生まれる森 (講談社文庫)

著者 : 島本理生

• 講談社 (2007年5月15日発売)

感想・レビュー・書評

[おびのりさんの感想 · 2023年9月1日]

2004年　金原ひとみさん綿谷りささん達と同学年で、彼女らと同時芥川賞候補作。ひとり選にもれた作品。

大人の男性に恋をして、失恋した女子高生。傷は、思いの外深く、なかなかその想いから解放されない。
高校の同級生だった友人とその兄弟達との触れ合いから、少しずつ過去を整理していく。
少女の狭い世界から抜け出し、生まれ変わろうとする森を高校生で描いている。早熟のと形容されがちだけど、本当だから仕方ない。一般高校生は、まだ、夏休みの読書感想文書いてるもの。

[おひなさんの感想 · 2023年5月20日]

年上男性との報われない恋。そして男性側がずるい。

サイトウさんと野田ちゃんの関係を発展させたら
“ナラタージュ”のようになるのでは？と思いました。

似た雰囲気を感じました。

“子どものときに大人の恋をするとその後も無垢な心には戻れない”

この言葉がすごく刺さりました。

私自身、今まさに深い森を彷徨っているところだと思います、会わないという選択肢しかなくて絶望的です。

でもこの作品にように、必ず先に進めると信じていきたいです。
生きている限り止まることはできないですし、、

この森を抜けるころ、
自分がどんな風になっているか少し楽しみにしながら過ごしてみようかなと思います。

[solala06さんの感想 · 2020年12月26日]

また島本理生作品のヒロイン、ジメジメした恋愛してる…

[そさんの感想 · 2020年6月25日]

名前に雪がつく男の人はなんだか色気があってずるいな。

再生の物語。

[きむさんの感想 · 2020年5月4日]

サイトウさんの魅力もまったくわからないし、
島本さんの作品に出てくる人はセックスを当たり前にする年齢が若すぎるのでなかなか共感できない。
でもやっぱり文章の表現の仕方が好き

[豆苗さんの感想 · 2020年3月29日]

「生まれて初めて泣くことはなんの役にも立たないと心の底から感じた。」

どうしてもなぜサイトウさんとわたしの関係がだめだったかが納得できない　納得できないけどきっとはじめから無理だったんだろうなという曖昧な着陸

[aya3104さんの感想 · 2019年4月21日]

まだまだ自分のなかで消化しきれていないのだとは思うが、主人公にあまり共感できなかったし、ただただ目の前を流れていくという感じのお話だった。

思いを引きずっている女性の繊細な気持ちが優しく、そして生々しく描かれていて、なんとなく雨の日が似合う小説。

若い頃の苦い思いと、それを持ったまま大人になろうとしている狭間で揺れ動いている感じが、よく伝わってきた。

[ユカさんの感想 · 2018年12月8日]

再読のはず。全然内容を覚えてなかったけど。

[hopehilleastさんの感想 · 2016年12月13日]

大学での初めての夏休みを描いた本作、高校卒業間際にしでかしたことで気持ちの整理がつかぬまま、日常を続ける主人公。
どこか危うげな彼女を読者は見守るしかないが、読者の年齢、性別によって見守り方が大きく違ってくると思う。
キクちゃんの立場だったり、キクちゃんのお兄さんだったり、お父さんだったり、もしかするとサイトウさんだったり。
感情移入はそれほど深くはなかったが、寄り添って見守る・・・そんな感じであった。

[ほしさんの感想 · 2016年11月23日]

図書館／島本理生2冊め。失恋で傷付いた「わたし」が、まわりの友だちやその兄弟に癒され次第に再生していくストーリー。
側から見たら何も変わらないけど、心の中ではこの本のカバーみたいに小さい波がたくさん立ってる。いつ止むかわからない雨みたいな気持ちを、穏やかにしてくれるかんじが心地よかった。

著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」