御手洗潔のダンス (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854383

感想・レビュー・書評

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  • ◆短編集◆
    『山高帽のイカロス』
    『ある騎士の物語』
    『舞踏病』
    『近況報告』

    ◆作品紹介(背表紙より)◆
    人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。そして四日目、彼は地上二十メートルの電線の上で死体となっていた。しかも黒い背広姿、両腕を大きく拡げ、正に空飛ぶポーズで!画家に何が起きたのか?名探偵御手洗潔が奇想の中で躍動する快作集。
    ―――――――――――
    ◆以前読んだ「御手洗潔シリーズ」で、御手洗さんのキャラが一気に気に入って借りてきました。奇怪な行動からは想像できない程の知性と、ジェントルマンっぷり。
    いや、その紳士的な思考が、凡人には奇怪な行動力に写ってしまうのかと思われました。

    ◆『近況報告』は事件の発生はなく、少し退屈。
    他の3作品は、依頼人から、もしくは同居人の石岡くんから聞く摩訶不思議な出来事を御手洗さんが解いていく。
    まぁどれも事件に繋がっていくわけなんだけど、犯人逮捕で終わるわけではなく、今の社会の在り方を問うものもありました。
    (いわゆる「社会派」というものらしい。あとがき?で知りました)
    『舞踏病』では医療の在り方が取り上げられており、色々と考えさせられましたな。
    私が通院している個人院はそうは感じられないが、総合病院とかでは顕著なのだろうか?
    推理小説しか手に取らないけど、それでも色々とためになる。これからも色々と読んでいきたい。
    (2014.9.5 読了)

  • 御手洗&石岡君コンビ4本目。
    【山高帽のイカロス】…ビルとビルの谷間、上空電線に引っかかって空を飛ぶような格好で死んでいた遺体と電車に引きずられる人の右腕と早朝公園で保護された狂女の謎。
    【ある騎士の物語】…クイックサービスの代表、仲間を裏切って姿をくらました男の殺人。15年前の大雪の日に起こった謎。
    【舞踏病】…突然古家の2階に下宿させてくれと言われて住み始めた老人は夜ごと手足と顔面を激しく動かして踊り狂う。老人の正体、息子の正体、老人に隠された秘密。
    【近況報告】…御手洗ファンの読者の質問に答える形で石岡くんが御手洗の日常や好みを説明。

    短編はサクサク読めていい!

  • 「ある騎士の物語」のラストは、何度読んでも胸がつぶれる。「近況報告」は素晴らしいファンサービス。島田さん(御手洗さん?)は、サービス精神旺盛な人だなぁ。

  • 短編で読みやすいし、事件から解決までの流れも丁度いい。

  • 軽やかなダンス。

  • 名探偵読書シリーズ

     法月倫太郎の次は御手洗潔。たぶん筋はシンプルだが、よりアクロバティックなトリックが予想される。

     想像の通りに「山高帽のイカロス」は現実からの浮遊感たっぷり。空を飛ぶ話だからなぁ。

     あとみっつ作品があるんだが、待っていた図書が到着したこともあり、どうも乗り切れずに思い切って再読を期して残りはパスすることにした。

     パス作品は、「ある騎士の物語」「舞踏病」「近況報告」である。また今度!

  • 御手洗潔もの。短編集。「山高帽のイカロス」「ある騎士の物語」「舞踏病」「近況報告」の四作品を収録しています。
     「舞踏病」が本作品の中心となる作品で、「近況報告」はこの作品発表当時の御手洗の状況を報告している作品で御手洗の生活や性格などがわかる作品で、推理小説ではありませんでした。
     そのため、推理小説という意味では三作品が収録された本作ですが、いずれの作品も面白かったです。御手洗向けの怪奇な事件――ビルとビルの間の電線に引っかかって死んでいた男、三十分では行けない場所で死んでいた男の凶器の拳銃がその場所にある、夜な夜な顔がひきつって踊り狂う男――でとても興味深く読むことができましたし、御手洗の奇人っぷりも読んでいて面白かったですね。そんな事件の解決編もトリックが多段に仕込まれており、ええ!? と驚くようなものもあり、いろんな意味で非現実的ながらも面白かったです。

  • 島田荘子さんは私が好きな作家のひとりです。この『御手洗潔のダンス』は中編がいくつかあるが、特に印象に残ったのは「ある騎士の物語」です。この物語ほど描写に力がある小説を読んだことがありません。最後に出てくるラ・マンチャの男ドン・キホーテの部分は衝撃的で読む手が止まりませんでした。

  • 12月の5冊目。今年の207冊目。

    御手洗シリーズの短編集。関係性の感じられない話がいくつかあり、それらは実は密接に絡みついていて、御手洗氏がその謎を解明するというパターンの短編集。また、彼の私生活について、最後に若干の頁が割かれている。面白い! 

  • 割と知られている推理小説らしいけど、僕にとっては「多摩の話が出てくるらしい」という軸で選んでみた本でした。読んでみて、多摩の、それも国分寺の話が出てきたのは確かに地勢がわかる自分にとってはきっと人よりおもしろかったと思うけど、それ以上に登場人物が個性的で読んでて印象に残りました。変な人だな~、この人考え方おかしいよな~と思う人でも、超頭いいときもあるから見た眼で判断しちゃいけないですね。なんとなく、読み進めながら推理をしてみて、小さい頃からパズル好きだったことを思い出して、はまりそうになってる自分を発見しました。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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