熊の敷石 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739580

感想・レビュー・書評

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  • 題名は中身を読まないかぎり意味不明。久々に渡仏した日本人である「私」が留学時代の友人に再会を果たし旧交を温める話。モン・サン・ミシェルは美しく、生ハムを挟んだ皮の固いカンパーニュや思いつきで焼いた人参のパイはいかにも美味しそう。「ノルマンディ記——モン・サン・ミシェルとユグノー、そしてユダヤ人街の葡萄の葉のファルシ——」というエッセイ、の風情。

  • 友情に乾杯!

  • 芥川賞受賞作。
    自分にはフィットしなかった。評論家などに評価されているその特長的な文体が単純に好きか嫌いか、によると思う。
    3作の短編だが、表題作ともう1作がフランスを舞台にしている。
    「ザッツ芥川賞」的な作品だった。

  • 他の堀江氏の作品のほうが個人的には好きです。ですがこの文庫はとても魅力的だと思います。短編集なのに全体として非常に面白いからです。全部の話がまったく別の場所でつながっているはずもないのに、読んでいて、これさっきのあのシーンに……と思わせる描写がしつこくなく、ほどよく読み進めてきたときに出会えることに癒されます。これらを寄稿順にするとマギャクになるのですが、それにも意味があるように思えてなりません。むしろ寄稿順ではこのように思い出すことのすばらしさには出会えないと思います。短編集を並べるときは作者や編集社の意図があるとも聞きますが、この文庫本にはそれを感じずにはいられない作品集です。

  • 三編の短篇が一冊にまとまった本だけど、その三編が同一人物による繋がった話としても、モチーフは共通ながらも別の話としても読める、幅のある一冊でした。
    しかし、読みやすさの中にひゅっとよく切れるナイフのような鋭い文章もあって、心の底をゆさぶられる。
    堀江敏幸、やっぱりおそるべし。

    作家 川上弘美の解説も秀逸でした。
    …川上さんの作品読んでみようかなと思っちゃったもんね。
    + + +
    文章のレイアウトが特殊で最初は読みにくいけれども、冒頭の熊の背中のユメの内容にびっくりしてぐいぐい読まされ中。
    いまは全然レイアウトも気にせず読めちゃってます。
    …しかし堀江敏幸ってユニークな作家だなぁ。
    2009.10.05.

  • わかりませんでした。


    ○| ̄|_

    文学作品は、本当に理解するのが難しいです。

    文章は読みやすかったです。
    無駄に長くないのも魅力的でした。
    文学作品に心を打たれるタイプの人間になりたいです。

  • 主人公がかっこよくなさそうなのが印象的。

  • これで、芥川賞ですね。

    そういう意味で、キャチーなのでしょうか。
    初めて、次から次へと出てくる引用、
    小説やら思想家やらが、
    全部知っている人で、
    そういう頭の悪い安堵感を覚える。

    とはいえ、
    昨日から、温かいものを食べると、
    歯が痛くなりました。

  • この短編集の作者は「皮肉なこと」の中に潜む「小さな充足」を、そしてまたそれに連なる新たなる「皮肉」を見事に繋いでみせる。
    品のある文章が心地よい。
    初めて村上春樹の作品を読んだときと同じような気持ちの高揚を覚える。
    「もっと読んでいたい」素直にそう思うのだ。

  •  何冊も読んだ後に気づいたのだけど、この人の小説ってそんなに面白くない。
     毎回「ふぅん」と思いながら読んでいる。しかしまた古本で名前を探している。
     例えるなら鉢一杯になみなみ水が入っていて、んふんふと飲み始めて、そんなに喉が渇いてないからちょっとでいいだろうと思っていたら飲み干してしまったみたいな。
     でも別に満足でもなんでもないみたいだ。
     冷たい水の方がよかったなと思いながらお腹がたぷたぷしています。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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