現代医学に残された七つの謎―研究者の挑戦を拒み続ける人体の神秘 (ブルーバックス)
- 講談社 (2009年9月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062576529
作品紹介・あらすじ
ヒトゲノムが解読された現代でも、人体にはいまだ明かされない謎がある。医学の進歩から取り残されたそれらは、なぜ研究者の挑戦を拒み続けるのか。鍼灸が効くしくみ、磁場が人体に及ぼす影響、睡眠のメカニズム、「病は気から」の真偽、筋肉はなぜ動くか、記憶の貯蔵方法、人体の真の設計図などの、解明の道筋を探る。
感想・レビュー・書評
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プラセボ:大脳新皮質⇒下行路⇒脳幹⇒自律神経系,下行路を活性化するような神経インパルスを流していると自律神経に変調を来す。
おわりにが秀逸。謎に挑戦する研究を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新書文庫
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謎はあくまで謎なんで、それが解き明かされることはないんですが、歴史を含めてとてもどれもが興味深い話でした。
このうちのいくつかは、未来に謎ではなくなるのでしょうか? -
鍼灸は本当に効く?睡眠のメカニズムは?筋肉はなぜ動く?記憶の貯蔵方法は?人体の真の設計図は?など解明を拒み続ける七つの謎を追う!
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現代医学が解明していないとされる七つの謎―鍼灸の治療効果、静磁場が人体に及ぼす影響、「睡眠物質」が存在するか否か、「病は気から」が生じる理由、筋肉の収縮の仕組み、記憶形成のメカニズム、DNAの遺伝情報がいかにして発現するのか―について、簡潔にまとめられた本です。一部の章を除いて用語や説明は一般向けで分かりやすく、所々に挿絵や写真が載っているため、とても分かりやすく読みやすい一冊でした。
あくまで「謎」を扱っているため、最後まで「謎」に対する明確な答えが示されずもやもやする箇所もありますが、明確な答えを求めることな く、「人体の不思議を知る」というスタンスで読むととても楽しく読むことができると思います。また、所々に挟まれる「何故その謎が『謎』のままであるの か」に関する著者の意見は説得力があり、面白いです。
この本自体が既に4年前に出版されたものであるため、今これらの「謎」が未解明のままであるかは分かりません。どうなのでしょう。気になります。
(2013 ラーニング・アドバイザー/心理 KANAI)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1359300&lang=ja&charset=utf8 -
専門的すぎて焦点が絞られすぎていた。
一般読者が興味のある分野は、解明されていないで終わり。
解明されていることは、専門的すぎて細かすぎる。
知識があれば、楽しく読みこなせるのだろう。 -
この本は7つの章から成ってます.
初めが鍼灸の治療効果の謎,2つ目が地場の人体に及ぼす影響の謎,3つ目が睡眠の謎,4つ目が「病は気から」の謎,5つ目が筋肉の謎,6つ目が記憶のメカニズムの謎,最後が人体の設計図の謎,です.
鍼灸の話を読みたくて買いましたが,他の章も結構面白かったですね.科学者としての立場から論じているので…何というか…信じやすかった(あまり胡散臭く思わなかった/笑)です.
杉先生は筋肉の研究をなさっているので,やはり第5章の筋肉の話が一番長かったです(笑).色々な裏話も載ってました.
基本的な事から説明がされており,専門用語もできるだけ避けていた印象があったので,医学系を学ぶ方でなくとも読めると思います. -
プラシーボ効果という言葉を初めて知った。捏ねた小麦粉でも信じて飲めば病気は治ると聞いたし、病は気からとも言う。禁煙薬チャンピックスの説明書にも、二重盲検試験でのプラシーボ効果30%以上と書いてあった。医薬メーカーの開発で薬効テストの治療率が40%以下では新薬開発は却下されるらしい。
DNAですべてが決まるわけではない。DNAはアミノ酸配列を決めるだけ。そもそもわれわれの体はたんぱく質だけでできているのではない。なるほど。ヒトのDNA塩基数は約30億。アメーバは約7000億、エンドウ・トウモロコシは50億。不思議だ。 -
断捨離本。
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2010.8.28読了
老御大ではあるが、現役の研究者である著者によって書かれた、医学、生物学分野の中で、マスコミによく取り上げられたり、一般の生活で、時々目にする事柄の、現在における解明状況の概観。
評価は、小説などとは視点が異なるが、多くに読んでもらいたい良書です。
一般の読者は、福岡氏とは違って、面白くはないでしょうが、著者の筆により、一部を除いてわりとスムーズに読み進めると思います。
科学者である著者が、現在の研究成果に基づき、何処まで解っていて、何処から解らないのか、明快に記載されている。聞いた事があり、解っているようでいて、本当のことは解っていないような事がしばしばあるが、医学や生物学分野での、それをクリアにする書だと思う。
誰にでも勧められる訳では無いが、理数系の高校生や教養かていの大学生、ビジネスマンや行政マンには、お勧めだし、もしかしたら、医学、生物学以外の研究者も一読されると、いいかも。
なお、巻末の参考文献には、古典ではあるが、その分野の良書が記載されている