- Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061965478
作品紹介・あらすじ
12世紀の初め、藤原政権の退廃は、武門の両統"源平"の擡頭をもたらした。しかし、強者は倶に天を戴かず。その争覇興亡が古典平家の世界である。「新・平家物語」も源平抗争の歴史を描くが、単なる現代訳でなく、古典のふくらんだ虚像を正し、従来無視された庶民の相にも力点を置く。-100年の人間世界の興亡、流転、愛憎を主題に、7年の歳月を傾けた、著者鏤骨の超大作。
感想・レビュー・書評
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すごく面白かった。この方の他の本読んだことないんでわかりませんが、とにかく臨場感がすごい。戦いの場面だけでなく話し合いや駆け引きの場面でも。読んでると本から腕が伸びてきて胸ぐら掴まれ、無理矢理本の中に引きずりこまれます。そしてその場面の真ん中にたたされたような感じになって…嫌な汗かいたり怖くなったり、読んでて疲れます、色んな意味で。最後の方は栄枯盛衰、本の中、少し離れた場所で流れていくものを見ているような感覚に変わりましたが…。平家物語の中で好きだった話が吉川英治版で変わってて、それが「こっちのが好きだな」てのや「…あれ、あの場面は?」てのもあり「ここ嫌いやから変えてくれれば良かったのに!」とか色々ありました。いや、全部通すと「面白かった」な感想なんですが。また最初から読み返したいです。読んで良かった、面白かった。主人公はたくさんいて、みんな必死に地べた這いずり回りながら生きてて、一生懸命で…嫌いなキャラも苦手なキャラもそれは変わらず。脱走兵も同じ。人間の力ってスゴいな、て思いました…物語だけどね、だからこそ。話の終わり方も、すっと幕引きがされて良かったです。
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先週日曜から大河ドラマ「平清盛」が始まったので並行して読み始めてみた。細部は異なるものの、大河は本書を根本としており、平安末期の良い勉強になるはずだということで。私にとって、吉川英治作品は昨年読破した「三国志」に続き2作品目。氏の作品は文章が非常に格式高い。また、昭和の第二次世界大戦前後に描かれたという時代背景もあり、皇室を表現する際の言葉が非常に丁寧であるという特徴もある。
さて、本巻では主人公:清盛の10代後半の苦悩(出自や武士という身分など)からスタートする。僧兵に一人で立ち向かって行ったりする大胆不敵な態度は躍動感を生み、家族や家来を大切に思うような人間味は温かさを感じられる。いわばヒーローである。多くの人が描いている清盛像は、源氏を主人公としたドラマでの、頭を剃り上げた居丈高な権力者中年、というイメージが多いが、それとはまったく異なるもの。
たとえば、清盛を評した以下の記述などは最たるものである。
「清盛は、武者所の全員から、いつとはなく敬愛を集めていた。といって、別に彼に何の武勇も交友上の技巧もあるわけではないが、ただ彼はよく人の貧乏(カネがないという意味ではなく、不遇という意味なのだろうと私は受け取った)に気が付いて、人の貧乏の片棒をかついだ。また、殿上に対して彼ほどずけずけ物の言える武者は他にいなかった。正直である一面、大ずぼらの抜けているところがあった。さらにもう一つの特徴は、かれの姿のあるところ、たちまち、彼の色、彼の雰囲気、彼の陽気にくるまれてしまうという現象がある」
全16巻と長い旅路になりそうだが、当分の間、このヒーローにはまってみようと思う。 -
何度も読みかけては挫けていたが、ようやく1巻を読み終えた。
前半はほとんど動きがなく、清盛の人物描写や時代の空気を描くのに終始する。最後の方になってようやく清盛の活躍の場面が出てきて俄然面白くなってきた。
佐藤義清って何か聞いたことがあるような気がしていたら、そうか、例の人だった。
清盛と同時代の人だったとは思わなかった。
2巻からは展開が早くなる予感がするが、本を読むまとまった時間が取れたらいいのだけど。 -
戦国時代にならび、伝説・逸話が多く残り、人々に愛されるヒーロー・ヒロインが一気に登場する源平時代。NHKの人形劇もなかなか良かった。言わずと知れた大河ドラマや人形劇の原作、しかしそれ以前に平家物語といえば吉川英冶先生の『新平家』。平安末期〜鎌倉初期は教科書眺めるだけでも濃厚で十分面白い時代だが、平家物語を一通り読み、この『新平家』を読むと、この時代の虜となるはず。源平合戦・関ヶ原・明治維新(日本史3大イベント・私の独断と偏見による)中、事実か伝説か分からない微妙な古さが読者の想像力・妄想欲?をかきたてる。美化しやすい時代。歴史のうねりに成す術なく飲み込まれる者、抗い滅す者、巧みに利用する者、運の良い者悪い者…それぞれの生い立ち・置かれた状況から、ごく自然なキャラクター設定・ストーリー展開をしていて『歴史文学』モノ的硬さは全く無い。贔屓キャラが出来てきたらもうどっぷりハマっている。
