ふたたび赤い悪夢 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (620ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061859890

感想・レビュー・書評

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  • 最近法月綸太郎気になると思ってテキトーに手に入るものから読んでたら冒頭いきなりまだ読んでない頼子のためにの犯人の名前が出てきてびっくりした。
    一瞬で忘れたからとりあえず先に頼子のためにを読んだけど。
    で、戻ってきたら今度は雪密室の話題が出てきて、今度は雪密室かよって思ったけどもういいやと思ってこっちを先に読んだ。
    法月さんて本は刊行順にしか読まない人なのかな。
    みんなうじうじしてるからハッピーエンドのはずなのによかったねって気持ちになれない話。
    あと不要なエピソード多すぎ。
    調べたこと全部書かないと気が済まないタイプなのかな。

  • 探偵の傷が深く、読んでいて痛々しいです。こんなに後ろ向きでなくても、と思うほどですが彼は自分で乗り越えなければ彼女を救えない、と祈るような気持ちで読み進めました。しっかり読み応えがありました。この三作品は家族の話ですが、再読にあたって初めて読んだ時と現在とでは自分の家族構成や立場というものが全く違っていたので同じ物語でも受けた印象がかなり変わった気がします。以前はもう少しさらっと読んでいたような?綸太郎が復活しなくてはいけないので珍しく後味がよいのが嬉しいです。

  • 実は大学生の頃に読んだのは『頼子のために』までで、その後別の作家に移った。これは単純にその頃出ていた彼の作品の文庫が『頼子のために』しかなかったからだ。本作を読んだのはかなり後で、数年経った頃。そして本作は『頼子のために』と『一の悲劇』と合わせて悲劇三部作という謳い文句でもあり、しかも先に書いた感想でも解るように、私の中では読後数年を経て、『頼子のために』の記憶は美化されていた。手にした時の期待感は推して量るべしだろう。

    まず前知識としてあったのは「悩める探偵法月綸太郎」というキャッチフレーズだ。前作で「後期クイーン問題」に直面した法月氏(この場合、作者と作中登場人物両者を指す)は自らの存在意義を見出せず、苦悶する日々を送っている。シリーズでも最長を誇る本作は、実はこの悩みのためにほとんど進まないといっていい。本作の大半は法月氏の内部葛藤と答えの見えない問いに対する自問自答で覆いつくされている。確か精神錯乱者の書いたような内容が暴走している章もあったように記憶している。
    この悩みのため、実は事件そのものに関する記憶が希薄。刺された被害者であったアイドル歌手が失神から回復すると無傷であり、刺した加害者が逆に刺殺体となって横たわっていたというパラドクシカルな発端だったが、結局どんな真相だったのか覚えていない。しかしもしこれを今読むと上の星評価はもっと下がるのは確実だろう。
    『頼子のために』でも最後に探偵法月が犯人に下した所業について不評の声が上がっているのを目にしたが、本作でも法月警視が行った行為は一警察官とは思えぬ乱暴な行動を取っている。あいにくこの辺については当時全く考慮が届かず、そのまま読み飛ばしてしまったが、もしかなりミステリをこなした今ならば、その時点でもうこの物語を受け入れられないことは間違いない。だからあえて本書は再読しないようにしておこう。ついでに美しい読後感保持のためにも『頼子のために』も同様である。

    結局延々と繰り返される法月氏自身の問題は結局答えは出ず、これはなんと『生首に聞いてみろ』が出るまで続いた。そしてどうやら『生首~』では、吹っ切れたように悩める法月の影はなく、淡々と探偵の役割を果たしているようだ(未読なので以上の話は各種の書評から受け取った私の印象)。

    調べてびっくりしたのは、本作はなんと絶版になっているらしい。法月綸太郎といえばけっこうネームヴァリューもあると思うのだが、絶版になったりするんだなぁ。これはやはり上に書いた警察官とは思えぬ法月警視の行動によるところが大きいのだろうか。

  • 2012.10.19

  • かなり社会派に肉迫。ケレン味がなく、面白くなかった。「頼子」ほどの凄みなし。

  • 2003年11月15日読了

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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