- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062585200
作品紹介・あらすじ
英語圏の国々では現代哲学の主流であり続ける分析哲学。しかし、日本ではその存在感は薄い。その現状が「限りなく号泣状態に近いくらい悲しい」と嘆く著者による、渾身の入門書。「ある」とはどういうこと?「知っている」とは?「心」とは?「物」とは?分析という「理屈」を武器に、そしてユーモアを隠し味に、哲学的思考へとあなたをいざなう快著。
感想・レビュー・書評
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■細目次
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https://gyazo.com/fb032e6ab22371835dd8384f6af3b9b4詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
入門書としてはかなり優れているとおもう。初心者の私が何か掴んだ気になれたので。
前提知識が要求されていたりするが、それでも。 -
再読。ただし、初めて読んだときの印象はあまり覚えていない。今回読んだ感想としては、全体的にわかりやすく書かれていて、読みつかえることは少なかった。ただし、例え話が多すぎてちょっと読みづらいと感じた部分もあった。とはいえ、これは書き方についての個人的な好みの問題で、ふつう話が抽象的になりすぎて分からなくなるような哲学の問題を、正確さを損ねずに、ここまで一般的な言葉遣いに徹して紹介する、というのは並大抵のことではない。
平易かつ冗長に書かれているため、初学者や一般向けにはちょうどいいかと思われる。これを読んで興味が出たら、同じことについて別の人が書いた青山拓央『分析哲学講義』(ちくま新書)とか、あるいは分析哲学の手法を用いた議論の実例を見るアール・コニー&セオドア・サイダー『形而上学レッスン』(小山虎訳、春秋社)などを読んでみるといいと思う。前者はこれよりもちょっと読みにくい文章かもしれない(例え話が多かった本書と比べてやや抽象的)が、同じテーマについて別の視点から語られたものを読むのは勉強になる。後者は翻訳だが平易に書かれており、楽しく読める本になっている(しかも議論はしっかりしている)。
あるいは、私はいまのところ読んでいないのだが、同じ著書による続編『意味・真理・存在』、『神から可能世界へ』にあたってみてもいいかもしれない。私がこれを再読したのも、これらを読もうかと思って、復習のつもりだった。
ちなみに、ほかの方のレビューで「参考文献として挙げてる書籍のタイトルが間違っていたり書誌情報が載っていなかったり」したとあるが、タイトルが間違っているのは、著者が日本に住んでいないので日本語訳でのタイトルを把握していなかったからなのではないかと思う(ただし、臆測である)。書誌情報が載っていないのもまた、同じ理由から説明できる。(とはいえ、これは編集者が手を入れるべきではある) -
2019/06/15
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分析哲学をしよう◆「ある」とはどういうことか◆「知っている」とはどういうことか◆「言っていること」は何か◆心あるもの◆「かもしれなかった」とはどういうことか◆「同じもの」とはどういうことか◆心ふたたび◆「物」とは何か◆数とは何か
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分析哲学の方法で「正しい」という概念を分析しようというのが本書の試みである。なぜ「正しい」という概念なのかと言うと、わたしたちの日常の世界観の基盤にあるという事実に加えて、それを分析する作業のなかで哲学的に重要なトピックが最も自然なかたちで最も頻繁に顔を出すような概念でもあるからだ。先に見た辞書定義にあったように、「正しい」という概念は言明、行為、推論などが何か外部のものと適合しているというふくみをもつ。このふくみをとことん明確化するという作業は、驚くほど哲学的に有益なのである。「正しい」という概念についての理解を深めると同時に、そういう作業がいかに生産的であるかを肌で(脳で)感じ取って、分析哲学的方法による知的営みの醍醐味をしっかり味わおうというのが本書の目的である。
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同一性の携帯電話のところとかで、著者のあげる例から著者と逆に方にうなずけた。
身近なところに疑問の余地が、余地と言うより広大な口を開けて広がってる感じがして面白かった。
ところどころに出てくる断言に、どこに疑いを向けてどこを自明の前提にするかは「人それぞれ」の印象も。 -
Quarkをすでに一般的には定着している「クウォーク」を使わずに、分析哲学者の間で定着しているという「クワーク」を使うところに違和感と拒絶感を感じます。これは分析哲学という開かれたものであっても、やはり自分たちのカラの中でこねくり回すことに心地よさを感じているのではないかと感じてしまうからであります。
文中に「クワーク」と出てくるところに当たると、本を投げ捨てたくなる衝動が沸き起こってくることがあります。 -
1000 馬場北