- Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061853829
感想・レビュー・書評
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特に、旅をするとき、結局この本を持っていく。
旅でなくても、旅のようなとき、入院とか、とにかく時間の空いた一日とか。
そんな日にいつでもひたれる場所のような本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
毎日仕事に疲れて、ばたんきゅーと寝る時期もあれば、本に憑りつかれて気を失った様に寝るが寝るまで本を読みたい時がある。そんな時この本はいつも寝所にある。布団のまわりにいつも居る。
そしてどの章からでも楽しめ、遠い過去に、遠い場所に、連れていってくれる。いろんな匂い音、空気が頭の中に浮かんでは消え、少ない著者の写真を思い浮かべながら眠りにつく。本はボロボロになってしまうけど・・・・
好きな作家がいて幸せです。 -
著者が「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」といったマスターピースの創作期を過ごされた、イタリア/ギリシアでの三年間の紀行。
これだけの著名な作家が、脂ノリノリの時期を、これだけ面白い国で過ごした日々が綴られている訳で、面白くない訳が無い。
この面白さの本質はどこから来るのかな、と自分なりに考えてみたならば、それは、著者がそれぞれの国の文化を、包容しようと汗だくになる一方で包容されようという折に、冷静で一歩引いているという、このツンデレ感が堪んねーよ、というところに落ち着いた。
そんな中、さあ来いコレ見てみろといった興奮が伝わる部分は、イタリアでは食(ボローニャには必ず行こうと思います)、ギリシアでは酒(選挙期間は酒の販売が一切禁止であることを家飲みしながら気づく下りは爆笑)でしょう。 -
310年前、芭蕉は「片雲の風にさそはれて」江戸を出立し、そして26年前、村上春樹は「遠い太鼓」の響きに誘われて、ヨーロッパに旅立った。それから実に3年間に及ぶ彼の地における滞在記である。本書は紀行とはかなり趣を異にするが、イタリア、ギリシャでの滞在者ならではの体験が主観的に(これはいい意味で)語られる。この間は村上自身にとっても重要な時期で、『ノルウエイの森』の執筆、刊行と大成功、『ダンス・ダンス・ダンス』の執筆、刊行がなされている。そして、村上の小説への向かい方、また彼にとっての翻訳の意味がよくわかる。
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著者は37~40歳の3年(86~89年)を欧州を旅行しながら過ごしたという。そこで「ノルウェイの森」「ダンスダンスダンス」を執筆し、帰国した際には、日本も大きく変わり、本人も150万部のベストセラー作家として超著名人になっていた。正直な気持ちとして嬉しいよりも、読者に愛されている感じから、多くの人に憎まれ嫌われている感じへの変化。孤独を感じたという言葉の意味が良く分かる。ギリシャ、イタリア、イギリス、オーストリアでの日々がユーモラスに楽しく書かれており、飽かせない。ギリシャのタヴェルナでワインなしの夕食(実は投票日)、ギリシャの女性から「あなたギリシャ人が2回もノーベル文学賞とったってご存知?}と聞かれた話。妻との力関係を思わせる言葉「女性は怒りたいことがあるから怒るのではなくて、怒りたいから怒っているのだ。そして怒りたいときにちゃんと怒らせておかないと、先にいってもっとひどいことになるのだ。」この言葉が通奏低音のようにいろんな国で思い出させる。ギリシャで追いかけてくる犬に日本語で「てめえ、ばかやろう!」と叫ぶ言葉。スペッツェス島での日々、「エーゲ海の法則」というビーチにむき出しになったおっぱいが無数にごろごろしている姿を眺める日々。自分と同名のハルキ島での滞在。気に入ってよかった!との記述。イタリア車の表情、事故、そして駐車事情など、楽しく読ませる旅行記・エッセイである。
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村上春樹と同時期にローマに住んでいたことを知った。村上の語りイタリアの様々なエピソード、同じような経験沢山しただけに、とても共感。読み物としてとても面白い。
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ノルウェイの森、ダンス・ダンス・ダンスが書かれた頃の、村上春樹、イタリア&ギリシア滞在記。何気ない日常が村上春樹流に切り出される。
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抱腹絶倒のヨーロッパ滞在AND旅行記。とりわけギリシャとイタリア篇は面白過ぎて電車の中で読むのはやめた方がいいかもしれない。こういう国民と一緒にやっていかなくてはならないEU諸国は大変だなあと、ホントに同情する。イタリアとイタリア人をかなり辛辣に描いているが、それでも惹かれてしまう、この二律背反の気持ちが、文章に滲み出ている。私もフランスに5年住んだことがあるので、愛憎入り混じるこの気持ちはよくわかる。私ももう一度ヨーロッパを歩き回りたい、そんな気持ちにさせてくれる。
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旅行記って好きです。
でも、よくよく考えてみると僕が旅行記を好きになったのは彼の影響かもしれません。
これは、著者がギリシャ、イタリアその周辺を転々と渡り歩いた際の記録。
だいぶ前に読んだから細かいところまでは覚えてないけど、普通の観光客が行かないようなところに行き、そこで感じたことを彼のフィルターを通してつらつらと書き記したものです。
この土地の雰囲気が彼の初期から中期の作品には漂っている気がします。あるいは、初期のころの作品のコンテクストがこの旅行記を書いているときの彼をしてこの土地の雰囲気をこういう文体をとって書かしめたといった側面があるのかもしれません。
いずれにせよ、My Favorite 旅行記。 -
読書後感 爽やかです。
村上春樹は小説以外初めてですが流石です。
イタリア、ギリシャに出掛けたくなります。
でも、音楽、食事、語学、お金、時間、みんな今の私に欠けているものばかり。まあ小説家じゃ無いからいいか。