- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062147705
作品紹介・あらすじ
肥満も性感染症も笑いもすべて伝染する!?ハーヴァード大学医学部・教養学部教授とカリフォルニア大学の政治学者が提示する、クラウド時代の社会的ネットワークの姿。
感想・レビュー・書評
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ice bucket challenge など、世界的なムーブメントはなぜ起こるのかを理解したくて購入。仕掛けがわかれば起業支援に活用できるかもと思ったが、なかなかぴったりな内容というわけにはいかなかった。ただ、昔から人間は社会的つながりの中で生きていてそこから否応なしに大きな影響を受けており、信じられない行動に出ることもある。古くは魔女狩りであり、人種差別であり、ファシズムなど。もちろん良いこともあって、最近でも親切の連鎖を描いた動画をよく見るし、pay it forward の考え方もそうだろう。筆者らは、肥満、自殺、投票、寄付、禁煙(または喫煙)、ドラッグ、教育、結婚や出産なども「伝染」するというが、それも納得がいく。ビジネスにも参考になるだろう。
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この本は社会的ネットワーク(人と人との繋がり)の性質をさまざまな研究結果から記述されています。
集団は個人ができることの総和よりも大きなことができるのはなぜか?
繋がり方によって恩恵を受けられる量が違うのか?
社会性は遺伝するのか?
など、とても興味深いことがたくさん書かれていました。
恋人を見つけるためには、どのような繋がりを持つのが良いかなどもわかります。
良いことも悪いことも伝わっていく社会的ネットワークの凄さと恐ろしさがわかりました。
繋がりを大事にする日本人には必読の書かもしれませんね。 -
<シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます>https://libipu.iwate-pu.ac.jp/drupal/ja/node/190
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売ってないので、図書館で借りてきて読んだ。
人が人との繋がりによって影響を受けるというのが、感覚的にはそうなんだろうと思いつつ学術的に書かれている。
一度読んだだけですんなり入ってこないけどまた読みたくなりそうな予感がします。 -
◆1/28オンライン企画「わたしの“モヤモヤ”大解剖―わがまま論・つながり論を切り口に―」で紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=GTaAW7pHRII
本の詳細
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000184554 -
さらっと読む。今のプロジェクトに他の人たちを巻き込んでいくにはどうしたらいいのだろう?という視点で。
★マネしやすい行動を設定する
→できるだけ多くの人が参加しているように見せる
★似た者同士がくっつきやすい
★ネットワーク図を書いてみよ→中心人物(情報のハブ)にアクセスせよ
★(プロジェクトに)「友達の友達」と取り組む方が良い
★弱い絆(3次の隔たり)が、知識・情報を伝達していく
★強い絆と弱い絆の合わせ技
★つながり、つながりの実感を意図的につくる
★誘因両立性を作る(双方にとってメリット有り)
★ヒエラルヒーを活用するのもあり(上から言う)
・幸福、健康、成功、政治的態度が感染する
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〇人の行動特性
・直接結びついている人に影響されやすい
・人間は社会的関係に組み込まれているいる
・「自分とつながる他人」の欲しがるものを欲しがる
・他人の選択=世界を理解する効率的な手段
・人は同調性によって動機づけられる
・人は意思決定を、集団やヒエラルキーに委ねる傾向(特に抑圧されている場合)
・人は、自分を、他人の意思の道具として見ることができる
・誰もが他人に理解してもらいたい
・人は誰かに親切にされると、他の人にも親切にする
・つながりの多い人は、つながりの多い人とつながる
