照柿(上) (講談社文庫)

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感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062752459

感想・レビュー・書評

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  • 早く読みたい、順番が来ない。

  • 現在版罪と罰ということであったが、原書を読んでいないのでなんとも言えない。
    人間の深層心理を深く描写しようという試みは非常に興味深い。

  • マークスの山に出てきた合田と同一人物とは思えない迷走っぷりに驚いた。大阪のうだるような暑さ、工場のむせ返るような熱さに中てられる。

  • ひっさびさの高村薫さま。
    「リヴィエラを撃て」と「神の火」がすごく好きでした。
    このシリーズ初めてなんだけどいきなり第二弾から入ってしまった・・。
    相変わらず活字びっしりのうだうだ長い話だけど、心理描写がものすごいので、飽きずに読めます。
    高村薫さまじゃなかったら工場労働者のとある一日、みたいなこの前半100ページくらいのこれ、ここですでに投げ出している気がしますね。
    これを読ませる時点でこの人はすごいね。
    まぁ読むのはすっごい時間かかりますけど。
    下巻も気長にいきますよ。

  • 十年以上前だと思うが著者の作品は「リヴィエラを撃て」「マークスの山」「黄金を抱いて飛べ」など数作は読んだ。

    ただ、小生には敷居が高いという印象でしばらく遠ざかっていた。

    久しぶりに読んでみて、やはり敷居が高かった。

    ミステリーの書き方の本を読んだ事があるのだが、その中で印象深かったのが

    1.書き出しから面白く読めるようにする。たとえば冒頭に「死体を転がせ」とよく言うらしい。
    2.スピーディーさを出すために「主人公を走らせろ」だそうだ。

    この二点に限っていえば、本作で意識して書いてはいないだろうなと思う。

    きっと、ミステリーというより小生には苦手な純文学的要素が強いのだろう。

  • じりじりとした暑さを感じる。
    うーん殺人というより人間ドラマ?

  • うーん。

    雄一郎があれほど美保子に心奪われる理由がわからない。
    そのために達夫を追い詰めようとするのも、腑に落ちない。

    ちょっと期待しすぎたかな。

    全体的に暗いのはいいのだけれど、とにかく清潔感がなくて、ドロドロとしている。
    『マークスの山』や『李歐』では、突出した人物(マークスであり李歐)が、ある種の狂い(人を無邪気に殺傷するという、狂気)を内包しつつも、それは透明であり、純粋であった。それが魅力だっただけに、本作『照柿』にはそういった登場人物がいなくて、誰もが妙に現実的で読むのがしんどい。

    いつ下巻を読み終えられるか、いまのところ不明。

  • とうとう文庫になった「照柿」上下巻。高村薫は、単行本から文庫への大幅改訂や加筆で知られているけど、これも例外じゃなかった……。なんだよ、初めて小説を書くということを意識して書いた作品なんじゃないのかよ……それでもこれほどの改訂かい……。


    ストーリーの流れは変わっていない。だが、登場人物たちの内面や感情、セリフなどは、バッサリ変わっているところが多い。たしかにこれで作品としては締まったかもしれないけど、なんというか……余分な面白みがなくなった感じがする。


    主人公の合田は、この作品では34歳なのだが、うーむ、34歳ってこんなに練れているというか、達観してるだろうか? 刑事という職業柄だとこんなもんかしら。


    でも、読み応えがあるのは確かで、達雄と合田の心理的な攻防、合田の焦りと投げやり感、熱処理工場の様子などに夏の暑さが重なって、苦しいんだけど読み進めてしまう。


    読み進めてしまうから、結局、なんだかんだいって高村薫の作品は読まずにはいられないってことかしらね。ああ…。

  • 久々の文庫ですね~ って言うか文庫化に12年ですか… この方はいつも文庫化となると大分改稿なさるのでついついハードカバーと文庫両方読みたくなるんですよね…
    私が高村薫さんの作品を読み出したのはほんの…4~5年前なのであまり待たされた感はないのですがそれでも本屋で目にしてすぐ購入してしまいました。

    照柿は合田刑事の第二弾目らしいです。初めて読んだのは図書館で借りたハードカバーだったのですがうだるような暑さ、溶鉱炉の熱、炎の色、その場で働く人間の汗。その背景すべてがまるで目の前にあるかのような、熱そのもの、手を伸ばせるような状況描写にただひたすら感嘆した覚えがあります。
    ヒロイン(だよね?)の美保子の昏い穴のような瞳と白いふくらはぎなど。まるでそのワンシーンを見せれれているような、強制的に小説の主人公の視点で視野で物事を見させられているような、忘れられないシーンが多々ある小説です。
    あらすじとか話の筋とかではなくその場その場の状況描写や心理描写があまりに見事でついそちらのほうに心が残ってしまうというか。

    好き嫌いは分かれるかもしれませんが私はとても惹かれます。文庫版のほうがより簡潔になったというかより一層ハードな核に近づいた感じがします。

    とりあえず読んでみて損はない小説だと思います。

  • 読み終わった直後から数分間放心状態。やっぱり高村作品は濃いわ。上巻。

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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