走れ! タカハシ (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061844445

感想・レビュー・書評

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  • 約15,6年ぶりに再読。
    当時大学2年生くらいだったと思いますが村上龍を読み始めた頃で
    とても刺激が強くて面白い作品という印象でした。
    最後のタカハシの真似をして工事現場で盗塁をするおじいちゃんの話だけは
    強烈に印象に残っていて覚えていましたが他の話はすっかり忘れていました。
    基本的にタカハシヨシヒコがちょっとだけ出てきて物語に彩を添える
    (あるエピソードは重要な役割で、あるエピソードではちょい役で)
    という流れは共通でどの話も面白くはあるのですが
    とても面白かったというイメージだけが先行して期待が膨らみ過ぎたのか
    どれもあと一歩期待に足りないというかそんな感じでした。
    (おじいちゃんの話は相変わらず良かったですけど)
    自分もちょっと大人になったということでしょうか。
    それとも最近プロ野球の試合を全く見なくなったからでしょうか。
    (前に読んだときはそれはプロ野球大好きでした)

    でもこの話を読んで(奥田英朗の「どちらとも言えません」も同時期に読んで)
    せっかく神宮球場の近くに住んでいるのだから野球見に行こうと思いました。

    この作品の中で印象に残った場面。
    男がオカマになっていく様子が面白いPART10で主人公の娘が
    母親と一緒に出て行かなかった理由が最近「クレイマー、クレイマー」を見て
    感動したからといっていたところ。
    この娘は一緒にアイスクリーム食べようと思ったと言っていますが
    私はフレンチトーストを一生懸命作るシーンがとても好きで
    息子が出来たら一緒に作ろうと思ったのを思い出しました。

  • ここ一二年、野球を面白く感じるようになった。特に、日本シリーズとWBC。
    大の大人が、全身の力を使って一発入魂の真剣勝負ですよ。観ているほうも、思わず言ってしまう、走れ、山田!走れ、松田!

  • カープ関連ということで。高橋慶彦さんは、私が生まれる前後に活躍していた選手なのであまり馴染みが無いレジェンドという感じ。この作品自体もその頃のものなので、色々と時代は感じつつ、みんなが熱かったんだなあというのが感想。
    ダメ男がぼろぼろ出てくるけども女性が強いので、読んでいると軽い悩みなんてどうでも良くなってくる。
    慶彦さんは話に直接かかわったり関わらなかったりだけど、良い人なんだなあというのはしみじみ伝わった。
    最後の短編のおじいちゃんには元気をもらったな。

  • あとがきに「男が醜く喘ぐ小説」と書かれていて、その通りで面白かった。カープのタカハシヨシヒコ選手を応援する普通の人々がメイン。一人称の地の文がとても上手いなと思う。よくある話を、オリジナリティのあふれる、いつまで経っても古びない小話にしているあたりがとても勉強になる。よかった。

  • 読み終わりました!連作短編なのでトイレで1話ずつであっという間に読めます。
    タカハシって、表紙の絵を見ても判ります。懐かしいねえ。ちなみに広島の慶彦です。
    という事はスポーツ小説?とは言えないなぁ。どの話にも慶彦は何らかの形で出てきます。何々、「野球を楽しむ普通の人を配した」って、いや、全然普通の人じゃないよ。出てくる人。
    朝ドラもびっくりのありえない設定にありえないストーリー。でも、小説にリアル求めてもねぇ。
    全12話ですが、どれもスピーディーでスリリングな展開でグングン読める。さすがにうまいね。
    「幸福は、必ず秘密と嘘に支えられているものなのだ。」だって。言えてるねぇ。

    著者:村上龍(1952-、佐世保市、小説家)
    解説:吉本ばなな(1964-、文京区、小説家)

  • 高橋慶彦出てくるけど、内容は何にも関係ない。

  • 広島カープのタカハシヨシヒコが必ず登場する短編集。不思議とおかしかった。

    「おまえ、いいな巨人戦も観れるんだろ?」
    都市部っぽいカラッとした青年の性欲とセックスと、これまたカラッとした「走れ!タカハシ」の声援が気持ちいい。

    「海へ行って陽焼けをしてきただけではだめで~」
    男子学生が焼き鳥屋で広島カープのタカハシファンの女性に一目ぼれをして奇跡的な逆転勝利の興奮が冷めやらぬままセックスする話。単純だけどこういうのが一番アソコにくる。

    どうやら青春小説として読んだようだ。中年の性欲もわからぬではないが、タカハシヨシヒコの恵まれた肉体(実物は知らない)や彼のダッシュ力とうまくかかるのは、やはり青年の失踪する性欲であるという気がする。

  • 宿題で、PART4のみ読んだ
    人間の欲って つながっているぞ??

  • 広島カープの背番号2。ファーストベースにヘッドスライディングしてもそれが様になるプロ野球選手。
    下の方に興味津々な思春期の男の子や、思春期を過ぎてもやっぱり下の事ばっか考えてる男や、熱狂的なカープファンの方々。
    それぞれの事情も吹き飛ばす『走れ!タカハシ』の声援!

  • 面白かった。
    特にお父さんがオカマになる話が好きだ。

    テンポよく、飽きない展開。
    バカバカしく、笑ってしまう表現やセリフ。
    すごく人間くさい人物描写。

    ただただ面白かった。
    短編でこんなに書けることに脱帽。
    村上龍の球種の多さに驚かされる。

    おすすめの一冊。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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