三国志(8)(吉川英治歴史時代文庫 40)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2000
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965409

作品紹介・あらすじ

曹真をはじめ多士済々の魏に対して、蜀は、玄徳の子劉禅が暗愚の上、重臣に人を得なかった。蜀の興廃は、ただ孔明の双肩にかかっている。おのが眼の黒いうちに、孔明は魏を叩きたかった。――かくて祁山の戦野は、敵味方50万の大軍で埋まった。孔明、智略の限りを尽くせば、敵将司馬仲達にもまた練達の兵略あり。連戦7年。されど秋風悲し五丈原、孔明は星となって堕ちる。

感想・レビュー・書評

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  • 2回目の再読。歴史小説として純粋に面白く、2週間で全巻読破。改めて、三国志の主役は劉備ではなく、孔明(と曹操)であることを認識。

    ・「三国志」は晋の時代に陳寿により記された魏、呉、蜀の国別の史書の総称。基本は史実をまとめた本だが、多少の虚構あり。その後、明の時代に、「三国志」やその他の伝承本等をもとに歴史物語として作られたのが羅貫中の「三国志演義」。こちらは7割が事実で3割が虚構とも言われている。「吉川三国志」は「三国志演義」をもとに、日本人向けに一部脚色も加えながら書かれたもの。

  • ホントは2021年の課題図書にしていましたが、結局全8巻読了まで2年ちょいかかりました。
    8巻は諸葛亮孔明と司馬懿仲達の最後の戦い。でも、結局孔明の死で吉川三国志は幕を閉じる。って、一応、その後も書いてあるけど、英雄たちが築いた三国も次の代であっさり滅びてしまうのね。ああ無常。
    三国志って、玄徳と関羽、張飛の義兄弟か曹操、孫権の三国鼎立の皇帝たちが主役だと思っていたけれど、軍師孔明が主役だったのかなと改めて。
    もっと所縁の地を巡りたかったけど、時間切れになるのがちょっと残念。

  • 最終巻は、諸葛孔明の章といえる。
    戦の天才でありながら、平凡であることに誇りをもち、劉備玄徳の願いを実現することだけを考えつづけた真っ直ぐさに感銘を受けた。
    吉川英治の三国志、大作であり時間がかかってしまったが、読むことができてよかった。

  • いえいややっぱりおもろいです、何度読んでも。
    こういうエンターテインメント、やっぱり皆好きなんでしょう、当方もご多分に漏れずですけれども。
    解説で曹操と孔明の話、と整理されていましたが、その通りかと。でも個人的には、悪役的要素も兼ね備えている曹操が一番面白いキャラかと。
    またいつか再読するんやろうなぁ。

  • 初めて読んだのが高校1年の時で、
    もう30年も前なのか。

    私の趣味はこの三国志から始まりました。
    とにかく三国志に関する書を探して読みました。
    そこから楚漢・春秋戦国と時代を遡って、
    宮城谷昌光さんの「重耳」に出会い決定打。
    今も興味が尽ることなく楽しい趣味になってます。
    今はインターネットですぐに調べられますけど、
    当時は本を探す事が楽しみの1つでした。
    今でも本を探すが楽しくて楽しくて、
    ほんと良い趣味見つけたのかもしれませんね。

    この三国志は元は三国志演義です。
    演義も完訳等色々と読みました。
    しかし吉川三国志と言われるように、
    他の三国志演義とやっぱり違うのです。
    引き込まれるのです。
    何度読んでも。

    また必ず読みます。
    絶対。

  • やっと再読完了。夕飯時のみタラタラ読んでたので2年半かかってしまったけどその分感無量といったとこかな。諸葛亮の不利とは分かっていても蜀のために尽くす姿に感動した。それにしても蜀滅亡の後、魏で生きることになった暗愚劉禅の蜀の頃より今の方が幸せと言っているのは驚きを通り越して呆れてしまった。やはり国を牽引するものが愚かだと衰退の一途を辿ってしまうものなのだな。

  • 長かった三国志もついに終幕。ついに読み終えたと感慨深い。
    燃えるように生きた武将たちの、その灯火の消えるのを見るのは辛い。趙雲の生き方も凄かった。
    何よりも孔明の働き。この上ない正しい政治。そして激務をこなし亡き主君に忠義を尽くしたその心は痛ましいほど胸に届く。人材に恵まれなかった孔明や蜀の運命を見ると、人こそが大事なのだと思った。今ここに関羽がいたら、と思いを馳せる孔明が切なかった。代わりはいないのだ。

  • 長く長い小説だったが、完読できたことには達成感を感じる。

    個人的には終盤、孔明と司馬懿の戦いが一番のピークで、夢中になって読めた。三国志については殆ど知識が無かったので、仲達に負かされないかとヒヤヒヤしながら読んだところも多かった。でもやはり孔明、孔明に尽きる。だけどその後は司馬懿の子孫によって三国が晋に統一されるっていうところも中々面白い。

  • これにて完結。全編通して読みやすく、面白かった。
    とはいえ、話のピークは劉備が蜀を建国する前後くらいかなぁ。英雄たちが次々と去っていき、趙雲に及んだ際は、孔明でなくてもため息が出る。
    日本の三国志観を固めたシリーズを読み終えられて、一満足。

  • 蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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