- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062752459
感想・レビュー・書評
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早く読みたい、順番が来ない。
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現在版罪と罰ということであったが、原書を読んでいないのでなんとも言えない。
人間の深層心理を深く描写しようという試みは非常に興味深い。 -
じりじりとした暑さを感じる。
うーん殺人というより人間ドラマ? -
とうとう文庫になった「照柿」上下巻。高村薫は、単行本から文庫への大幅改訂や加筆で知られているけど、これも例外じゃなかった……。なんだよ、初めて小説を書くということを意識して書いた作品なんじゃないのかよ……それでもこれほどの改訂かい……。
ストーリーの流れは変わっていない。だが、登場人物たちの内面や感情、セリフなどは、バッサリ変わっているところが多い。たしかにこれで作品としては締まったかもしれないけど、なんというか……余分な面白みがなくなった感じがする。
主人公の合田は、この作品では34歳なのだが、うーむ、34歳ってこんなに練れているというか、達観してるだろうか? 刑事という職業柄だとこんなもんかしら。
でも、読み応えがあるのは確かで、達雄と合田の心理的な攻防、合田の焦りと投げやり感、熱処理工場の様子などに夏の暑さが重なって、苦しいんだけど読み進めてしまう。
読み進めてしまうから、結局、なんだかんだいって高村薫の作品は読まずにはいられないってことかしらね。ああ…。 -
久々の文庫ですね~ って言うか文庫化に12年ですか… この方はいつも文庫化となると大分改稿なさるのでついついハードカバーと文庫両方読みたくなるんですよね…
私が高村薫さんの作品を読み出したのはほんの…4~5年前なのであまり待たされた感はないのですがそれでも本屋で目にしてすぐ購入してしまいました。
照柿は合田刑事の第二弾目らしいです。初めて読んだのは図書館で借りたハードカバーだったのですがうだるような暑さ、溶鉱炉の熱、炎の色、その場で働く人間の汗。その背景すべてがまるで目の前にあるかのような、熱そのもの、手を伸ばせるような状況描写にただひたすら感嘆した覚えがあります。
ヒロイン(だよね?)の美保子の昏い穴のような瞳と白いふくらはぎなど。まるでそのワンシーンを見せれれているような、強制的に小説の主人公の視点で視野で物事を見させられているような、忘れられないシーンが多々ある小説です。
あらすじとか話の筋とかではなくその場その場の状況描写や心理描写があまりに見事でついそちらのほうに心が残ってしまうというか。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが私はとても惹かれます。文庫版のほうがより簡潔になったというかより一層ハードな核に近づいた感じがします。
とりあえず読んでみて損はない小説だと思います。 -
読み終わった直後から数分間放心状態。やっぱり高村作品は濃いわ。上巻。