目薬αで殺菌します (講談社ノベルス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826120

感想・レビュー・書評

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  • 四季が何をしようとしているのか、ちょっとだけ見えてきたような?回。
    「頭脳の仕組みを築こうとしている」「現在の個人は細胞に近い存在」という犀川の話で、国家有機体説や下の記事を思い出した。

    Wired: 鳥の群れが一体となる仕組み
    http://bit.ly/qhqEdO

    いつかは赤柳さん狙われそうだと思ってたんだが、今回とうとうきてしまったなあ。でも命狙われなくて良かった。最後のあの機転はさすが!

    今作の見所は加部谷さんと海月君のシーンかな。
    加部谷さん思ってたより積極的。というかてっきり山吹君が好きかと思ってた。
    近づかないほうがいいっていう言い方は、なんだか海月君一連の事件の関係者っぽいね。
    海月くんの2文字返信、いかにもありそうで笑った。

    結局、矢場さんが妄想ってマジなのか。ほんとに?
    うーむ…いまだに信じられない。『ファイトクラブ』みたいな感じだったんだろうか。次読むときは意識してみよう。
    倉居の殺人回想はまるで結社の通過儀礼みたいだった。

    矢場「身体全体で考える」:
    別働隊がそれぞれで考えて行動している


    あらすじ:
    神戸と東京で中身を入れ替えた目薬が発見される。製品名には「α」の文字があった。
    一方、加部谷は帰宅途中に変死体を発見。その手の中にも同じ目薬が。赤柳はTKK製薬から依頼を受け、目薬の件を調査する。

  • 考察のみ。

    まず、GシリーズのGは本当にギリシャ文字のGなのだろうか?まぁ僕は違うと思ってる。とすると誰か。①儀堂摂子説。確かに本シリーズではまだ出てきてないね。②四季冬で出てきたG・Gとかそこらへん。どちらも想像の域を出ないな。
    ちなみに、Gはアルファベットで7番目の文字。孤独な数字、というやつ。こじつけっぽいが。

    次に、赤柳探偵の気になる正体。候補としては森川素直説、林説、紫子説がある。
    林説の根拠。「私立探偵になったら」とかつて保呂草が言っていた、警察関係にコネがある、明るいのはキャラ。しかし、紅子が気付かないはずはない…ってのがネック。アクセントもダメ。
    森川素直説の根拠。保呂草と知り合い、船でご一緒した、明るいのはキャラ。紅子が気付かなくてもギリギリおかしくないか…?って感じ。同じくアクセントでダメ。
    紫子説の根拠。赤柳ういろうの元ネタは青柳ういろう。赤+青=紫。正直これだけで紫子説だと思ってる。髭は付け髭(睦子「年季は入っているが私の目は誤魔化せない」)、探偵への憧れあり。船でも一緒、アクセント、警察へのコネ。東京で会いたい知り合いもいる=探偵の真澄では?と、ここまではかなりオッケー。でも、女だって気付くよなぁ。さすがに。紅子も気付くだろ。

    しかし!やはり僕は香具山紫子説を押すね。紫子説の問題点は3つ、「男には見えない」と「紅子が気付く」と「そんなキャラだったっけ」。「男には見えない」は変装する必要がある時以外は付け髭を取る、でクリア(しかし睦子と会う時も外せば良かったのでは?ともなる)、髭以外に男だという描写は多分ない。「紅子が気付く」は「紅子は気付いていたけど気を利かせて気付かないふりをした」で解決してしまう。「そんなキャラだったっけ」は標準語のことを言ったんじゃないかな。しかし、それでもアクセントでわかってしまった的な。

    はたして、その正体は。

  • 再読。だが…

    肝心のシーンをけっこう忘れててキャアアア!!ってなった。
    新シリーズが始まる時はいつも前のシリーズの方が良かったと思うのにいつの間にか心奪われるふしぎ。アレはソコで終わらないって信じたい…。

    関係ないけど私の中で加部谷はあたしンちのみかんで再生される。

  • 読後はとても寂しくなった。成長や環境の変化、別れなどを感じるからかな。本当にサスペンスやミステリーとして読んでないなぁ。この続きは止まってるのかな?早く読みたいなぁ。

  • 森博嗣作品7作目

    加部谷と西之園、海月と犀川はそれぞれ似通ったキャラクターだから加部谷から海月に恋愛意識が向くだろうことは予想してたけれど、海月の「加部谷は、僕には関わらない方がいい」という台詞の意味がよくわからない。ただ単純に、海月と加部谷は相性がよくないといういみなのか別の意味なのか。別の意味だとするなら、黒幕が現行主人公の中にいるとうれしい私としては海月を真賀田四季関係者にしたくなるんだが。


    [批判的独善的内容含む]
    「倉居」が上司を殺す直前の「矢場」と上司の会話と、最後の赤柳から西之園への報告からするに、「矢場」は「倉居」の二重人格なのかな?初めのほうで「矢場」が描写されている部分は「倉居」の日記の一部、でいいのだろうか?架空の人物が「矢場」だろう。

