国境 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (848ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738606

感想・レビュー・書評

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  • 暴力団から金を巻き上げるという大それたことをしでかした詐欺師を追って、桑原と二宮が北朝鮮まで追い詰める!
    疫病神シリーズ第二弾。

    北朝鮮という一種異界のような場所での詐欺師探しは、壮大で迫力満点の冒険譚です。
    地獄絵図のような現状を目の当たりにし常人なら心が折れるところですが、どこにいても桑原はイケイケなのが楽しくもあり救いでもあります。
    この二人の軽妙なやりとりがないと、かなり重たい小説です。
    そして極道の道で一人で生きようとする桑原の、何も信じてはいないという思いが、北朝鮮だけでなく日本の脆さと汚さも表しているようでした。

    北朝鮮で必死の思いをし、更に日本に戻ってからも追ったり逃げたりの血みどろ抗争。
    欲にまみれた悪人達の卑怯さとずる賢さに嫌悪しながらも、息吐く暇もない戦いにページを繰る手が止まりませんでした。

    800ページ超えの長さをものともしない、一気読み。絶対におもしろい!

  • 疫病神の続編。
    建設コンサルタント二宮とヤクザ桑原の関西弁コンビが、
    北朝鮮に詐欺師を追っかけて潜入。

    笑い有り。アクション(暴力)。ミステリィー有り。
    この国自体が一番のミステリーだしね。。
    そんな訳で、疫病神読んで気に入った人には、是非おススメ!

    特に、国の情景描写は細かくリアリィテー有ります。
    描き方は、垣根涼介の作品に通じる物が有る気がします。

  • 「疫病神」の続編。物語の舞台前半は北朝鮮、後半は関西。前作より暴力と酷使される肉体の描写が倍加されている。
    物語は加速度的に展開されるが、終始関西弁で会話するキャラクターが緩和を生む。桂枝雀の「緊張と緩和」の理論を小説に上手く活かすと、このような作品に仕上がるという絶好の好例なのかもしれない。
    「でんがな、まんがな」の関西弁ではなく、田辺聖子の男版のような、小気味よい関西弁が小説では使用されている。
    黒川作品は裏社会を描いてはいるが、人の道をも描いている。筋を通して生きるダンディズムが常に貫かれていることに惹かれる。

  • 疫病神シリーズの最高傑作かな
    とにかく面白い!!

  • ひたすら、面白い。いや、扱ってるテーマは軽いものじゃないんだけれど、ページをめくる手が止まらない。桑原と二宮のやりとりも相変わらず笑えるし、最後には思いがけずほろり。

  • 疫病神シリーズ2作目。

  • 疫病神シリーズの二作目だったと思いますが、北の某国を舞台にしているこの作品が一番ハラハラさせられました。
    凸凹コンビ(ヤクザ?)の珍道中。

  • 「疫病神シリーズ」2作目。直木賞候補作

    複数のやくざがベテラン詐欺師に引っ掛かり、二宮と桑原のコンビは詐欺師の一人を追って2度も北朝鮮へ行くことに。

    詐欺師とやくざ、政治家の複雑に絡みながら進んでいくストーリーも面白かったが、それ以上に北朝鮮の生活や管理体制の描写は素晴らしいと思わされた。
    800ページ以上あり読みごたえも十分。

  • 本当に北朝鮮はなんとかならないんだろうか

  • やっぱりこの2人は面白い!意外と感動!

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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