進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062575386

感想・レビュー・書評

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  • 中高生との対談でわかりやすくはなってるものの
    それでも難解でした。

    脳をうまく働かすためにはどうすればいいか
    などの改善策やメソッド等は残念ながら記載ありませんでした。

  • 著者30代での中高生への講義の書籍化で、内容も若々しく溌剌としている。
    ブルーバックス初版2007年、2023/3は40刷。帯には朝日、毎日、日経新聞の書評があり、朝日書評は「何度も感嘆の声を上げた。これほど専門的な内容を、これほど平易に説いた本は珍しい」と絶賛。20万部突破。
    内容は盛り沢山。科学的な神経細胞やシナプスの話から、・意識や感情とは、・「見る」と脳の解釈、・言葉と抽象思考、・記憶のあいまいさの理由、等々、話はどんどん広がり、理解はしきれないが大脳生理学の先端とその広がりに触れた気がする。
    読み終えて、人間の脳って、意識って、とても不思議と改めて感じた。



  • 講談社 ブルーバックス
    池谷裕二 進化しすぎた脳


    中高生に行った大脳生理学について講義録。脳と体、脳と心、意識の条件など 大脳生理学の立場から説明


    脳と体の関係性は意外。環境に適応する以上に進化してしまった脳と 脳をコントロールする体という意外な関係性


    驚いたのは、人差し指と唇が異常に大きく描かれた 人間のホムンクルス(大脳との関係性から感覚器として重要なものを大きく示す図)。人差し指と唇の重要性を意識したことがなかった


    科学者の倫理観を超えた脳解明の野心に執念を感じる。戦争により脳を欠損した兵士の症状研究やネズミにラジコンを埋め込んで自由自在に操る実験から 脳科学を進歩させている


    大脳生理学の立場から、意識の条件(表現の選択、短期記憶、可塑性)を提示し、動物の行動や植物人間の反応から 意識の有無を検証している


    心とは
    *脳が作った精神作用
    *人に心がある理由は言葉があるため
    *人に心がある目的は汎化(共通のルールを見つけ出す、一般化する)するため

    人は 心を活用して、抽象的な思考をして〜共通ルールを抽出して〜環境に適応していく

    「世界があって、それを見るために目を発達させたのではなく、目ができたから世界が世界として初めて意味を持った」














  • 高校一年生のときに読みたかった…。
    勉強になるとかいう話でなく、ここ5年で読んだ本の中で一番ワクワクした。

  • とても複雑な"脳"に関しての内容を、筆者が高校生との対話という形式をとって、分かりやすく伝えてくれる内容

    脳の働きに関してざっくりとしながらも、概要を何となく想像することが出来そうな一冊であった

  • 中高生のころにこんな話を聞く授業があったら、脳の研究をしたいと思っちゃうかもしれないなあ。私のころは、当時はコンピュータもまだまだだったし、こうした研究も2000年前後から急速に発展しているのかもしれない。

  • 脳という対象について、中高生と語り合うことを通してその性質の全体像を概観する。

    対話形式で進められる4日間の講義では以下のことが語られた。
    ①脳の機能における身体の重要性
    ②ヒトの解釈は身体構造・言語・経験によって有限的な領域に限られる
    ③神経細胞による記憶の仕組みとその曖昧性
    ④ヒトがその知的能力を行使して生体自体をコントロールすることで自然淘汰に任せる進化論のくびきから逃れていくという転換

    このように書くといささか仰々しいが、池谷先生の解説は正鵠を射ており非常に理解しやすく良書。(またそれを聞いている中高生の能力もその補助になっていると感じる)

    巻末付録のニューロンの記憶を模倣した行列は人工知能開発においても基幹となるものであり、この解説がここまで簡潔かつ美しくまとめられていることには驚くばかりである。

    池谷先生の解説のすばらしさは、重要な概念を平易な言葉で過不足なく伝える技術にある。プレゼンテーターとしても見習うところが多い。

  • 大学時代に脳を少し勉強していた私としては、脳の不思議をいくらか知っていたが、この本を読んで脳の持つ不思議さに改めてはまってしまった。難しくなりそうな話題を非常に分かりやすく説明しているところが、この本の魅力。

  • 2004年春、慶應義塾ニューヨーク学院の生徒8名に対して行った脳科学の講義録。

    全体的に易しく非常に分かりやすかったのですが、特に神経回路、イオンチャネルによるフィードバック機構辺りの解説は今まで読んだどの細胞生物学の本よりも分かりやすく、また楽しい読書体験でした。

    面白さの秘訣はやはり対話形式であるということと、口語的な文体から著者の人柄がありありと伝わってくることによるものでしょうか。生徒による質問も鋭いものが多く、こちらからも学ぶものが多かったです。

    後書きにもある通り、高校生の時にこんな講義を受けていたら人生変わっていたと思います。慶應義塾の中高生たちが本当に羨ましいです。

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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