法月綸太郎の冒険 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062631082

感想・レビュー・書評

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  • 死刑囚パズルはしっかり謎解きを楽しめました。視点にちょっと疑問だったのですが最後に納得です。黒衣の家の後味の悪さはこの作家さんらしいですね。何とも言えないいたたまれなさが残りました。図書館シリーズは法月探偵のシリーズとは別シリーズになったかと思うほど雰囲気が違ってびっくりしました。私は法月警視と綸太郎との掛け合いが好きなので全く警視が出てこないのはちょっと残念。でもこれはこれでありなので違うものとして楽しみます。長編とはかなり違った雰囲気ですが短編もいいですね。

  • 収録作品7作品中4作品はトリックもしくはプロットが解ってしまった。
    後半の沢田穂波とのコンビのビブリオ・ミステリ4作品は最初のエネルギーを持続させるには少々物足りないし(「緑の扉は危険」はこちらの期待が大きかったせいか、巷間で云われているほど、素晴らしいとは思わなかった)、「黒衣の家」はその呆気無さに唖然とした。

    が、しかし「死刑囚パズル」と「カニバリズム小論」がその不備を補って余りある光彩を放ってくれた。
    これぞ法月綸太郎の真骨頂であろう。よって4ツ星!

  • 死刑について。カニバリズムについて。

  • 冒険してる?
     クイーンに倣って名付けられた法月綸太郎の短編シリーズ。傑作と名高い「死刑囚パズル」他、図書館シリーズという日常の謎を扱ったものまで、全7話を収録。
     「死刑囚パズル」は、丁寧な消去法から導き出されるフーダニットが光る作品。ですが、ホワイダニットはあまりピンときません。長編でもっと重厚に描いて欲しかったです。「カニバリズム小論」は、オチの捻くり具合は好きですが、話の大半を占めるカニバリズム論がただの薀蓄に感じてしまいます。打って変わって、後半4作からは本にまつわる日常の謎へ。こちらは真相が腑に落ちない話が多かったです。

  • 【死刑囚パズル】と【カニバリズム小論】が傑作です。前者はロジカルな展開とサプライズを演出する二段オチで完成度が高いです。後者はホワイダニットが明かされた後のオチが強烈です。
    法月綸太郎と図書館司書・沢田穂波とのコンビが図書館と本にまつわる謎を解く「図書館シリーズ」の4編は爽やかで楽しく読めましたが、出来はあまりよろしくありません。特に【土曜日の本】の『五十円玉二十枚の謎』は何も解決していないので不満でした。

  • 図書館を舞台にしたミステリーだけの短編集かと思ったが
    そうでもなかった。

    文体が少し合わなかった。

  • 法月綸太郎シリーズ

    『死刑囚のパズル』
    死刑執行の直前に毒殺された死刑囚。直前に用意されたお茶。急きょ変わった執行官との関連。

    『黒衣の家』
    法月警視の叔父の葬式。対立する親子。恋する少年。葬式から3週間後に起きた農薬による毒殺事件。

    『カンニバリズム小論』
    同棲する女を料理して食べた大久保信。法月綸太郎と面会する男が分析するカンニバリズムの意味。

    『切り裂き魔』  図書館シリーズ
    推理小説の前半部のページが切り取られる事件の捜査依頼。

    『緑の扉は危険』 図書館シリーズ
    蔵書を寄贈すると遺言し自殺した男。男の死んだ部屋の緑の扉の秘密。寄贈を拒否する妻の秘密。

    『土曜日の本』 図書館シリーズ
    「50円玉20枚を両替する謎の男」という題目で競作する企画。ネタに困った綸太郎。実際に本屋で両替する男。覆面作家の正体。

    『過ぎにし薔薇は・・・』 図書館シリーズ
    図書館で大量に本を借りる装丁家の女。彼女の不倫相手の作家。死んだ子供。

     2010年5月29日再読

  • 2003年11月28日読了

  • obtnd

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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