御手洗潔のダンス (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 134
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061854383

感想・レビュー・書評

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  • どの短編も面白かったです。
    「近況報告」ってのが憎いですね。

  • 御手洗潔シリーズ。短編集

    『山高帽のイカロス』『ある騎士の物語』『無踏病』の
    三篇からなるショートストーリー。
    作者石岡和己が明かす、御手洗潔の知られざる日常生活が
    てんこもりです。

  • 言わずと知れた御手洗シリーズ。

    今作は今まで以上に、御手洗さんの思想、スタンスなどがうかがい知れる一冊となっていると思う。
    わしは謎自体は「舞踏病」以外はそんなに夢中になれなかったが、「舞踏病」は古き良き……という感じがして、たぶんまた忘れた頃に読んでも好きと思える話になっていた。
    それにミタライアンのわしとしては「舞踏病」の御手洗にはもうほんとハアハアして殺されるかと思った!(黙れ)

    そして何と言っても一番最後に収録されている、「近況報告」が目玉だろう。
    その細かい”報告”っぷりに、おれは一瞬石岡君の苦労が分かった一方で、御手洗ファンの女子並みに嫉妬しそうになったわっ。
    御手洗のような男がもっと増えればいい……(待て)

    とにかくミタライアンやカズミストにとっては、今回も涎ものの一冊でしょう。

  • 「舞踏病」が大好きです。楽しい!

  • 御手洗潔シリーズ短編集第2弾。『山高帽のイカロス』空を飛べる人種がいる、と言っていた画家が突然行方不明になった数日後、まるで空を飛ぶような格好のまま電線の上の死体として発見された…。これはトリックを使った犯行ではない。けれど著者の着想が凄い!と思った。偶然に偶然が重なるとしても、こんなに特殊な「アウトプットとしての見方」になるなんて!それから事件現場を再現するときの御手洗の嬉々とした様子が可笑しくて笑った(石岡君の驚きぶりも)。警察(横柄な態度の人)にはとことん意地悪。『ある騎士の物語』石岡君が聞いてきた一五年前の不思議な事件を御手洗に話す。それはバイク便を始めた五人の青年と一人のマドンナの物語。雪の降る深夜、電車も車もバイクも使えない実行不可能な殺人は誰の手によって成されたのか…。トリックの意外性とストーリーの切なさ、両方で長編一冊分の読み応えを感じた、素晴らしい作品。石岡君が(意識せず)御手洗に話した内容の中に、犯行を解く手掛かりがきちんと与えられていたというのに、まったく思い至らなかった(いつものことだが)。あ〜、やられた!マドンナの強かさと狡さを鋭く見抜いた御手洗の眼力にも感心した。事件後一五年後に結婚したってことは90%真相に気づいてたな、きっと。条件(趣味と車輪)がたまたま揃ってたからではなく、固い決意と決死の覚悟があったからこそ可能になった犯行。あまりにも悲しすぎる真相だ。『舞踏病』強引な頼みで、自宅の二階に老人を下宿させたおでん屋の亭主が、夜中の老人の奇妙な踊りに不安を感じて相談するため御手洗を訪ねた。笑いのポイントは御手洗の奇行。おばさんの真似、西瓜、愛犬の栄養食、鳩に豆、浮浪者、公園の池でダンス。言動のどれに意味があって、どれが単なる我が儘なのか解らないまま、石岡君同様に読み手も振り回されている間に、いつのまにか捕り物シーンに。プロローグは現代の源蔵のモノローグ、途中の塔崩壊場面は昔の記憶だったと解ったのは読み終わってしばらく考えてから(遅っ)。「そういう汚れは洗ってもなかなかおちないんだぞ!」という石岡君の嘆きも可笑しかった。『近況報告』御手洗の私生活を暴露するという、読者(特に女性)向けのボーナストラック。アメリカの大学で教鞭を執ってたりアメリカ国籍だったり、犬好きなこと、ケーキ屋での逸話、普段の学者然とした姿など、ただの変人に見える御手洗の知られざる姿が、石岡君の目を通して紹介される。この中では『ある騎士の物語』がお気に入り(多数派?)

  •  「近況報告」は実にいろんなお話が詰まっていて大変に面白かった。日常生活の話から遺伝子DNAや宇宙の話まで、とんでもなく広い範囲に及ぶことをさりげなく書いている。 そのなかでも麻薬の話はとても興味をひかれた。大沢在昌の作品をよく読むのだが、彼はとにかく麻薬を嫌っている。そのせいで麻薬犯罪に関する小説が多いので、わたしも少しばかり興味を持っていたわけである。 犬にまつわる話が、犬好きのわたしにはまた面白い。飼ってはいないが親しいのが三匹いて、うち一匹は英語しか解さないそうだ。三匹に人間の意思を伝えようとすると英語と日本語両方でしゃべる必要があるそうな。いったい犬同士は何語でしゃべっているのだろう。やはり犬語か。するとそれは世界共通語なのか? 「山高帽のイカロス」はいくらなんでもちょっと無理があるお話。まあすべての物語が「異邦の騎士」級だったりしたら息がつまってしまうので程よい。 「ある騎士の物語」はわたしにしてはめずらしく途中でトリックがわかってしまった作品。そうか、あたりまえだけど「なんでここでそんなものが?」と思ったところにヒントはあるのだなあ。あ!こんなの基本か。 「舞踏病」もいささか設定に性急なところを感じた。あまり書きすぎるのも読んでいて「まだかよぉ」という気分になるけど、ほとんどなにも書かないで「こいつが犯人で、こういう具合に犯行に及んだんです」といわれてもなぁ、という心境でした。 まだ御手洗5冊目なのにちょっと偉そうなことを書いたような気がする。すまぬ。  さて次はいよいよ分厚い『暗闇坂の人喰いの木』だぜ。 徹夜注意! だな。

  • 島田先生、頑張れ!

  • 短編集。『ある騎士の物語』は…少々、切ない。最後の一作品はどうにかならんか(笑)。

  • 御手洗潔がもう大好きです。

  • 島田先生の生み出した天才、御手洗潔氏。
    「天才=変人」を地で行く御手洗さんは大層魅力的です(笑)
    友人石岡君が突っ込み役かと思えばなんだか2人揃ってボケ担当。結果2人の会話はなんとも異空間、癒し系(笑)
    事件もユニークで面白いです。でもやはり一番の魅力は御手洗さんと石岡君の掛け合い!

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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