頼子のために (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1316
感想 : 142
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854017

作品紹介・あらすじ

「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ-、という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が。精緻構成が冴える野心作。

感想・レビュー・書評

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  • 法月綸太郎シリーズです。
    今回は、色々な圧力がかかる中での推理となりましたが、それらに全く屈しない綸太郎が格好良かったです。
    綸太郎は、純粋なまでに真実を追い求めます。
    例え、それが辛い真実でも。
    今回も、犯人は全く分かりませんでした(笑)

  • 娘を殺された父親が犯人へ復讐し自殺を図る。父親の手記から謎を解き明かしていく。娘を殺した犯人当てのミステリよりも、裏にある家族の歪さがより読後感を悪くさせる。帯に書かれていたほどの驚きはなかったけれど、面白かった。

  • 強すぎる愛情は狂気になってしまう。ドラマチックな演出は無く淡々と物語が進んでいきます。後味が悪すぎるぐらい悪いので、そういう作品が好きな方は是非。

  • 少し古いミステリーだが、正統派の探偵という感じで良かった。最初の手記を読んだ時点ではこの事件がどう転がるのか全く予想がつかなかったが読み進めているうちに次々訪れる意外な展開に飲み込まれてしまった。
    ただハッピーエンドが好きな自分にとっては最後はもうちょっと違う結末を期待したなぁ。
    事件の発端が14年前の交通事故だったということで普段仕事でハンドルを握る身としては改めて車を運転する怖さを感じた。
    それと頼子がなんだかとことん可哀想だったなぁ。

  • 月末に意外性はあったが読後感が悪い。もっと良い結末を迎えることができたのでは?

  • デビュー作からの4作品、全く作風が違う。
    だが、ユーモアのある端正な文章、雰囲気はやはり好き。法月綸太郎の探偵としての変化も描かれている。

    本作は『雪密室』、『誰彼』とは違ってパズラー要素はほとんどない。
    日記の長さの違い、推理があまりにも当たりすぎているという不自然さ、「一昨々日」という書き間違い、といった要素から推理しているわけだが、やや強引さは見られる。
    まぁそこに重点を置いているわけではないので問題はないが。

    父親が実は頼子を愛していなかった、という事実にも驚いたし、
    「実の娘と体の関係を持ち、終いには殺してしまった酷い父親」という姿を隠すために、柊に悪役を押しつけ、自分は「愛する娘の敵を取った父親」を演じる、という動機も面白い。

    ラストに明かされる真実は予想の上を行くものであり、このドロドロとした読後感も自分は好み。
    実は真の黒幕が操っていた、というのは他の作品でもよく見るが、あまり好きではない。
    だが、この作品ではなぜか抵抗を感じなかった。

    自分の好みのタイプの作品ではないが、思っていた以上に面白かった。

  • 2020.5.13

  • 人を愛する事もほどほどに!
    2/3/15

  • ホンマに身勝手な父親。
    最後きちんと罪を償って欲しかったわ。
    なんで主人公は自殺を許すのか。
    結局母親の思うように動かされただけじゃないか?

  • 1989年刊行。昭和の終わりかな?まぁ手の込んだ作品だけど、終始単調で盛り上がるとこのない一冊だった。
    娘を持つ親としては、娘が殺される事に同情しながら読んだけど、結局ドロドロやないか。ドロドロすぎて引くわ。何が頼子のためだと思いながら、最後を迎えた。
    とりあえず古いミステリーを読んだって事で星3つ。

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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