- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062635370
感想・レビュー・書評
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瀬戸内の美しい自然に囲まれて、強くて優しい先生に学び、子どもたちはあたたかく見守られるように成長していく。そこにあるのは、決してきれいなものばかりではない。自然は時に厳しく残酷に何かを奪い、子供たちは学校で学びながらもその将来は決して明るいものばかりではない。
それが、可哀そうだとか大変だとかいうのではなくて、それが子どもたちの生活なのだ、と思う。そして子どもたちはちゃんとそのことを知っていて、自分も一人前になる必要があることを知る。
学校の中にちゃんと生活があり、子どもたちは現実という土をしっかりと踏みしめて成長していく。そうして生きていくのだと、当たり前だけれど思い知らされる。
現実を生きること、子どもたちに希望を与えること、大人の役割はとても大きくて、難しくて、単純なのかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大人も楽しめる児童文学です。これを読むと、「機関車先生に教わりたかったなあ」と思うでしょう。解説を書かれた大沢在昌氏が最後のシーンで不覚にも目頭を熱くしてしまったことも理解できます。校長先生の言われた「愚かなことをする人間をつくらないことが肝心です。」(P41)は、教育者としての原点なのだと思いました。
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以前から気になっていたこの作品。
「口をきかん」から機関車先生。なるほど。
瀬戸内海の小さな島を舞台に子供と機関車先生、そして島の人たちを描く、読後感が暖かくやさしい気持ちにさせられる作品でした。 -
人と人のつながりは色んな方法で確かめられると思う。
当たり前が当たり前じゃなくなったとき初めて気づくことがたくさんある。本を通してその経験をさせてもらった。 -
67冊目。
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2011夏休みの読書第1弾。
夏休みに読むのにぴったりの一冊。
いい先生なんだよ~ -
読中も読後もほっこりする本。時々読み返したくなる。
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子供には、時に大人よりも厳しい世界がある。それは、「別れ」。この本では一つの島を舞台に別れと学びが繰返し表現されている。別れを経験し、大人になっていく子供たちと、昔別れを経験してきた大人たちの成長の姿を描いているように思う。先生や教育の在り方如何より、一人一人が他人に与える影響というのを重視していると感じた。コミュニケーションのタイミングと、協力によって、人の心は良い方向に動かせるのだと。
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戦後間もない時代、口をきかん先生、吉岡誠吾が瀬戸内に浮かぶ島の小学校に赴任してくる。ことばを話すことはできないけれど、やさしくて強い機関車先生は子ども達や島の人々にあっという間に受け入れられていく。
このテの設定の小説ってある意味定番ですね。『二十四の瞳』『兎の眼』『青い鳥』。