法月綸太郎の新冒険 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734875

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。「イントロダクション」「背信の交点」「世界の神秘を解く男」「身投げ女のブルース」「現場から生中継」「リターン・ザ・ギフト」の六作品を収録。イントロダクションは、イントロダクションで作品ではありませんが、これ単体で発表したらしいです。

     「イントロダクション」「背信の交点」「リターン・ザ・ギフト」は氏が図書館シリーズと銘打っている作品で、「冒険」で登場した沢田穂波嬢と綸太郎が登場する作品。「冒険」の文庫版かなんかにいろいろ書いてあるとおり、今回は穂波の態度が毅然となっていました。
     「背信の交点」は、トリックも驚くのもさることながら、ラストの展開もよかった。ただ、この作品で初陣をきることで、どうも綸太郎の推理が危なっかしいなあということに気づき、続く作品もその辺りが気になってしまった。「世界の神秘を解く男」もそうだけど、ラストにとても引っかかりを感じてしまいます。結局、その回答でよかったのか? と考えると、うーんとなりそうで。
     「身投げ女のブルース」は、パズル崩壊に登場するらしい葛城警部が主人公の作品。後書きで、氏のパズル崩壊という作品に登場すると聞き、ショックを受けた次第。こういうのがあるから、作者の年代順に読みたいんだけど、そこを飛ばしてしまって読んだので、後悔しているところ。内容としては、本当にすれすれという感じ。
     作品全体として、「本格」が出ていて面白かったのですが、どうも、解決がぎりぎりという印象ですっきりせず、どうも後味が悪かったかなあ、というところでした。

  • 法月綸太郎シリーズ短編集。
    「身投げ女のブルース」無理があるけど嫌いじゃないかな。

    それにしても、出版社違いで
    出てくるマドンナも違うというパラレルワールドぶりに
    かなり違和感を感じる…
    統合される日は来るのかな?

  • 『背信の交点』
    法月綸太郎と沢田穂波の乗った「あずさ68号」で死んだ品野道広。毒物での中毒死。妻である晶子の「あの女」の言葉。品野の浮気相手として語られた西島あずさ。「しなの23号」で発見されたあずさの死体。両方の列車が同時に到着する塩尻駅での心中と考えられたが・・・。発見された味の素が入った空き缶。晶子とあずさの関係。

    『世界の神秘を解く男』
    心霊検証番組の取材で訪れた園山家。娘のエリカの周囲に起きるという心霊現象。その心霊現象を捕えるためにやってきた丸山教授。前夜起きた園山家のサロンで起きた小火。密閉されたサロンの中でシャンデリアに押しつぶされて死んだ丸山教授。教授の助手・古賀。学会からもつまはじきにされていた丸山教授。。園山家の長男・公一の受験。

    『身投げ女のブルース』
    秘密の情報提供者に会いに行くために出かけた葛城警部が遭遇した自殺しようとする女。近くのマンションで殺害された占い師・小島霊峰。霊峰と争い殺害してしまったと勘違いし自殺を図ったと供述する事務員の鹿島伸子。死亡推定時刻は鹿島伸子の自殺未遂時間。何者かに殺害された小島霊峰。鹿島伸子の下着の色に隠された秘密。

    『現場から生中継』
    殺害された須賀こずえ。容疑者となった恋人・墨田成秀のアリバイ。犯行時刻に生中継されていた猟奇殺人事件の逮捕の映像に写っていた墨田の姿。「テロップの下を見ろ」電話を受けたという友人の中島の証言。

    『リターン・ザ・ギフト』
    ホステス武藤誉子を殺害しようとして逮捕された新宮和也。接点のない2人。武藤の弟・浩二から殺人を依頼されたと証言した新宮。逃亡した武藤の部屋から発見された3冊の図書館から借りられた本。交換殺人を題材にした本。殺害されていた新宮の妻。事件の証拠固めに穂波の勤める図書館にやってきた法月警視。穂波が目撃した容疑者の姿。

  • 「法月綸太郎の冒険」が好みにあっていたので、そこそこ期待をして読んでみる。「冒険」はかなり作品の軽重に差があってバラエティに富んだ短編集となっていたが、本作品はテイストが揃った本格ミステリの王道を行く様な作品集であると言える。それぞれに一筋縄では行かない捻りの展開が待っていて、途中から推理することを放棄しても(というか出来ない・笑)、結末でびっくりするという楽しみが味わえる。

  • 「冒険」よりもこっちの方が面白かった!

    背信の交点は、ストーリーも良かったと思うし
    身投げ女のブルースの視点も面白かった。

    次作も読みたいなー。

  • 法月さんシリーズの短編集。

  • これにて法月氏の小説作品はすべて読破しました!
    いつまでもこれからも法月氏には期待しています。いい作品を書き続けてください。僕は一ファンとして読み続けるでしょう。登場人物法月氏とお父さんの掛け合いが好きでした。ありがとうございました。

  • 《身投げ女のブルース》

    この短編小説は、法月綸太郎シリーズのひとつです。
    にもかかわらず、
    法月綸太郎本人は登場しません。
    そしてそのことが、
    読者が真相に近づくための、
    最大のヒントになっていようとは!

    ――またひとつ、傑作に出会いました。

  • 「イントロダクション」
    「背信の交点(シザーズ・クロッシング)」
    「世界の神秘を解く男」
    「身投げ女のブルース」
    「現場から生中継」
    「リターン・ザ・ギフト」

  • 学生時代、辛くて辛くて仕方なかった時に読んだ本。
    面白くてもうしこし頑張ろうと思えた。
    長編よりもやはり短編が楽しい。

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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