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第1巻は、若き日の平清盛の行動を追ってストーリーが進行していきます。
生活に窮乏する父・忠盛と、彼に愚痴を言い募る母・祇園御前の間に立つ清盛の心情に迫り、また、源渡の新妻を殺めて出奔し、後の文覚と名乗る遠藤盛遠、やはり後に出家して西行となる佐藤義清との交流が描かれています。また後半では、悪左府と異名をとった藤原頼長の権勢と、彼の没落を因となった保元の乱に至るまでの顛末が描かれます。
全16巻にわたる大河小説ですが、思いのほかストーリーの展開が速くて、気持ちよく読み進めることができました。 -
藤原摂関政治の衰退開始に伴う平氏と源氏の武家の勃興が描かれている。
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保延年間からはじまり、一巻は、鳥羽上皇の崩御までを物語る。
(1137年~1156年)
この小説は、「保元物語」、「平治物語」、「源平盛衰記」、「義経記」、
「玉葉」、「吾妻鏡」、「平家物語」を題材にし描き上げた大河小説である。
(巻末の作品紀行より。)
吉川英治の小説を読むのは、ほとんど初めてのため、
文章の調子に慣れず、なかなか読むのが遅々として進まない。
台詞が、角張っていて、現代の口語とは違って畏まっているが、
リズミカルで心地良い。
人望のある清盛、一癖ある時忠、忍耐の忠盛、
逆境にいながら凛々しい精神の為義・義朝、
子煩悩な(主に頼長に対して)忠実、温和な貴人の忠通、
威風と美貌の頼長、一筋縄でいかぬ信西・・・
吉川英治がどのような人物造形をしていくのか読み進めるのが楽しみ。 -
全16巻のスタート。
登場人物が多く、混乱してしまうこともあるため、ノートに整理しながら読み進める。
気長に行こう。 -
新平家物語を再読。
武士が貴族の犬として存在した時代。時代が混とんとする中、平家の忠盛、清盛や源氏の為義、義朝らが力を付けていく。人が生きると言う事はきれいごとではないと改めて感じました。
いつの時代であっても権力闘争と言うのは尽きない悩みの様です。
鳥羽上皇と崇徳天皇の親子間の確執。悪左府頼長と道長の兄弟間の確執が混乱や権謀渦巻き、争いの火種となる。
悪左府頼長の政治への態度は敵も多いと思いますが、実は政治に対して最も真剣だったのではないか。そして、妻子を捨て、仏の道を選択した西行こと佐藤義清もまた、人生に対して正直だったのだと再読して感じました。
奢れるものも久しからずと言いますが、人間ほどほどに奢るのが一番だと思います。 -
吉川英治さんの本を始めて読みました。
平家物語は、時代背景が分かりにくく、しかも長いので、
今まで躊躇していたのですが、吉川さんの文章は非常に分かりやすいですね。すっきりとしています。
気長に読んでゆこうと思います。 -
貴族社会ややこしい
その中で平清盛の武士的な潔さは気持ちがいい
これからどうなっていくのか、気になる -
清盛が神輿に向かって弓矢を放ったシーンが面白かった!権力と結びつき、本来の役割から離れ保身と栄誉に走った腐れ坊主に一矢報いるいい場面だった。
何よりよかったのが、坊主こそが力のなさを一番わかっていること。力のない者ほどよく吠える。ダメなやつはダメと言わなければならない。 -
これだけの長編は、さすがにあまり読んでないが、夏休みに一気呵成に読んでしまった。それほど、平家物語の世界に引き込まれてしまった。
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いろんな死の場面を読んできたけど、清盛の死の場面ほど凄味を感じたものはない。それは、主人公においても、作者においても。個人的には吉川文学で最高峰のシーン。
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いきなり引き込まれてしまった。
この時代に疎い私でも面白いと感じる話の展開。
1巻からこれほどのドラマが繰り広げられるとは、続きが非常に楽しみである。
いつの世も、人間の浅はかさは同じだなと、つくづく思う。
