宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062577311

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙論は子供の頃から好きで、一般向けの本をいろいろ読んできましたし、評判の著者の本でしたので楽しんで読めました。しかし、第5章くらいまでは比較的わかりやすいものの、第6章以後の、この本のタイトルでもある多元宇宙について解説してくれている部分は、本当に難しいです。できるだけかみ砕いて説明してくれようとする著者の努力はわかるのですが、それでもイメージできません。
    ヒッグス粒子の話などもそうですが、最先端の物理学というのは、物質で成り立っているはずの現実の世界を解明しようとしているにもかかわらず、本当に抽象的な議論になってきているのだなと感心しきりです。素人には、もはや正規の科学とSFとの区別もつけられない感じ。
    でも、だからこそ今の科学の本はおもしろいともいえそうです。

  • 人類がまだ、他の惑星、火星にも行けないのに、138億光年先の話、あるいは、少なくとも138億光年の広さがある宇宙の外の話、また、異次元の話など、まるで、絵空事の話のように思えてしまう。もちろん、実験で、実在を確認しているのでしょうけど、
    でも、電磁気学の発見が今日の携帯、テレビの利用。また、特殊相対性理論によるGPSデータの修正など、応用されているように今は、何のための研究かわからないが、将来になると、生活になくてはならないものになるのでしょうか、今は、隣の星に行くのに、何世代もかかりそうですが、もっと早く、2,3年で行けるようになればいいです。異次元を使って、4光年先の星に早く着くとか、あと、私が生きている間に、暗黒物質、暗黒エネルギーの正体がわかると良いですね。

  • 宇宙の話には必ず原子よりもっともっとミクロな話が付きまとう。曼荼羅を感じるよ。

    宇宙がいくつもある。異次元もある。
    異次元に重力が染み出すとしたら、異次元の存在がわかるそうだ。
    暗黒物質の正体は他の宇宙や異次元から来たかもしれない。
    では、ど素人の仮説「暗黒エネルギーは異次元から反対に染み出てきた重力ってことはない?」

    宇宙も超ミクロな量子物理もどっちもロマンだな。

  • 副題は最新宇宙論入門。まさにその通りで、私のような門外漢でも、とりあえずついていける内容だった。とりあえずというのはつまりあれね。具体的数字や数式が出てくるとつっかえるけれど、イメージはちゃんとつかめるということね。もっとも、本書では難解な数式はほぼ出てきません。
    『眠れなくなる宇宙のはなし』の読後感にも似ていなくもなかったな。宇宙論だから当然か。つまり入力が同じなのだから、出力反応はそんなに変わらないということだろうな。確かに編集により味付けは変わるのだろう。テイスト、切り口は違う。
    なぜ宇宙論を好むのか。そこに未知の領域が広がっているから。未知というのは人々に想像を強いる。答えが出ていないものについて、宇宙物理学者はどのようにアプローチするか。答えらしき何かを仮構してそれを立証しようとする。正しいとされる答えを導き出そうとする。その営為こそがスリリング。愉快にして痛快。進歩しつつある遠距離観測技術や微細構造の計測技術を駆使していく。面白い。応援したくなる。私はその先が知りたい。
     
    何かに似ている感覚がある。ひいきにしているプロ野球チームを応援するような、あるいは、何かとてつもなく長い物語を読み進めているような錯覚がある。おそらく一番最初の宇宙論は聖書になるのだろうが、(いやシュメール人のころからそれらしきものは潜在していたのだろうが、体系化され人口に膾炙したのは聖書、ということでいいですね。そうします)そこを更新していくダイナミズムがある。これが刺激的。
    しかし、一体何なんだ。暗黒物質、暗黒エネルギー……
    どうやら私たちの築き上げてきたサイエンスに従わないらしいんですよね。ものを通り抜けてしまう? 質量はないが重力はある? こういうものが出てくると、今世界を支配している原理そのものが動揺するわけです。何百、何千年と信じられていたことが「ぺしゃんこ」になったりもする。
    物理学的な哲学であり、哲学的な物理学。これが137億年の物語か……
     
    覆されない概念なんて無いのかもしれませんね。筆者も言っていたけど、宇宙論を見ていくと、凄く謙虚になる。ならざるを得ない。
    http://cheapeer.wordpress.com/2013/07/09/130709/

  • 最新の宇宙理論がわかりやすく解説されている。とらえにくい宇宙をどう科学者が解釈しているのか。その片鱗がうかがえる良著。

  • 宇宙。良いよねぇ。でっかくて。わけわかんなくて。

    唐突に科学関連の本を読みたくなって、選んだのがこの本。
    最新宇宙論紹介、ということで、
    ニュートリノについても初めてちゃんと知ったし、
    宇宙の構造の話からダークマター、ダークエネルギーへと話が進んで、へーってなって、
    超ひも理論、多次元宇宙、多元宇宙の話までいくとわけわかんなさが臨界点を超えて、ちょー楽しいです。

    なんて言うんだろうね、書いてある事の意味は分かるんだけど、
    分かったことの意味が分からない、というか。

    最後の締めで筆者は、
    「宇宙の研究をしているととても謙虚な気持ちになります。宇宙の中のちっぽけな存在である私たちがここまで宇宙を理解できたのはとても不思議なことです。そしてこれからも驚くようなことがわかってくるに違いありません。」
    と言ってます。

    謙虚な気持ちはそうだなと思うんだけど、
    理解できたってのはホントかなーと思う。
    というか量子力学を突き詰めた話を聞いていると、
    「理解する」とか「分かる」ということの意味がわからなくなる。
    分かるってなんだよ、意味ってなんだよ、と。

    そのわけわかんなさが、良いとこだね宇宙の。
    宇宙ってすげー。

    多元宇宙論、人間原理と超ひも理論あたりはもう少し知りたいんだけど、どの本読んだら良いんだろ。
    あと今回ブルーバックス初挑戦だったんだけど、すごい楽しいね。
    分野に限らずオススメのブルーバックスあったら教えて欲しいです。

  • 2013.3.25 読了。
    宇宙が誕生してから約38万年までの宇宙は観測することができない。38万年まで近づけたのに。もどかしい。
    こんにち話題の重力波に期待したい。

  • 難しい話を簡単にわかりやすく書いているいい本。理系に魅力を感じてもらえるような内容かな。

  • 時には、意識が宇宙のはてまで飛んでいっちゃうのもいいかな~と思って読み始めました。

  • 本書で多次元宇宙と超ひも理論の関係の概要が理解できた。これからの物理学の実験が楽しみである

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著者プロフィール

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)教授、カリフォルニア大学バークレー校Mac Adams冠教授。
1964年東京都生まれ。1991年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。東北大学助手などを経て、2007年から2018年10月までKavli IPMUの初代機構長を務めた。専門は素粒子論・宇宙論。『宇宙は何でできているのか』(幻冬舎新書)はじめ著作多数。メディアを通して研究成果を伝えることにも力を入れる。難解な素粒子論・宇宙論をわかりやすい言葉で語る。

「2020年 『そうたいせいりろん for babies』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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