記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
- 講談社 (2001年1月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062573153
感想・レビュー・書評
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脳の特性として、忍耐ずよく取り組まなければならない。努力の継続をしないと報われない生き物なんだなー。人間って。後半の部分は興味深い話だった。
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10/14読了。この著者の本は読みやすい。今の時点でわかっている記憶力についての仕組みが書かれている。ただ、当然だがこれを読めば記憶力が格段に強くなるわけではない。それ目的で購入したらがっかりするかもしれない。
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とあるブログで紹介されていた
世界との関わり方が変わる10冊のうちの1冊。
当時まだ30代だった著者が、
脳の仕組みについて解説しており、
それに基づき、記憶力を増進する方法を紹介している。
記憶を行う3原則として、
1.何度も失敗を繰りかえして覚えるべし
2.きちんと手順を踏んで覚えるべし
3.まずは大きく捉えるべし
を紹介しており、
年齢は記憶力の衰えには関係なく、
「好奇心」と「探究心」が必要としている。
最近物覚えが…という人は読むべきだろう。 -
脳は使えば使う程更に使える様になるる。常に環境の刺激に対して敏感になり、海馬にθリズムを作るだけの緊張感を保ち続けなければ記憶力は増強しない。脳は物事を理解した時にだけ記憶する。目の記憶より耳の記憶の方が心に残る。単一の事を記憶する時も出来るだけ多くの事を連合させた方が覚えやすくなる。精緻化。知識的な連合に努めるより、経験に結びつけた方が良い。
独学で何かを習得しようとする時は、まず大局を、理解。初めは細部を気にせず、大まかに理解。細かい部分は後で少しずつ覚えていったら良い。。 -
『記憶力を強くする』
池谷裕二
Ⅰ 短期記憶 三〇〜数分以内に消える記憶、七個ほどの小要領
Ⅱ ⅰエピソード記憶
個人の思いで
ⅱ意味記憶
知識
ⅲ手続き記憶
体で覚えるものごとの手順
ⅳプライミング記憶
勘違いのもと?
サブリミナル効果
(p68)
記憶についての振り分けさらに
この五つの中では「短期記憶」と「エピソード記憶」は個人的に意識のあるレベルで記憶されている「顕在記憶」なので、意識的に思い出すことができます。また逆に残り三つの「意味記憶」「手続き記憶」「プライミング記憶」には自分の意識は介在しませんので「潜在記憶」となります。(p69)
と続く。これは階層にもなっており
エピソード記憶
短期記憶
意味記憶
プライミング記憶
手続き記憶
となっている。
本著は科学的に脳について、記憶について解説しているが、具体的にやり方が提示るといったものではない。 -
脳の仕組みと記憶のメカニズムの解説。
超面白い。
進化論的に下等な動物ほど厳密な記憶力を持つらしい。一度覚えてしまった記憶は変化しにくい。
対する人間の記憶はファジー(幅がある)らしい。これは記憶に柔軟性が備わっているということで、環境変化の適応も容易にしている。
これが人間の高度な思考や創造力を生み出す源泉になっているという。(ここに関する意見の根拠となる最もらしい記述はなかったのが引っかかる)
外山滋比古も似た主張をしている。記憶のファジーさではないが、記憶を忘れることが創造性の源泉だと言っている。 -
この本はヤバい。
題名にある「記憶力を強くする」学習の仕方を、
マクロとミクロの知見を絶妙に使い分けながら考察し、説明してくれている。
とにかくヤバい。
これは自分の知識レベルにピッタリ合う様な本だった。
以下付箋を付けたところを抜粋します。
・意味記憶ではなくエピソード記憶として脳に蓄えると、顕在意識で引き出せる
・記憶の3箇条
1.何度も失敗を繰り返して覚えるべし
2.きちんと手順を踏んで覚えるべし
3.まずは大きく捉えるべし
P139
・覚えるべきだという強い信号がきたときにのみ、脳はそれを記憶する
・記憶する為には「閾値」を越えなければ記憶されない。
しかし、記憶を連合させれば「閾値」以下のものでも覚えられる(連合性)
・年齢が行くと記憶力が低下すると言う嘘
神経細胞は年と共に減っていくけど、シナプスの数はむしろ反対に増える。
つまり、神経回路は年齢を重ねるにしたがって増加していく
だから、神経細胞の減少に負けない様シナプスを増やす作業をすれば、記憶力は向上していく
・「ストレス」は記憶をすることにとって天敵ではあるけど、実は「ストレスを学習する」ことができる。
ストレスを学習する、すなわち「慣れる」ことができ、ストレスは減少する
・記憶に良い学習周期それは、
1回目に1週間後、2回目に2週間後、3回目に1ヶ月後が記憶の定着に最も良い
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知識や技能を身に付けるには最低6時間以上は寝ることが欠かせない
・勉強と成績の関係で
1→2→4→8→16→32→64→128→256→512→1024
と、累積する。 -
ベタと言えばベタなタイトルについ惹かれて読んだんですが、思ってた以上にしっかりした構成の良本でした。ブルーバックスは結構アタリが多い、侮れない文庫です。
タイトルにもなっている肝心の「記憶力を強くするには」という点については、実はかなり後半にならないと出てきません。むしろ、記憶力を高めるための条件として何をそろえてあげなければならないのか、そこを理解するために重要となる脳の「海馬」の構造について、かなり多くの紙面が割かれてます。そこをゆっくりしっかり理解することで、後半の記憶力強化のための取り組みがどうして必要なのか、またどうして有効なのかがすんなり頭に入るようになっています。
この本で「記憶」とは何なのか、という根本的なところまでしっかり理解できると、なぜ学生時代はできたはずの一夜漬けが大人になるとできなくなるのか、なぜ物事を覚えるには繰り返し勉強しなければならないのか、なぜ言語は読むだけではダメで聞かないと身につかないのか、といった疑問も氷解します。
学生じゃないから今さら記憶力を鍛える必要がない、と思っている人がいたら、それは大間違い。記憶力が強くなれば、何かを覚えるために時間を浪費することがなくなります。そのぶん、他のことができるというわけです。
この本が出たのが10年以上前なので、もしかしたら記憶に関するメカニズムはさらに細かく明らかになっているかもしれませんが、基本的な記憶のメカニズムを知るにはとても良い本だと思います。 -
いわゆる記憶術の類ではなくて、「記憶」というテーマを軸にした脳科学解説。図説や表現も分かりやすく、とっつきやすい。
・歳を取って記憶力が悪くなるわけではない。神経細胞はむしろ増加している。単純記憶から複雑記憶へ。単なる努力不足。若い頃、覚える為にした苦労を本当にしていないのでは?
いわゆる記憶力が悪くなるとは、記憶しやすい感情(θリズム)が湧きにくくなるから(興味・関心が薄れる)である。
・目の記憶より耳の記憶。
・天才とは努力の足らない凡人の妄想によってつくられた言葉。
「記憶」に関する脳の働きの理解が深まった。