それと同時に、世に悪評高い平清盛も、普通の愛すべき男児であったことを嬉しくも思う。(笑) -
もうだいぶ前に読み終わっていましたが、第16巻最終章 「吉野雛」を久しぶりに読み返してみました。人間の本当の幸福とはなんだろう?と改めてしみじみと感じさせられました。
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吉川英治さんすげーなー、と見せつけられる作品ですね。
と言っても私は吉川英治さんの作品を拝読するのって初めてなんですけど。
まだ始まりの始まりって感じです。これからぐいぐい読ませていただけるものと期待。 -
大河は見ていないけれど、前から平家物語を通読してみたいと考えていて、手に取った。
私の持っている岩波文庫は字が詰まりすぎていて非常に読みづらくて。ただ、内容というか文体としてはもう少し古典に近いものが読みたかったので、
その点で言えばちょっと選択を誤ってしまったが、これはこれとして面白い。
16巻まで読み終わるのにどのぐらいかかるのだろうか。 -
こちらも吉川英治の長編。これが一番好きかもしれない。
三国志よりも一人ひとりの人生が深く描かれています。
武士がまだ貴族にバカにされていたころの清盛の下積み若造時代から始まり、清盛の栄達、その清盛に平治の乱で夫を殺され、子の義経を助けるために清盛の妾になった常盤御前の話、生き延びた源氏の子が東国で勢力を盛り返し平氏を滅ぼすまで、源平の栄枯盛衰を余すところなく書ききった大作。
まあ、時代が古いだけに後の学術的見地から見ると不正確なところもあるようですが、これは本当に面白い。
当時は平時忠が好きでしたが、今読むとどうかな。源三位頼政とか好きになるかもしれないな。 -
一生のうちに何度か読み直したい!
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宮崎などを舞台とした作品です。
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もう10年以上前から読んでみたいと思っていた新・平家物語。
来年の大河ドラマが平清盛ということで、ようやく今になって読み始めた。
時は、朝廷と院の二重政治たけなわの平安時代。その歪な政治バランスの狭間で徐々に力を蓄え始めた地下人・武家の平氏。
まだまだ清盛も若く、後の壮大なドラマの始まりにすら漕ぎ着けない第一巻だが、十分に今後への期待を寄せさせられる。 -
こんなに長いなら知章がいっぱい出てくるかも…!と思って読んだらそんなことはなかった。けどおもしろかった!もう一回読もう…
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京都旅行後、読んでおきたいと思って手にとった。
吉川英治の文章はやっぱり好きだ。
あっという間に引き込まれた。
平清盛の印象ががらりと変わった。
多分これから巻が進むにつれ、変貌していくんだと思うけれど。。。 -
清盛観の変わる一冊です。
平家一門を束ねる、故白河天皇のご落胤でセレブな清盛のイメージは払拭されるはず。
読むべきポイントは、優れた平氏は清盛よりも父忠盛であったこと。
この人の忍従する姿や周囲に添った生き方に感銘を受けます。
この世の無常が各々の短い話からも感じられる名文。
吉川氏の文章は、ことばもわかりやすく何よりも人の「心」を描いているところが他の作家と一線を画していると思います。 -
6年くらい前に読んだけど、難しくて詳しすぎてよくわからなかった。でも今読んだらのめり込むと思います。ただ、最初の方は、清盛出生・袈裟御前と文覚・市井の人々の話が多くて、なかなか進まなくてイライラした覚えが。。。でもまぁそこしっかりしとかないと話の筋が通らないと思うしかないか。
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平安末期頃~鎌倉までの滅びゆく平家、源氏との戦いを描いた全16巻の大作です。
続きが読みたくてつい夜更かしをしてしまう作品でした。 -
2009年7月8日読了。
昔からぜひとも読みたかった平家物語。
ついに思い切って読み始めてみました。
やっぱりここは、吉川先生で。
面白いです。1巻にしてすでに引き込まれました。
平清盛が10代後半。生活感あふれる書き出しから、だんだん歴史の渦の中。
あの時代の事は、授業でならったくらいしか覚えてないんだけど、『保元の乱』ってこれか!とやっと判った。
授業で習うのとやっぱ全然違う臨場感です。
早く続き読みたい。 -
全16巻。
気長に頑張るか。