- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062724487
作品紹介・あらすじ
日本は不思議でエレガントな「世界の孤児」
ヨーロッパ人は毎日、日本の話をしている
9・11のテロを「カミカゼ」と呼ぶ、ヨーロッパ フツー目線の、赤裸々な日本人評満載!
今、ヨーロッパの人々は、日本について毎日話しています。誤解や思い込みもありますし、偏見に満ちた見方をされていることもなきにしもあらず。ところで、私はヨーロッパで30年以上暮らしていますが、日本についてヨーロッパではよく知られているのに、日本人がまったく知らないということがあります。たとえば「日本は、アジア・アフリカで植民地にならなかった稀有な国だ」というのは、ヨーロッパではごく一般的に言われていることなのですが、最初に聞いたとき、驚きました。このような、ヨーロッパにおける日本についてのうわさ話、つまり、有名な政治家や大企業の社長や学者が話しているのではなく、街のフツーの人々が日本について話していることをピックアップすると、なんだか日本の本当の姿が見えてくる気がしました。
●9・11がKAMIKAZEとは!
●なぜフランスで浅間山荘事件?
●自衛隊をめぐる禅問答
●恨みを忘れないヨーロッパ人
●植民地になったことがない日本
●黒人にも偏見を持たなかった信長
●MANGAはもはやフランス語
●日本人は出世すると思っている
●日本人は子どものしつけを知らない
●「すみません」は潤滑油
感想・レビュー・書評
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ヨーロッパに長く暮らす国際結婚の筆者が語る、日本とヨーロッパの違いについての一冊。タイトルは直接的には旧植民地出身者から"あなたのマスターズ・カントリーは?"と聞かれたエピソードからだろうが、本質的にヨーロッパ文明の枠外で独自性を保って今日まで至った日本の姿を表現したものだろう。
上記の一件について個人的には、植民地支配を受けなかった国が日本含め片手に足りるほどしかないことは知っていたが、旧植民地の人たちに旧宗主国への意識がそんなに残っているものだとは知らなかった。
ヨーロッパ人のそういうことへの鈍感さや、日本への一方的な言い分などマイナス面も含め、日欧双方の違いを筆者の経験をもとに語っており、歴史理解については甘い点もあるとは思うが、両方を知る人の生の声として貴重だと思う。
終盤の日本文化紹介イベントのエピソードは正直ショックだったが(相手が笑顔で喜んでくれてもそれは所詮社交辞令レベル)、彼我の違いをシビアに認識して、おもねることなく、かといって過度に我を通すことなく、交流への意識を高めていけたらよいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
若干の個人的な意見感が否めないが、面白く読めた。
■メモ
・カミカゼは自爆テロとして、フランス等で使われる
・日独伊は第二次大戦の敗戦国。テロの好きな国民。
・日本、タイ、エチオピアは植民地経験がない(マスターズカントリーがなき)
・昔から日本人は清潔で、バテレン(宣教師)たちは日本人に会う時は風呂入って清潔にするようにした。体臭臭いやつの話は聞きたくないと思われるから。
・偏見を持たない日本人。信長は地球が丸いと言われて、即座に納得した。
・日本人の八百万の神の文化。
・南蛮人の由来の一つは、昔土足であがってきて、ナイフで食事するから
・フランスは2週間のバカンスが法律で決まってる
・ヴァカンスを取れない奴は無能 -
だいぶ前の本であったが、日本がアラスカを買うか買わないかという話があったというを始めて知った。本当かどうかは根拠が示されてないのでわからなかったが、違う視点から日本を知るのは面白いと思う。
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十年前の本だということを念頭に置いて、軽く読むつもりだったが面白かった。
西欧の人は果敢に歴史の話をするのが日本人と大きく異なるところだと思う。なぜ日本はあんな残虐な戦争を仕掛けたのかといきなり問われ、面食らわずに英語で冷静に答えられる日本人は少ないのではないだろうか。私も自分の意見が確立しておらず(時と共に答えも変わっておかしくないとは思うが)ましてや英語でとなると全く言葉が出て来ない…。
個人的には日本は植民地にこそなったことはないが悲しいことに米国の属国だと思っているのでタイトルにちょっと違和感はあったが、海外在住者の話は勉強になることが多いと改めて教えてくれる一冊だった。 -
欧州の普通の人から見た欧米から見た日本論。あれって思うところも含めて、理解がある人でもこの程度ではないかと考えるにはよいのでは。新たな視点が得られる。
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フランスにすんでいるデュラン・れい子さんのエッセイ集。ヨーロッパから見た日本を書いている。こうした情報はなかなか日本ではお目にかかれない。言い方を変えると日本語では極端に少ない。アジアで植民地になったことがないのは、タイと日本。目を引くタイトルですね。
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あー、さぞかしや
専門的教養書かとおもいきや、著者の意見によるものであった。
読んでいてそんなわけないやろとか、どゆことってのが多々あるわけだが、
タイトルだけは、知識として入れたいが、
ん、いまいち
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パリで暮らす著者が外国人との会話で日本の良いところを思う。私も外国の人と話していると感じる「自分の国のことを知らない」「自分の国の良いところ」もやもやしている部分に対し、一定の答えを出してくれている感があり、うんうんと思いながら楽しく読む。著者も異文化、異なる考えに触れながら、考え、学び、日本人として生きていく姿に共感。
自分なりの「自国とは」を考えておくべきだよなと改めて思う。 -
■ソトから見たニッポンの姿
タイトルを見た際には、歴史の考察、あるいは、日本の社会を皮肉った内容の本なのかと思った。
実際にはそのどちらでもなく、外国に暮らす日本人である著者やその周辺の人々が抱く「当たり前」の日本への印象(誤解も含む)をまとめたエッセイ風の読み物。
他国の文化や社会との比較も随所にある。庶民的な目線から綴られるエピソードの数々から、日常的にヨーロッパの人々が日本をどう捉えているかの一端がうかがえる。
意図的に話題を引き出そうとするのではなく、毎日の生活を送る上で遭遇する数々のギャップや解釈の違いを、外国人の夫との掛け合いを引き合いに出しながら明るく描く様は某人気夫婦マンガを読むように楽しく学べる。
元コピーライターの著者だけに、タイトル命名のセンスにはしてやられた感があるが。
■自分のことをいちばん知らないのは自分
テレビや新聞では報道されないヨーロッパの日常がここには描かれる。
私たちは何かにつけて欧米のスタイルに憧れ、模倣しがちだ。カタチを真似ることは容易だが、それを習慣としてフィットさせるのは難しいことも多い。
欧米にはそうなるべき下地があり、必然的に体系が出来上がっている。それは日本にとっても同じことだ。
見習うべき点はお互いにあるはずである。一方的な片思いは時代遅れだ。
著者が何気なく気付かせてくれるように、私自身この国について知り得ることはまだまだ少ない。
何が良くて何が悪いかの価値判断を下すにはまだまだ未熟だと思い知らされる。