ぜつぼう

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 591
感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062133241

感想・レビュー・書評

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  • 題名から想像するよりは、よほど生ぬるいぜつぼうでした。
    ただ、冷たい飲み物とか暖かい飲み物よりも、
    常温の飲み物の方が、はるかにぬるりとした感じがするのに似てたかな。

    一発芸人が転落して、孤独という絶望を必死で握りしめながら、
    それでも結局は人のぬくもりに負けてしまうという絶望感を書いた。

    本谷有希子らしく狂気する場面もありつつも、なぜか煮え切らない。
    絶対に沸点に達しないって感じがなー。いまいちでしたが。

    それはやっぱり人のぬくもりが描かれてるからかな。
    他人という存在を、もっと徹底的に不信感を募らせるような感じで書いてほしかった。
    んー、自分がそういう現代的な部分を求めていたのかも。

    それでも、結局人は人に対してしかぜつぼうするコトが出来ないのだと。
    なんとなくそのコトについてだけの漠然とした不安と無気力感を残すあたり、
    あー、この人の作品だわ。とは思いました。

    だけど、腑抜け~のあの絶対的な狂気と突き抜けるような快楽的ともいえる絶望感とか、
    舞台から感じるあの「どうしようもできない」感じの方が強くて。

    んーーーー。舞台見たい!!!

    と思ったのでした。

  • 俺が、俺が見ている世界はもっと絶望で隙間なくふさがれていて。窒息しそうなくらい絶望で覆われていて。絶望、とにかく絶望しかなくて。あんたみたいに適当に生きている人間には到底分からないだろうが、俺の苦しみは半端じゃないんだ。
    (P.97)

  • なんか読み終わって疲れた
    めんどくさい人やわて思った

  • ラストが素敵
    しかし主人公にちょっとイラついた記憶がある

  • 11月13日
    講談社文庫 → 延期?

  • 自分が絶望しているという事実こそがアイデンティティーとなってしまう元売れっ子芸人。その本末転倒さに僅かな笑いをこらえて読み進めるうちに、見栄やプライド故に自分のポジションの置き位置にもがき続ける主人公は笑いごとではないと顔が引き締まります。

  • 09.10.15

  • あまりにもヤバそうな表紙にジャケ買いをしました。
    最高に絶望的。
    救いがあるような、ないような。
    徹底していて素晴らしい。

  • この人の作品には
    「絶望」と「復讐」がよく出てきます。
    「俺は絶望してるがゆえに俺なのだ。」
    最後はほのかな希望と出会えます。
    ただ本当に、絶望した人が主人公なので
    ちょっと息苦しい小説です。

  • 松尾スズキの影響をもろに受けているだけあって、文体ももろに松尾スズキ。だけど、その文体は私にとっては非常に読みやすいし、なんか慣れ親しんだ文体なので、好きです。
    作者の作品にとって、純粋に作者のエッセンスを見ると、作者が精神的弱者や対しての「憐み」が見えて、それに対してサディステックなまでに追い込むことにより、主人公が暴発するケースが見られる。それが作者が考える精神的弱者への救いなのかもしれない。
    それが今回、「絶望」していることから「絶望」をふっ切ることになっていた。
    ただ、全体を通して何も本当は成長なんかしてなくて、主人公が絶望の臨界点突破するさまだけの物語にしかならないのが個人的に残念だった。

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著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本谷有希子の作品

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