人間の未来 AIの未来

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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209724

感想・レビュー・書評

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  • さくっと読めて、面白い。
    山中さん、羽生さんの仕事の取り組み方、世の中の捉え方の温度感が心地よかった。
    この10年後くらいにまた対談してほしい。

  • 羽生さんは色んな分野に知識があり、驚かされる。

  • 読みやすい。
    羽生さんが非常にAI他に詳しいことがわかりました。

  • 面白い対談であった。大きな仕事をし、大きな成果を上げている二人には、似たところがある。突出した偉人は、他人とは違うことをやってきている。社会の多様性の重要性を改めて認識した。
    「(ゲノム編集技術)「クリスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)」という新しい技術が開発されて、その精度の高さと簡易さから一気に汎用性のある技術となりました。根底にあるクリスパーと呼ばれる遺伝子配列を発見したのは、九州大学の石野良純先生です」p109
    「十代のころはみんな、粗削りなところがあるんですよ。でも藤井さんにはそういったところがまったく見当たりません。すごく完成されています。連勝中、対局の中ではっきり不利になって危なかったと見えた局面は数えるほどで、ほとんどは圧勝です。これはものすごいことです(羽生)」p122
    「四段になろうと思ったら、最低限の定跡やセオリーを身に着ける必要があり、それを習得するにはけっこう時間がかかるんです。すべて押さえるまでに二十歳くらいになっておかしくありません。ところが藤井さんは十四歳でほとんどすべてに対応しています。これは驚くべきことで、もうセンスが抜群にいいとしか言いようがありません」p123
    「先端技術の開発で、基礎研究の成果から実用化・製品化するまでに「死の谷」と呼ばれる資金的なボトルネックがあります。日本では今まで大学発の優れた研究が多かったのですが、その「死の谷」を乗り越えられず、実用化段階でアメリカに先を越されてしまったケースが少なくありません。ゲノム情報を読み取るシーケンスの技術も、もともとは日本の会社が先陣を切っていたんです」p190
    「脳以外は、超大金持ちがお金にモノを言わせて臓器や細胞などの移植を続ければ、理論的には更新できます」p204

  • 言葉が浮ついてない。

  • 二人の会話を読んでいると、今のところはまだ人間はAIを制御できており、AIが人間を超えてくるのはまだ先のように感じた。しかし話していたように、近年AIの進歩は目覚ましく、数年後も想像できないようなスピードで進化しているためいずれ人間の役割が問われる時代が来ることも確かである。現段階ではAIは「優秀な部下の一人」であり、それを利用するか否かは人間が決めるところと言っていた。AIは確率論的には正しいデータを持ってくるかもしれないが、人間は必ずしも確率に縛られた決断をするというわけでもない。AIから見れば無謀とも思えることに挑んでいき、時にはデータ通り失敗することもある。しかし時にはAIにも予想できなかった結果が起きることもあるだろう。そこに夢やロマンをかけて挑戦していくという点が感情を持った人間と持っていないAIとの違いかもしれない。

  • 山中さんも羽生さんも圧倒的な業績を残しているすごい人なのにユーモア茶目っ気たっぷりでいい人そう。そういう点に本物の知性を感じるが故に皆が尊敬の念を持つのだろうと思う。そこはAIには当分超えられない壁なのかもしれない。直感・ひらめき・勘は言葉では説明できないモヤモヤした感覚という点で共感しているのも興味深かった。

  • ジャンルは異なりますが、それぞれのジャンルで超一流のお二人がAIをテーマに語りつくした一冊。
    一般論として、一流の専門家の方は、専門の領域での知識は当然のことながら専門外の領域でも実にいろいろなことをご存知であるというようなことをどこかで聞いたことがあるのですが、今回のお二人はまさにそのケースが該当していると感じました。
    そんなお二人がAIを切り口にして語りつくす様子は、上質なジャズのセッションを聞いているような印象でした。
    付箋は20枚付きました。

  • 賢い人たちの対話。
    移り気な興味の肯定とか、覚醒を抑える睡眠薬の話が興味深かった。

  • 人間の未来 AIの未来
    羽生善治 山中伸弥
    2018年2月13日第1刷発行
    2018年7月10日読了。

    将棋界のスーパースターであり最強棋士である羽生善治とiPS細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授による対談本。

    世界を代表する二大知性による今後の世の中について語った本。
    対談本なので読みやすい。

    ・ヒトゲノム・プロジェクト
    月に人類を送り込む「アポロ計画」に成功したアメリカが次に挑んだ一大プロジェクトが1990年初頭から始まった「ヒトゲノム・プロジェクト」
    1人の人間に30億塩基対あるゲノムを完全解読しようとした計画。
    ちなみに、世界各国で研究して2003年に計画は完了。生命科学の分野で起きた「ブレイクスルー」。この解読により全く違う生命科学の研究段階に入ったとのこと。
    今ではコンピュータの進化もあって、ゲノム計画で10年かかったことが今では1日で出来てしまう。
    ただ、30億の塩基対の情報は手に入ったけども、問題はその意味が分からないこと。
    「今まで知らなかった言語の百科事典が手に入ったけども、何が書いてあるか分からない」というのが現状らしい。

    ・直感、読み、大局観
    羽生さんの将棋に対する有名な考え方。
    一手3通りのパターンを読んでも、それを10手先まで進めると3の10乗=6万通り近くになりすぐに数の爆発にぶち当たる。
    実戦ではそんなことは出来ないので、経験から手を絞り、ある程度読んで、最後にそれまでの試合の流れを見て次の戦略を考えるというもの。
    この辺は羽生さんの「決断力」「大局観」「直感力」に詳しい。

    ・教科書を否定する
    日本は正解を求められ、鍛える教育にある。だから、正しい情報が先にあってそれに回答できるか出来ないか。
    対談では「もっと、自分がやったことがないとか、経験したことがないとか、そういう羅針盤が利かない状況に身を置くことが大事」とその状況下で対応するのが新しいアイデアや発想を広げるのではないか。
    変に知識が入っていると、先入観が先立ってしまう。無知ゆえに挑戦できるという強みもある。
    「知らない」というのも見方を変えれば1つの武器なのかも知れないとおもった。
    なお、羽生さんが「だからと言っていきなりシリアに行きますとか、向こう見ずはダメと」短絡的に捉えないで欲しいし、伝えるのが難しい。
    ちなみに、山中伸弥教授は学生時代サボってたため、ゲノムの基本が抜けた状態で教壇に立たなくてはいけなくて苦労したとの話も。

    ・「阿倍野の犬実験」
    研究分野における、落とし穴的思考。
    アメリカで世界初の実験論文を見て、それを日本でも試したら同じ結果が得られた。それをまた、ちょっとだけ条件を変えてやってみたらやっぱり同じ結果が得られたという、実は模倣の模倣をしてしまっていることを指す言葉。
    中々、面白い事例だった。

    ・アメリカ政権における生命科学研究姿勢の違い
    共和党:キリスト教原理主義を背景に、進化論をまともに信じない党員や支持者も少なくない。どちらかと言うと、科学をあまり重視しない。
    欧米では科学の背景に宗教がある模様。

    対談本でサクッと読みやすい本でした。

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著者プロフィール

山中伸弥 1962年、大阪市生まれ。神戸大学医学部卒業、大阪市立大学大学院医学研究科修了(博士)。米国グラッドストーン研究所博士研究員、京都大学再生医科学研究所教授などを経て、2010年4月から京都大学iPS細胞研究所所長。2012年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。2020年4月から公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団の理事長を兼務。

「2021年 『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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