ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062748681

感想・レビュー・書評

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  • 再読。直子の言動や手紙の内容がずしりと胸に入り込んでくる。結末を分かっているからこそ直子の言葉に敏感になる。死の匂いがする中で、ワタナベトオルはどうするのか再読して、また私自身の新たな感情を芽生えさせたい

  • 「 死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」
    過去に失ったものをひきずって生きる人が沢山でてきて、多くの人か自殺し、暗いといえばこのうえなく暗いのだが、生きることに背中をおしてくれる人物も何人か存在感大きく登場するため、絶望的ではなく、生きていこうという意思が根底にある話。

  • 一見、普通の大学生の恋愛話という身近なテーマの様ですが、ヒロイン直子のガラスの様に繊細で触れると壊れそうな危うさや精神性と心の病について丁寧に描かれています。
    主人公のワタナベ君は、どこにでもいそうな等身大の19歳の青年なのですが、彼を取り巻く人間模様や大学生活に、読んでいて何故か夏目漱石の『三四郎』の世界を彷彿とさせられました。
    作品の中では、直子の描写が特に秀逸で、主人公が思いを募らせた後に半年ぶりに再会した際の女性として美しく成長した姿等、作者は物語に登場させた『直子』に本当に恋心を抱いていたんだなと感じさせる様な丁寧な描写でした。
    また、作中に登場するビートルズの曲『ノルウェイの森』(原題 Norwegian wood)や、アメリカの作家スコット フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』(The Great Gatsby)など、村上流のハイセンスな引用が物語の良いスパイスになっていると思います。
    『グレート・ギャツビー』は洋画『華麗なるギャツビー』の原作と言った方が分かりやすいでしょうか?
    村上春樹翻訳のグレート・ギャツビー、一度読んでみたくなりました f^_^;

  • 恋愛というのは、単純にいかないものですね。
    過去の好きだった人にこだわりすぎてはいけないのです。
    いい思い出として心にしまって、新しい恋愛をしなければ苦しく
    なってしまいますね。

    ビートルズの「ノルウェーの森」の曲も本を読みながら聴くとおすすめです。あと、ビル・エバンスの「walts for debby」も。

  • 村上春樹の心憎いところは、文章が上手すぎることだと思う。誰もが共感できるような、しかもここに共感できるのは私だけと思うようなところをちょくちょく埋め込んでくる。時々その思惑が透けてみえて嫌になるくらい。でも読めば読むほど、物語の人物を知れば知る程、自分が薄まっていく。自分中心の世の中からちょっと引いて見えるようになる気がする。第一章が一番好き。

  • 奥さんが貸してくれた本。
    これまで全く食指を動かされなかった村上春樹。
    ちっとも読んだことないのに言うのはよくないけど相性いい気がしない予感をもっていたのですが的中です。
    これだけ世界中で賞賛されているのだから何かしらいいところはあるのでしょう。そのいいところを私の感性が受け付けないだけで。
    女の人がみんな不自然すぎてどうにもこうにも。それともあの時代の女の人はみんなあんなエキセントリックな様子が常識だったわけですか?
    風景の描写は美しいな、と思えました。が、それはそれだけだなあ…というのが正直なところ。

  • 「死」と「性」について村上春樹が書いた作品です。エンタメではないので人は選んでしまうのかもしれませんが、個人的には初読から数年たった今でも絶対に忘れられない1作ですね。心に突き刺さるような感じです、面白くないページなど1ページもありませんでした…

  • 初めての村上春樹作品を読んだ。
    詩的な表現で情景が思い浮かぶ、静かな雰囲気の文章は読んでいて心地よかった。
    不幸な登場人物たちが下巻でどうなるのか楽しみである。

  • 深刻になることは、必ずしも真実に近づくことと同義ではない。

  • これほど心が揺さぶられる小説はなかなか見つからないでしょう。

    高校の親友キズキを失ったワタナベと、彼氏のキズキを失った直子。大学生になって、偶然の出会いをした2人は互いに欠かせない存在になっていった。生きていながら死の世界が拡大する直子を生の世界に繋ぎ止めようとするワタナベ。しかし、ワタナベは生の世界でもがき続ける大学生緑とも親密になってしまう。

    誰もが、何もかもが透き通っていて、飾らない素直な物語。皆それぞれ思想はあるけれど、強く誰かに押し付けようとしない。何が正しくて間違っているかなんてどうでもいい。世界はそんな二元論じゃ説明できない。因果関係やアルゴリズムで説明できないことなんてごまんとある。

    リアリズム小説じゃないようで、究極のリアリズム小説。大切なのは、「物事を深刻に考えすぎないようにすること」。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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