- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062133685
感想・レビュー・書評
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少年監禁、という、言葉だけでは犯罪にしか聞こえないけれど、これを読んでそれで成立している生活もいいのかもしれない、と思った。雪絵に共感できる。痛いほど良く分かる。
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結局何が言いたいかいまいち分からなかった。
中盤まではあまり面白くなかったけど、聡が家出した辺りから楽しく読むことが出来た。
でも結局最初と状況が何か変わったかと言われたらあまりそうでもなく、そこのとこが個人的には良くなかったかも。
雪枝さんには最後まで好感が持てませんでした。 -
期待してなかっただけにすごく心にしみた
ふわふわした不安
自分がかかえているもの
すべてが手に入らなくて、どろどろしてるからきれいで
生きていかなきゃいけないんだなぁ -
豊島さんもすきー さらっとしてる 自然の描写がたくさんあって綺麗。 途中まで雪枝さんがすっごく嫌いだったんだけど、台風の日から、そうでもなくなった。雪枝さんは「普通」なんだって分かって。 灰色の点々、最初はよく分からなかったけど、最後には分かったよ 読み終わった後、なぜか達成感がありました
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主人公は少し中学生らしくない中学生だなあと思った。だけど、中学生らしい良心だなあとも思った。
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雨降りの日の「灰色の点々」が怖いという中学生の夕陽。なに不自由ない家庭に育った彼は、ある日、自分の学校の教師の友人である、奇妙なフリーターの「お姉さん」と友達になる。そのお姉さんは、自宅で家出少年を何年もの間飼っていて・・・・という、ストーリーだけ追うとスゴイ物語。
それぞれの登場人物の誠実さや傷みが、もうちょっと、伝わってきてもおかしくないはずなのに、薄い膜を感じた。 -
平凡な生活、家庭環境で育った私も、人とは違った自分、唯一無二な存在でいたいと言う欲はある。事実だけ捉えれば、結構恐ろしいことを彼女はやっているのだけど、その不安定さは痛いほど伝わるので感情移入してしまう。同世代の作家のかく話は正直好きではないのだが、この話は結構好きだ。他のもよみたい
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<b> 安全な世界に僕はいる。でも、その外に広がるものを覗いてみたいことだってあるじゃないか。たとえそれが、僕をひどく汚したり傷つけたりするものであっても</b><br>
(P.85) -
14歳の夕陽は10歳年上の雪枝と知り合う。自分を年下扱いしない雪枝に不思議な魅力を感
じるが、彼女には秘密があった。5歳年下の家出少年サトシを何年も前から自宅に軟禁し
ているのだった。センセーショナルな設定ながら、大人になる前の若者の不安や焦り、無
力感を淡々と丁寧に描いた作品。限界を認めつつ前に向かって歩き始めるラストはいたっ
て爽やか。 -
自分は特別だ!っていう自惚れ、自信は誰にでもあるのかな。絵を描いたり詩を書いたり小説を書いたり。でもそういう力が世間に認められているのはほんのひとにぎりで、世に出てる人と自分は何の違いがあるんだろう、自分にとって自分の作品は満足のいくものなのに、おもしろいのに。
っていう考えは誰でも持つのかなあ。おばあちゃんとか見てると、きっとそんなこと考えたことなくて、家庭を作るのがこの人の仕事だったのかな、今は家庭作ることがそんなに重要なことじゃないからみんなアートとかに向かうのかな、なんてことも思った。全然レビューじゃないな。
豊島ミホの作品をここのところ続けて読んだけれど、思ってもないような細かい心の動きが描かれていて、この人は小説家だ!っていうことを読んでる途中にものすごく強く感じた。
小説は突然自分に降ってきた言葉やどこからか与えられた言葉を書いてるんじゃ、決してない。なにもかもが経験や誰かが経験したようなことを書いているんだけれど、この人は驚くようなものじゃなくて、普通の、あたりまえの経験を忘れずにたくさんたくさん積み重ねている人なんだな、と思った。
夕陽くん、カタカナだとユウヒなのね。ちょっとかっこいいな。