嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062736695

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  • 「ウソ」をフィーチャーした東野先生の短編集
    そして加賀刑事のシリーズである

    ・ウソをもう一つだけ
    犯罪にウソは付き物なのだが、ウソというのはうまくつく為には技術が必要
    ウソが上手なヒトは必要な部分だけウソをつく
    ウソをつくと話全体のバランスがおかしくなる事があり、そのウソのために次のウソをつき、そのウソがまた次のウソを必要としてしまうから
    今回の犯人はうまくウソをついたのだが、タイトルの通りにもう一つとついたウソが加賀刑事のヒントになってしまったという話

    ・冷たい灼熱
    パチンコ中に車の中に置き去りにした赤ちゃんが亡くなってしまうという事がたまに起きるがその事象が描かれている

    ・第二の希望
    体操の選手を目指していたが叶わずに普通の生活を送る女性
    結婚して娘が生まれるが、その娘が人並み以上の運動神経の良さを見せる
    親子二代で夢を叶えるために娘に体操をやらせる
    その過程で離婚になるが、それよりも娘の方が大事だった
    しかし、母は別の男性とつきあうようになる
    その男性が殺害されるが犯人はビックリ

    ・狂った計算
    未亡人となった女性
    夫に車で駅まで送ってもらったが、女性が車から降りたすぐ後に車に別の車が追突という交通事故で夫は死亡
    その女性は不倫していた
    加賀刑事は不倫相手の男性と一緒に夫を殺害したのではないかという読み
    不倫相手が夫のフリをして駅まで送ってきてある種のアリバイづくりをしたのではないかと
    ただ、そこで計算違いが起き、不倫相手が交通事故で死亡したのではないか
    ただ、事実は違っていた

    ・友の助言
    この話だけ殺人は発生しておらず、ウソをついたのも犯人ではないという異色話
    加賀の友人の話
    加賀と会う事になっていたがその途中で交通事故にあう
    奥さんに睡眠薬をもられて事故にあったという事をとうとうと友人に語る
    だが友人は認めない
    うすうす加賀刑事が言っている事が正しいとは感じつつ、プライドなのか認めたくない
    加賀は言うことは言い、後は友人に任せる形で病室を出ていく

  • 加賀恭一郎シリーズ。短編集。
    うーん、加賀恭一郎は長編で読みたいなと思いました。

  • 最初から犯人が分かった状態で読むのに謎解きまでワクワクして読めた。パチンコの駐車場に子供を置いて死なせてしまった人の話は残念だった。

  • 短編なのでさくっと読める。
    どの話も、犯人と被害者はすぐにわかるけど、結末はどれも悲しい結果。
    家族間のすれ違い、偽りの信頼。
    にしても、加賀刑事は、ほんとに心理作戦がうまいなと感じた。

  • 短編集になっても、加賀恭一郎の魅力は、失われない。
    むしろ、長編よりも、登場回数が多くなっているので嬉しい限り。
    どこを読んでも、登場している加賀恭一郎。
    まるで、金太郎飴のようだ。

  • 加賀恭一郎シリーズの短編集

    5つのストーリーの中で1番印象に
    残ってるのは冷たい灼熱。
    全体を通して女性というのは怖いなぁと思った。

  • 短編は読みやすくていい。少しそれぞれの作品の構成が似ているように感じる部分もあったが楽しめた。加賀恭一郎の冴え渡った推理がやはり堪らない。

  • 加賀恭一郎シリーズ6作目の短編集。
    どの話も加賀の剛毅木訥な姿・形、犯人の背景を見抜き思いやる暖かさが映されていてファンにはたまらない作品でした。
    全体として、軽快に読み進められることに加え、上述した加賀の人となりがわかるので、加賀恭一郎シリーズが気になる人に一番最初に読んでいただきたいです。

  • とても読みやすい。
    短編小説になっているが、登場する刑事だけは変わらず
    その刑事が色々な事件を解決していく。
    やっぱり。東野圭吾さんの書く小説は面白い。

  • 加賀恭一郎のショートショート5作。全く関係なさそうな人がジョジョに攻められて落ちる様が5者5様に描かれ、開始すぐに引き込まれました。お気に入りは冷たい灼熱。場所の固有名詞を出さないところが逆に引き立ったなと。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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