指輪を持ってくるのを忘れた為、式の直前に取りに帰ることに。だが、20分で戻って来ると言ったユウ君はいくら待てど戻ってこず、そして代わりに知らない男からの電話が。「落ち着いて聞いてください。つい先ほど、三笠勇紀さんが事故に遭われました」。

　読んでいて、自分の中で登場人物の性格付けがなかなかできなくて、ちょっとした言葉や言い回しに違和感を覚えることが多かった。初めて読む作家さんだったので、ただ甘いだけなのかなぁと思っていたけれど・・・なるほどそういうことかぁと。謎解きは少しややこしくて若干斜め読み（＾＾；全てがわかった後にもう一度、整理しながら読んだらこの小説のすごさがもっとわかるのかも。私はすっかりキング牧師に騙されていた。彼は本当のことを言っていただけだったのに。ただやっぱり、いくら復讐とはいえ、過去に自分をレイプした男達と恋人同士を演じられるとは思えないなぁ。<悪魔の館>のトリックは、現実に実現可能なんだろうか。だとしたら、すごい。

[もん太さんの感想 · 2008年7月3日]

なんやこれー！！最初から最後までゴチャゴチャしてるから、しっかり読んでいかないと途中から置いてけぼりくらっちゃう！！まるでパラレルワールドみたいに話が進行していくんですけど、どっちかが嘘というわけじゃなく、どっちも真実だからこそ大変！！！さっきまで祥子とユウ君は一緒の時空にいたはずなのに、突然別々の時空に分かれてしまったような構成が魅力的！！いったいどーなってんのー！？って思いながら、とりあえず目につく伏線だけでもしっかり記憶に刻みながら読みました。ゼンゼンわかんないっていうわけじゃなく、読んでいくうちに読者に少しずつわからせようとしているっていうのがまたスゴイ！非常に綿密に組み立てられています。でも・・・塔のトリックは納得できない！！えーそういうのってアリなんですかー！？？？「キャラ立ちなし、蘊蓄なし、洒落た会話も気の利いたジョークもなし。すべてが謎とトリックに奉仕する、体脂肪率０％の新本格」っていう推薦文のとおりの作品！

[sennsennpuukiさんの感想 · 2008年6月25日]

結婚式当日、何者かに襲われた祥子。婚約者のユウ君と手分けをしながら、祥子は真犯人を目指した。鍵となったのは、あるビデオに関わる猟奇殺人と、母が遺したウェディング・ドレス。そしてユウ君と再会したとき、不可解なジグソーパズルは完成する―――――この著者の初作品であるため読むのは大変でした。文章が変と云う訳じゃなくて。何だろう、内容は重いのに文が軽いというか、トリックのために事件を創ったというか、そこらへんを読んでる途中で感じたのかなあ？トリックもイマイチでした(人によってはビックリします)。

[sweetcakeさんの感想 · 2007年5月9日]

純愛か裏切りか。結婚式当日の凌辱から、わたしとユウ君の物語は始まった。そして「十三番目の生け贄」という凄絶なAV作品に関わる猟奇殺人。ユウ君と再会したとき、不可解なジグソーパズルは完成した!全編に謎と伏線を鏤めた新本格ミステリの快作、驚嘆の魔術師・黒田研二の手で、メフィスト賞に誕生!第16回メフィスト賞受賞作。

[なりゅさんの感想 · 2007年4月4日]

【STORY】
純愛か裏切りか。結婚式当日の凌辱から、わたしとユウ君の物語は始まった。そして「十三番目の生け贄」という凄絶なAV作品に関わる猟奇殺人。ユウ君と再会したとき、不可解なジグソーパズルは完成した!全編に謎と伏線を鏤めた新本格ミステリの快作、驚嘆の魔術師・黒田研二の手で、メフィスト賞に誕生!第16回メフィスト賞受賞作。


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何となく人物設定が苦しかったりしちゃうんじゃない？と思う部分もあるが、終わってみるとなかなかスッキリ。
設定あってのストーリー展開(トリック)だし、トリック自体は面白いと思った＾＾

<div class="booklog-all" style="margin-bottom:10px;"><div class="booklog-data" style="float:left; width:300px;"><div class="booklog-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/406182130X%3ftag=narysbookdepo-22%26link_code=xm2%26camp=2025" target="_blank">ウェディング・ドレス</a></div><div class="booklog-pub">黒田 研二 / 講談社(2000/06)</div><div class="booklog-info" style="margin-top:10px;">Amazonランキング：625456位<br>Amazonおすすめ度：<img src="http://booklog.jp/img/4.gif"><br></div><div class="booklog-link" style="margin-top:10px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/406182130X%3ftag=narysbookdepo-22%26link_code=xm2%26camp=2025" target="_blank">Amazonで詳細を見る</a><br><a href="http://booklog.jp/asin/406182130X/via=naryurin" target="_blank">Booklogでレビューを見る</a> by <a href="http://booklog.jp" target="_blank">Booklog</a><br></div></div><br style="clear:left"></div>

[chisanekoさんの感想 · 2006年12月11日]

純愛か裏切りか。結婚式当日の凌辱から、わたしとユウ君の物語は
始まった。そして「十三番目の生け贄」という凄絶なAV作品に関わる
猟奇殺人。ユウ君と再会したとき、不可解なジグソーパズルは完成した!
全編に謎と伏線を鏤めた新本格ミステリの快作、驚嘆の魔術師・黒田
研二の手で、メフィスト賞に誕生!第16回メフィスト賞受賞作

[たいりょうさんの感想 · 2006年5月21日]

心に染み入る文章と、かなり強烈なトリックの対比が面白いかも。デビュー作にしてくろけん節全開です。

著者プロフィール

黒田研二（くろだ　けんじ）
はじめに（前半）
第1 章　こころの病とリカバリー──回復を阻害するものの克服──
関西大学名誉教授、大阪府立大学名誉教授、西九州大学教授　医学博士
専門は社会医学、社会福祉学、公衆衛生学。精神疾患、難病、認知症をもつ人々や要介護
高齢者の支援に関する研究を継続している。
【著書・業績】
『地域包括支援体制のいま──保健・医療・福祉が進める地域づくり』（編著）ミネルヴァ書房，2020 年
『学生のための医療概論（第4 版）』（共編著）医学書院，2020 年
『高齢者福祉概説（第4 版）』（共編著）明石書店，2014 年　など

「2021年 『ポスト・ソーシャル時代の福祉実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」