    いや、よくわからない。「矢場」という人物に加部谷が会っているのだから「矢場」が存在することは確かである。しかし赤柳は倉居の日記をみて「架空の人物が一人出てくることです。彼女の近くに住んでいる女性なんですけどね。実際にも、変装をして、別人になりすますことがあったようです」と言っているから、本来「矢場」は存在しない架空人物。日記ではつまり山で爆発をさせたのも「矢場」がやったと思い込んでいる「倉居」自身なのか。「倉居」がバッテリィを所持していたのだかテロリストなのは「倉居」。
    あーつまり、倉居さん自身が「倉居」と「矢場」の一人二役を演じていたということだ。
    でもなんか、納得いかない。序盤、出会いの場面で「倉居」が「矢場」に助けられている描写がある。
    「『矢部』に貢ぐことに意義や崇高を感じていた」みたいな描写がある。
    「倉居」は「倉居」としてアパートを借りているし、「矢場」は大家の夫に無償でログハウスを借りているのだ。彼が元気だったころに。一年前に上京してきたという「倉居」は本当に「矢場」と同一人物だろうか?同一人物ならば、「矢部」がログハウスを借りた時点で「倉居」が「矢場」と分裂していなければならないが「倉居」の上京よりもそれは後のことのはずだ。分裂したきっかけはなんだろうか。序盤で襲われたこと?だとするとログハウスはその時点で「矢場」のものでないはずだから可笑しい。
    「矢場」は彼女の生活は有人の善意で成り立っているといったけど、それは架空の人物だからありえたことのなのか。

    爆弾を持っていた思想家、みたいな呼ばれ方をしていたけれど、彼女も真賀田四季関係者、というかコミュニティの人間なのかな?
    「矢部」のしゃべり口調や思想なんかから彼女が真賀田四季何じゃないかと思っていたけどぜんぜん違った。
    「矢場」が、「倉居」がコミュニティに接する中で培われていった別人格だ、とすれば納得もいくが。

    時田のパソコンを取られたのに赤柳が妙に落ち着いているから変だなとは思っていたけど、盗られたのは自分のものだったか!さすが、という感じ。

    しかしまあ、また人が失踪したけど見つからないし、今回は密室ではないが事件の解決はないし。酔っ払った加部谷の推理を海月は肯定していたけれども、それが解決なのかな。


    Gシリーズは12作で完結らしいけど、ストーリィもキャラクタもあんまり好きじゃないし、最後にαが出てから3年も経ってるし。何年も掛けてこの後を追っかけるほどの熱意はないなぁ…
    つまらないと投げ捨てる前に、ファンに勧められたように他シリーズを平行して読んでニヤニヤするべきなのか。しかしストーリィ自体は特に面白くない、西之園のキャラクタも犀川のキャラクタも、学生三人組+雨宮の人間性も、私としては微妙。とくればシリーズ同士の、ああこれとここが繋がるのね、という楽しみ方をするためだけに読むほどでもないし。
    このキャラクター読みをしなければならない点がそこはかとなくライトノベル的。
    伏線拾っていく読み方をするのは好きだけど、正直いろんな作家さんが本格ミステリ!って褒めるほどじゃなくてお粗末。物語がうまくない。
    うーん、悩ましい。
    どうやらGシリーズを読みさえすれば総ての謎が氷解するわけでもなさそうだ。シリーズ、と銘打つからには一冊一冊である程度の決着をつけるのが好ましいし、またそのシリーズ内を読みさえすれば総ての人間関係がわかるようにするべきだろうに、全シリーズを読まなければ理解できないようだ。流石に納得するためだけに読みたいストーリーじゃないんだよな。

  • ■神戸で劇物の入った目薬が発見された。目薬の名には「α」の文字が。その頃、那古野では加部谷恵美が変死体を発見する。死体が握り締めていたのは、やはり目薬「α」!探偵・赤柳初朗は調査を始めるが、事件の背後には、またも謎の組織の影が…?「φ」から続く一連の事件との繋がりは!?進化するGシリーズ、第7弾。

    ■■Xシリーズに行ったと思ったら一つ戻ってGシリーズ。Gシリーズ終わってたかったんですね。今回は事件の結末が曖昧。まあ、この曖昧さはある意味森博嗣テイスト。そして浮き彫りになった恋愛模様。そんなふうに矢印が向くとは思ってなかったんで、驚いた。 それにしても今回は萌絵ちゃんの登場シーンはなくて、久しぶりに犀川先生が出てた。それだけでも十分嬉しい。
    事件事態は少し消化不良。でも最終的にこれも大きな物語の一つを構成するパズルのワンピースなんだなと匂わせる部分が多々。今後どうなってゆくんだろう・・・。

  • Gシリーズ最終巻だが、中途半端感は否めな無い。結局ギリシャ文字事件は何だったのか、真賀田四季の影すら見えず、海月君も意味深に姿を消そうとしているし、消化不良。

  • 文庫本の刊行ペースを待ちきれなくなったので新書で購入。文庫に慣れているので、新書はなんだか読みにくい。

    シリーズの流れとしてはこの後どこに向かうのかな?百年密室系も間違いなく見据えた展開になってるんだと思うけど。うわー、とうとう最新刊読んじゃった!という意味で嬉しいのと、続きが読めないもどかしさの渦の中。

    かべやちゃんの恋愛については予想通りだったんだけどどうなのかしら?
    初郎さんが頑張ってた、ということはxシリーズにも期待できそうなのかしら?

  • どのシリーズも終盤になってきて、みんなが大人になっていく。
    森作品はやっぱり四季なんだと感じさせられる作品。
    このシリーズ自体が四季なんだけど。
    四季と同じく、じっくりゆっくりと体にナイフをいれてゆく森作品。
    振り返る時がいつか来るのだろうか?
    全体の形が見える日はいつになるのだろうか。
    その日が待ち遠しい。

  • これで最終巻かと思ったらちがうんですね!よかった。
    内容については目薬うんぬんよりも加部谷と海月の方が気になりました。
    海月がいつもの3倍くらいしゃべってる…!
    あとなんか意味深長な一言いってましたけど海月もなにか秘密がありそうですね。

    近藤さんがS&Mシリーズに比べて成長したなあ。しっかりしてきたし部下もできてよかったね近藤さん

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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