祈りの幕が下りる時

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062185363

感想・レビュー・書評

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  • 今朝読み終わったら、今晩テレビで映画。あまりの偶然に勿論、見ることにしたのは言うまでもない。キャストも、自分の感じから大きく外れる事もなく面白かった。読後感は、元凶の母親の存在が許せなくてならなかった。映画は、原作にかなり忠実だったけれど映像だからこそ訴える迫力もあり良い出来だと思った。相乗効果が多いにはたらいたかもしれない。

  • 加賀恭一郎シリーズの最終作。
    シリーズの中で、上位に入るくらいの素晴らしい作品でした。
    加賀シリーズは、毎回人々の心を丁寧に描いていて、重厚感があって楽しませていますが、今作は、より内面の部分を深く切り込んでいたなと思いました。

    松本清張の「砂の器」を彷彿とさせるストーリーで、親と子の愛情の深さにウルっときてしまいましたし、それでいてミステリーとしても楽しめました。
    本の量としては、厚めですが、あっという間に読めました。
    改めて東野圭吾さんって凄いなとより一層ファンになった作品ということで、結構前に読みましたが、今でも記憶に残っています。

  • 加賀恭一郎シリーズのラストとして2013年に発売された本になります。

    ラストに相応しく「加賀恭一郎の母親」の謎に迫る物語になっています。

    「加賀恭一郎シリーズ」は、なんといっても読み物として面白い。

    全く想像のつかない事件の真相もさることながら、東野圭吾作品独特の影を背負った登場人物達に引き込まれていきます。

    その影の部分に引き込まれるのは、人は皆何かしら影を背負って生きてるのからでしょうか?

    ただ、わたしは読了後に心に残るやるせない切なさを求めて、多くの東野圭吾作品を読んでいます。

    是非、東野作品を読んで、想像できない結末と何とも言えない切なさに浸ってみてはいかがでしょうか?

    オススメの一冊です(^-^)

  • 映画の公開もあって再読。
    今まで読んだ東野圭吾さんの作品では上位に入るなぁ。
    加賀恭一郎と百合子、浅居博美と忠雄、この二組の親子の物語だと思う。子どもに対する親の愛情が、深くて悲しい。読みごたえのある一冊だった。

  • 第48回吉川英治文学賞

    これぞ推理小説って感じでよくできてるなぁと思いましたが
    新しい事実がでてきても「あっそうなの」って感じで。
    読み終わって「よくできてるなぁ」はあるんですが「あー面白かったなぁ」がなかったんですがなんでですかね?
    『新参者』は面白く感じたんですがねぇ。

  • 幕は降りたが
    しばらく動くことが出来ない。

    衝撃の終幕を迎えるまで、怒涛のごとく暴かれ続けた真実があまりにも痛くて。

    ミステリー小説の醍醐味は
    謎を解く事にあるが、
    作品を読み終えしみじみ思ったのは
    (人の心こそ、ミステリーそのものだな。)
    と、いう事。

    複雑で難解でヒントも無くて。
    意に添った行動をとらない(とれない)人達は

    他人を欺く為か、
    他人を救う為か、
    それとも、
    自分が生き残る為か、

    本音を押し殺し、仮面を被って生き演じているから
    その心の内を窺い知る事はとても難しい。

    加賀刑事のお母さんも彼に関わる事になる登場人物達も
    鍵の掛かった『真相』を
    隠し持っている間は相当苦しかったに違いない。

    イメージではポーカーフェイスの加賀さんだが、
    幕が降りた後、著者がもう少し加筆を続けていたら、と思うと…
    またちくん、と胸が痛むのだ。

  • 加賀恭一郎シリーズ

    加賀シリーズは好き。
    同級生の演出家を訪ねた女性が殺害された。演出家として大きなチャンスをつかみかけている女性とその父親の隠された過去に動機が潜んでいる。その父親と加賀の母親との関係から謎だった加賀の母親が何故家をでたのか、どこで最後を遂げたのかが明かされる。

    加賀シリーズは好きなのだけど、シリーズが進むにつれどんどん加賀が完璧な刑事になっていき、情深いけどどこか冷静で冷めて理想的、模範的になってきてしまっているのが気になる。もう少し、ミスったり馬鹿したりしてもいいのに。

  • やっぱり加賀さんのシリーズはいいなー。

  • 加賀恭一郎シリーズ10作目。

    『赤い指』以降は妹から借り、今作は新作が待ちきれずに購入した母から借りて読みました。
    東野圭吾のミステリの多くは、
    トリックや真犯人の解明だけでなく、
    事件に関わった人々の心情の描写が見事。
    しかも、殺人者の多くは運命に抗うことができないようなのっぴきならない事情を抱えている。
    そのためか、物語全体に物悲しい雰囲気が漂っている。
    加賀モノでも、特にここ最近の作品にはその傾向が色濃く表れていると感じる。
    赤い指しかり、
    新参者しかり、
    麒麟の翼しかり、、、
    今作も例外ではなかった。
    物語の幹となる事件自体はどこかにありそうでなさそうな結構特殊な事情が絡み合った事件だったけれど、少し感情に訴えすぎな気もするほど登場人物の想いが強く伝わってくる。やるせない想いと何もかもを犠牲にしてでも事を為すという、覚悟。
    また、新参者以降の日本橋という舞台と、
    人情味(人間味)溢れる物語の背景が実にマッチしているとも感じられる。
    さらに、
    "12か月に振り分けられた橋の謎"という絶妙なスパイスも効いている。
    流石である。

    シリーズはまだ続きそうだ。
    所轄の刑事としてはあまりにも毛色が違いすぎていた加賀が、いよいよ警視庁に戻ってきた。
    次回作はまた違った雰囲気になるのかもしれない。
    楽しみだ。

  • タイトルがとてもいい。
    そしてキャッチコピーの「悲劇なんかじゃない これがわたしの人生」もぴったり。

    内容はタイトルから連想される通りにハートフルで加賀恭一郎の無骨さがまた感動を引き立てる。
    「犯人にも深い事情を持たせる」ことが、僕が東野圭吾に期待する特徴の一つであるけれどそれも期待通り!

    それから、このシリーズでは珍しく推理小説としてとてもオーソドックス。ネタに自信があったからだろうと邪推してしまう。

    最後になるが、この本の構想が決まった時、これを加賀恭一郎に解かせるべきか湯川先生に解かせるべきかで迷いはしなかっただろうか(笑) 湯川先生に解かせた方がお金にはなりそうだけどこれまでの加賀シリーズの話もほんの少しだけど伏線になっているので加賀シリーズで良かったと個人的には思うけれど。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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