(孤独な人は孤独な人とつながる)
〇社会的ネットワークサイエンスのテーマ:
いかにして、どのようにして、人々は新しい考え方を受け入れるのか?どうしたら新しい考え方が人から人へ広まるのか
P39
通行人がある行動を真似る決定するのに、お手本となる群集の数が重要
A:たった一人でビルを見上げている「群衆」と共に立ち止まった人・・4%
B:15人でビルを見上げている「群衆」と共に立ち止まった人・・40%
★マネしやすい行動を設定する
→できるだけ多くの人が参加しているように見せる
P75
幸福は、個人の経験や選択の結果ではなく、人の集団の特性。
P72
★幸福で裕福な友人をより多く持つことが重要
★友人が多くの友人を持てば持つほど、あなたが幸せになる(その友人の友人の感情に関わらず)
・人間は社会的関係を追い求めるようにできている
・だから友人や家族と過ごす際、喜びが感じられる
・友人や家族がいる人は、感情に伝染しやすくなり、彼らの感情が自分たち自身の感情に影響する
P163
・知り合いであろうとなかろうと、他人の身に起こったことが、波紋のようにネットワーク上を広がり、私たちに影響を及ぼす
P79 孤独な友人を持つな
・感染する
・兄弟の孤独→影響なし
P93
・ホモフィリー=属性・質の面で似た者同士がつるむ
P113
・結婚のメリット
=生活が安上がり
=いろいろな選択が上質になる
=健康UP
P135、P165
・ネットワーク全体図を書いてみよ
・ネットワークの中心、情報のハブになっている人を探す
・その人に働きかける
P167
・(体重を減らすには)友達より、「友達の友達」と取り組む方が良い(友達は、体重を増やすように圧力をかけてくる可能性)
P150
・高い教育を受けた人は、better behavior をマネする傾向
・高い教育を受けた人は、他人からマネされる傾向
P211 強い絆と弱い絆の合わせ技
P221 つながり、つながりの実感を意図的につくる
P224 一票に価値はない
P278 誘因両立性を作る(双方にとってメリット有り)
・行動を選択するにあたり、他人の幸せを考慮する
・ネットワークへの帰属を重視する
P290 協力、利他的行為、処罰、ただ乗りはDNAに書き込まれている。
P303 ネットワークの安定化=決してなくならない接点に各人を結びつける
P306 パートナーをなくした人、社会的に孤立した人・・・周囲の世界を擬人化する傾向(例:岩が顔に見えてくる、ペット愛)超自然を信じる傾向(幽霊、天使、魂、神)
宗教・・・社会的なつながりを安定させる
P308 社会集団の適切な規模=150人(相互理解、チームがチームとして機能する=軍隊、村落の基本単位=コミュニケーションが成り立つ
=集団の規模を決める最大の要因は、心の力(=一人一人を特定し、人間関係を把握できるような範囲)
P311 言語は(毛づくろいの代わりに)集団の結束を保つ手段として発達した
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コロナ禍の孤立と分断の時代に、つながる事を科学した興味深い本でした。出版されたのはコロナよりも以前ですので、コロナを想定していた訳ではありませんが、人と人がつながる事の効果とか、つながること自体(ネットワークというのでしょうか)が実態があり、効果や反応があるという趣旨に興味を持ちました。
個々が動き、つながることにより、生まれるネットワークは、動かなくなったり、つながらなくなれば、存在が消失する蜃気楼のようなものなのに、効果や反応を及ぼす事を分析した事は、今の時代には、示唆に富む内容だったのではないか、と感じます。 -
人はネットワークの影響受ける。
昨今言われる弱いつながりのメリットも見えるし、強いつながりが古来からの相互作用の大きさも物語る。
何もかもが伝染する。
人は人に影響を受けている。意志もパートナー選びも。
選挙の投票先ですら、1人の行動が周りに大きな影響与えると言う意味では一票以上の価値があるのかもしれないと思わせる。 -
やっと読み終わった。
2009年に書かれた本で、インターネットを通じたつながりが関係する個人の行動に強い影響を与えるだろうという予想を提示している。12年たってみて、アメリカの社会の政治的な分裂の深まりのように、それが当たっている事例が出現したが、揺り返しも発生していて、今のところ、必ずしも著者の予想が当たっているということもないように感じる。