台所のおと (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1071
感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062630276

感想・レビュー・書評

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  • とても良かった!向田邦子さんを思い浮かべて読み始めたけれどちょっと違う。小津安二郎の女性版の小説、という感じかな(どうかな)。
    エッセイ「雀の手帖」は読んだけれど小説ともなるとこんなに違うのかとびっくりした。
    心のひだを洩れ無く緻密に表現している文章がとても好み。短編10篇の題材はそれぞれの主人公の身辺の家族や友人のこと。
    数作は病人を前にした主婦の働き、気働きを描いているだけなのにその場の空気感がひたりと伝わってきた。この時代だと病気と死が現代に比べてかなり近かったのだろうと感じた。
    「台所のおと」「雪もち」「ひとり暮らし」「おきみやげ」が好き。

  • なんと居住まいよく所作の美しい文章なのだろうと惚れ惚れした。しなやかな視座にも背筋が伸びる。

  • 本棚を整理していたら幸田文さんの「台所のおと」が出てきたので、布団の中に持っていって読み直す。やっぱり、この小説はすごくいい。私にとって、すごくすばらしい。志賀直哉の「小僧の神様」も大好きだが、同じような質のじーんと来方だ。いい小説って、こうして何度読んでも、すっかり初めてのように感動する。(高山なおみ)

  • タイトルにもなっている台所のおと、読後感ほっこり!

  • とても綺麗で体温のある日本語。
    何度も声に出して読みたい作品です。

  • 日常の中の事件とそのことによる心のゆらぎとか感情とかがうまく書かれている。

    「台所の音」のさわやかでおとなしい音、どんな音だろう?
    「呼ばれる」「ひとり暮らし」雪もちもよかった。

  • 20190406 読了 
    評価3.8で、四捨五入☆4つ評価

    覚書
    台所のおと  妻の包丁の音
    濃紺     癖のある下駄
    草履     季節感
    雪もち    酒粕 
    食欲     結核の夫
    祝辞     結婚式のスピーチ
    呼ばれる   脳腫瘍
    おきみやげ  おでん 里芋
    ひとり暮し  
    あとでの話

    この作家さん、お初。父親は、幸田露伴。
    昭和31年~45年に発表された作品
    時折、ハッ!とさせられる文章があって
    珍しくメモを取りました^^
    個人的に心模様の描写が好ましい^^

  • 短編集でありながらエッセイのような読み心地。
    人生、日常においてのそこかしこで感じてきたことをこんな風に言葉にできたら素晴らしい。
    折に触れて読み返したい一冊。
    「台所のおと」「食欲」「一人暮らし」が特に良かった。

  • 台所のおと
    幸田文には珍しい創作された短編が入っています。
    やはりエッセイのほうがいいかも。

  • 個人的に、結婚適齢期以上の女性に読んでほしい一冊。
    夫婦とは、老いとは、何か、をつかむ端緒になるはずだ。
    中でも「祝辞」は、女性でなくとも、家庭を持つ全ての人に読んでもらいたい。

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著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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