法月綸太郎の冒険 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062631082

感想・レビュー・書評

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  • 小説というより物語つきの推理クイズの趣き。
    犯人の動機やトリックの実現性に現実感が薄い気もするが、あくまでもロジックを楽しむ小説だと割り切れば面白い。

    事件 ⇒複数人で仮説の応酬 ⇒ヒント ⇒解決

    といった感じで、仮説の応酬が探偵小説の王道の趣き。

    ●死刑囚パズル
    死刑執行の直前で死刑囚が毒殺される…。
    ●黒衣の家
    意地悪な姑が毒殺される…。
    ●カニバリズム小論
    探偵と友人が、共通の知人が犯したカニバリズムについて推理する…。
    ●切り裂き魔
    図書館の本を何冊も借りて1ページだけ切る人間がいる…。
    ●緑の扉は危険
    自宅の部屋で死んでいた男。部屋には開かない緑の扉があった…。
    ●土曜日の本
    なぜか土曜日に本屋に現れ両替だけする男の正体は?
    ●過ぎにし薔薇は……
    近隣の図書館で三冊づつ借りては返す女がいた…。

  • 法月綸太郎の初の短編集。死刑囚やカニバリズムといった難しい題材もあったが、その推理の秀逸さ、ある種のカタルシスを味わうことが出来た。また図書館シリーズと題した作品群も本好きとして面白かった。

  • 「死刑囚パズル」

  • 法月綸太郎シリーズの短編集。
    死刑囚パズル、黒衣の家、カニバリズム小論までは長編と違う雰囲気を楽しめたのでよかった。
    切り裂き魔以降から出張るとある人物が私の好みではなかった。

  • 図書館の話は読みながらこれ突っ込まれただろうなって思ってたら文庫版あとがきで触れてたね。
    でもフィクションだし実際守られてないんだし別にいいでしょっていう主張なのね。

  • 前半三作のホワイダニットが秀逸。
    『死刑囚パズル』は予想外の真相に思わず鳥肌が立った。
    『黒衣の家』はある意味最も恐ろしい動機だなと。
    『カニバリズム小論』は不愉快な動機とまさかの結末にゾッとした。
    でも後半四作の図書館シリーズは楽しい。
    ミステリーが好きな人なら、きっと気に入るはず。

  • 七篇の短編集。

    『黒衣の家』と『切り裂き魔』が好きです。

    本格ミステリの小ネタがたくさん書かれてる本なので、ミステリ好きの方が読むと楽しい本かなと思います。

  • 死刑囚パズルは理詰めで固めていくのは、なるほどーっては思うものの、もっと根本的なところで??って思ったので、ほかの人のレビューとかでの高評価にはあまり賛同できなかったかな?

    カニは、気持ち悪いネタで最後まで押し通すかと思いきや……

  • 「死刑囚パズル」ホワイダニット

  • 法月綸太郎は短編も面白い。絶版?になっていてなかなか手に入らないので長編ばかり読んでいるけれど、短編もかなり好き。図書館が関係しない3作はいつも通りの後味の悪さで最高。
    死刑囚パズル:論理的に詰めつつ寄り道しながら修正するいつものスタイル。パズルなら都市伝説の方が好き。
    黒衣の家:『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』のサイコパステストを思い出した。手紙で終わる余韻がいい。
    カニバリズム小論:人を食べることに注目していたので、綸太郎の結論に驚いたし嫌悪感。よくここまで気持ち悪く後味最悪な話を…(褒めてる)あとがきにあったミスリードは枢機卿のことで合ってるだろうか。たまたま誰彼の直後に読んだので、誰も引っかからないらしいミスディレクションに見事に引っかかる貴重な体験ができました笑
    図書館シリーズ:この図書館大丈夫か

    著者の作品の良さはロジックだけでなく後味の悪さにもあると個人的に思っているので、図書館シリーズよりも実際に殺人が起こる方が好き。あと大好きな法月警視があんまり出てこなくて残念。

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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