アジアの路上で溜息ひとつ (講談社文庫 ま 28-1)

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  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061858480

感想・レビュー・書評

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  • あー、あたしが男だったらなーと思わせる一冊。たぶん男だったら、こんな旅を好んでたんじゃなかろうか。安宿に泊まり、大衆食堂で飯を食う。怪しい人に声かけられてついていく…とかができただろうに。日本でもそうだけれど、海外に行くと女はナメられる。中には女一人でも旅しているツワモノもいるし、あたしもかつてはアメリカに一人で行ったりもしたけれど、やっぱ安全上を考えるとそれなりのホテルにしか泊まらないしそれなりの場所にしか行けない。もっと見たい光景があったかもしれないのに、それを逃しているかもしれないと思うと嫌になる。ちなみに本書は著者が貧乏旅行をした旅行記。アジアだけでなく、あたしが行きたいケニアだのエジプトだのもある。著者は都会が好きで、人間が好きで、食い物が好きという、あたし(人間嫌いで動物好き、田舎好き、食い物どうでもいい)とはまた違った視点で旅をしているけれど、こういう旅も面白そうだな、と思わせてくれる本。

  • ・8/21 ChatswoodのVictoria Rdの露天で衝動買い.なにしろ$1だったから古本屋より安い.最近旅行記づいてたからいいかも.特にアジアだし.でも聞いたことない著者だ.
    ・8/25 読了.アジアだけに絞ってないのに何故かアジアの雰囲気がどの話しにもある.辛い食べ物は慣れれば食べられるのだろうかと本気で試してみようと思った.そういえばここオーストラリアはアジア人が多いけど、インドも含めてアジアは辛い食べ物を好む人種が一番多く住んでることに今更ながら気が付いた.俺もアジア人として辛いものも食べられないといけないんだろうな.日本人だけが辛い食べ物を食べないのだろうか.

    • taku02さん
      チャッウッド。シドニーですかね?!
      チャッウッド。シドニーですかね?!
      2011/04/19
  • 誰でも一度は夢見るアジアへの旅・・・
    しかも貧乏旅行!
    著者の旅行はとっても貧乏でその分面白い。
    貧乏だから生まれる現地の人々とのふれあい、そして見えてくる風景。
    自分も旅行している気分になる一冊。

  • 前川さんの本は、自分と考えが近いというか、かなり似たような視点からアジアや旅を捉えているので、読みながら頷いてしまう部分がとてもたくさんあります。そして数多い旅行記の中でも隠れた名作だと僕は思っています。

    本書は僕が初めて読んだ前川さんの本。アジアと銘打ちつつもケニアやアメリカの話も登場しますが、全体に漂う一歩引いた客観的な描写が心地良いです。

    • taku02さん
      たしかに隠れた名作ですね。同意します。著者の他の本も読んでみたいものです。
      たしかに隠れた名作ですね。同意します。著者の他の本も読んでみたいものです。
      2011/04/19
  • この本から、「飽き」「つまらない」「悪」という文字を抜き出したら一体いくつあるだろう。この人はひどく飽き性で、満足するということがないのだな、というのが伝わってきた。何が楽しくて旅をしているんだろう。何も楽しくないから、楽しいことが降ってくる場所を探して歩き回っているんだろうか。

  •   旅にで食べて人に出会う、 新作落語の良質のもの。on the road版。 

    Sex版も読んでみたいです。

    食べるという人間の基本的な欲望と行動を軸としてかいま見える人と人の在り方。 青年にとって基本的な欲望と行動のもうひとつの軸である性をかいして見えてくる人と人の在り方を前川風に切り取って料理した、みじめで、せつなく、詩的な「お話」を読んでみたいです。

    期待せずに、ついでに買った本だったこともあり、 こりゃ結構おもしろい!
    と笑えたときにメッケものをしたととうれしくなりました。 ありがと。
     
     

  • ブックオフで100円コーナーにあって
    なんとなく手にとった一冊。

    料理人の著者がアジアを旅して
    出会った料理とその周囲の人間模様。
    ひとつひとつのエピソードが物語のように
    優しくて温かかったり、切なかったり。

    放浪している
    という言葉がぴったりで
    いつの間にか自分も旅をしている気分になれる。
    良い本に出会いました。

  • この空気。これがアジア。アジア以外もあって面白かったな。

  • アジアを旅する著者の旅行記。とにかく腹ペコだなぁという印象で、何かを食べる描写がすごくほほえましくうらやましく面白かったです。

  • やはり旅行関係の本は面白い。
    古本屋で入手したから、雑多な本の類だと甘くみていたら、良い意味で期待を裏切られた。
    旅を記した本が面白いのは、ありふれた日常にはない新鮮さがあるからだろう。

    「深夜特急」ともちがう、やや憂いを含んだ著者の目に映るアジアが見れられる。

    ーオプティミストでなければ、一人たびを続けられない。そして、同時に、ロマンチストあるいはセンチメンタリストでなければ、旅を続ける面白さがない。ー
    たしかにそうだと頷いた。

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著者プロフィール

創価大学大学院文学研究科准教授。仏教学・生命倫理学。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学、東京大学)。
著書 『明恵の思想史的研究』(法藏館、2012年)、『明恵上人夢記訳注』(共編、勉誠出版、2015年)。

「2017年 『水子供養 商品としての儀式』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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