- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062577311
感想・レビュー・書評
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著者本は『宇宙は何でできているのか』に続いて二冊目。前作より分り易い。但、題名は8章の章題であり内容的には暗黒物質、暗黒エネルギーが中心。小説の短編集みたいな題名の付け方。著者の研究テーマというよりは最新の宇宙論を紹介したものなので、類書と内容が重複する部分もあるが、著者の売りは説明の分り易さであろう。数学は苦手だが宇宙の話を読んでみたい読者には佐藤勝彦博士共々お勧め。万物の元と習った原子が実は宇宙全体の5%にも満たないことが21世紀に入って初めて分るというのが科学のロマン。じゃあ残り96%はというお話。
ニコニコ動画の『暗黒物質、暗黒エネルギー』も見ると理解しやすいと思います。^^
宇宙は本当にひとつなのか >> 副読本、いや副読画としてuniverse『暗黒物質、暗黒エネルギー』を見る。自分なりに場面を想像できるのが活字の強みだが、科学モノは やはりCGを使って説明してくれると感覚的に、よりわかりやすい。 2012年03月23日詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作よりもさらに踏み込んでいる。
多元宇宙?多次元宇宙?
うーん、ムズい。 -
宇宙の96%は正体不明の暗黒エネルギーと暗黒物質。
実は宇宙は多次元で、暗黒物質は他の並行宇宙とつながった空間からやってきたとは。
超ひも理論では確か宇宙は10か11次元だったと思うけど、本当はもっと沢山あるようにも思えてくる。なんといっても10の1016乗個もの宇宙がビックバンで生まれるというのだから。
この暗黒物質を捕まえるために世界のあちこちで競争が繰り広げられている。
一番最初にこの「異世界からの訪問者」の正体を突き止めてくれるのは、どこの研究所なのだろう。楽しみでしょうがない。 -
宇宙の内訳。原子4.4%。暗黒物質23%。暗黒エネルギー73%。あれ。0.4%オーバーしてる。重力は3次元空間から抜け出して、多次元空間にはみ出るらしいです。
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この本、かなり難しいことをわかりやすく解説したサイエンス本だけど、ミステリーとして読むと面白い。と思う。最後には「そうだったのか!」といった、謎解き感を味わえます。詳しくはブログで…
http://pinvill.cocolog-nifty.com/daybooks/2012/02/post-cb74.html -
小さなころ、卵みたいな宇宙を想像し、卵の殻の外はどうなっているんだろうと想像して、怖くなることがよくありました。
今、宇宙についてどんなことが分かっているのか、わかっていないのか。どんなことを追求しようとしているのか。優しい言葉で解説してあります。
暗黒物質、暗黒エネルギー、多次元宇宙と、SFのような話ですが、ごく大真面目にたくさんの人が研究しているようです。
とくに多次元宇宙の章は例え話が多く、わかった気になって楽しくぐいぐい読みました。
もし、私が1000年前に生まれていたとしたら、人類は月へ行ったとか、地球の反対側の人に一瞬でメールを送れる、なんてことを聞いたとしても、そんなことはとても信じられなかったでしょう。
わからないことがたくさんあるということがわかった、というのが大雑把な現状ですが、100年、200年と経つうちに、また人類の価値観を変えるような発見が待っていることは間違いないと信じます。 -
宇宙はどうやら一つではないらしい? 多次元宇宙について
そもそも次元とはなんだろうか。例えばあなたが、映画デートの約束をしたとする。当然、場所と時間を指定することになるだろう。新宿駅、南口近くのバルト9だ。目的地まで、東に3分、西に1分と2つの数字がでてくる。そこにビルの何階であるかという数字を入れれば、3次元ということになる。さらに、日曜の11時と時間指定をすれば、空間は3次元、時間は1次元あわせて4次元の時空であるということができる。
では5次元の時空とはいかなるものであるだろうか?。わたしたちの住む3次元の空間の外にはもう一つの目に見えない膜のようなもの(重力ブレーン)があるかもしれないのだ。これに時間の1次元を加えたら5次元ということになる。宇宙は超ひも理論によれば、10次元であると予想されている。ここまでくれば、直感的にはもうイメージできない世界である。しかし、そうした複雑さが宇宙の謎を解く鍵になるかもしれないのだから知的好奇心を刺激されずにはいられない。暗黒物質や暗黒エネルギーなど中二病的な?(笑)テクニカルタームが解説されているのでぜひ一読を。
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多次元宇宙、多元宇宙、ブラックホール、暗黒物質。SF小説でしか目にしなかった言葉が、徐々に実体を持ち始めている。
ブラックホールを人工的に作ることすら可能になりつつあるという。LHC(大型ハドロン衝突型加速器)を作ったCERN(欧州原子核研究)が世界に先立ってその研究を進めている。
新聞や雑誌で目にしたことはあるが、こんなにもエキサイティングで心が踊る研究が行われているとは知らなかった。
本に書かれていることは、明らかになりつつあることのほんの一部に過ぎないのだろう。
それでも私にとっては驚きに満ちていた。
127ページに「物質保存の法則は実はもう成り立ってい」ない、という記述がある。私達が学校で習った質量保存の法則は「化学反応の前後で質量の総和は変わらない」と書かれていたはずだ。
当時は、あぁそういうものなのか、くらいの認識しかなかったが、この公理に例外があるとなると、驚く。
10数年前に教科書に書かれていたことが、書き換えられるかもしれない。
私は、社会に出た途端に一般教養分野に対するインプットが圧倒的に減った。周りの友人や先輩後輩を見ていても、おそらく多くは同様なのだろうと思う。
興味は、仕事や経済に関する話にフォーカスされ、そうではない話に徐々にアンテナが反応しなくなっていく。
教養のある人間というのは、例外もあるが、私の目には総じて魅力的に映る。それは、環境起因の興味ではなく、その人本来の興味から蓄えてきた知識を持っているからだと思う。
今年の冬休暇の間は、元来の興味に従って本を読もうかな。