暗黒館の殺人(一) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (616ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062758550

作品紹介・あらすじ

蒼白い霧に峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴…。著者畢生の巨編、ここに開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 九州熊本郡部の山深い森の中。
    影見湖に建つ「暗黒館」
    平面図は、四棟分。
    東館・南館・北館・ダリア館と呼ばれる西館。
    そして十角塔と惑いの檻。
    島に渡る浮橋は壊れ、舟は流され、島そのものがクローズド。
    そこに住まう一族の妖しさ。
    子供達が病う先天的病症。
    一部記憶がない男。
    すべての記憶がない青年、仮の名中也。
    名前の記憶のみの青年、江南。
    過去の館シリーズをふまえつつ、横溝正史的な雰囲気を醸し出し、緋の祭典とよばれる、謎の多いダリアの日を迎える。

    さて、2巻へ。

    • 土瓶さん
      これは、ひたすら長かったおぼえがあるな。
      文庫で4冊だったか。
      これは、ひたすら長かったおぼえがあるな。
      文庫で4冊だったか。
      2024/02/18
    • おびのりさん
      これね、2巻くらいまでは、良いのよ。
      丁寧に書かれてるのがわかるし。
      なんだけどね、ネタバレになるからやめとく。
      これね、2巻くらいまでは、良いのよ。
      丁寧に書かれてるのがわかるし。
      なんだけどね、ネタバレになるからやめとく。
      2024/02/18
  • 館シリーズ第7作品目。
    原稿用紙およそ2600枚という本作品についに挑みます。

    玄児に広い広い暗黒館を案内してもらいながら、私も中也になった気持ちで楽しむことができました。
    暗黒館にはたくさんの人が住んでいますが、1巻を読み終えたところで、だいぶ人間関係が頭に入ってきました。
    約600ページと分厚い1巻ですが、面白いのであっという間に読めました。
    2巻に続きます!

  • 1巻は中也を視点に暗黒館の内部や人物の説明が主。
    謎の地震や怪しい一族の言動、そして江南の今後がどうなってゆくのだろうか。
    あまりの本の分厚さにここ一番時間がかかり、次巻もあるのか...と少し怯んだけど、最後のダリアの宴部分の気味悪さは恐ろしくて続きが気になる!

  • 『館』シリーズ第7弾。
    ついに4巻からなる『暗黒館の殺人』に。

    湖上の小島にある『暗黒館』。その当主の息子・浦登玄児に招かれた『中也』は、その不思議な一族。
    美しいジャム双生児の姉妹、早老症の9歳の少年…

    そして、奇妙な宴『ダリアの宴』に参加することに…

    そして、江南も中村青司が設計したという『暗黒館』に向かうが、『暗黒館』の『十角塔』から転落し、一時的に記憶を失う…

    これまでの『館』シリーズに登場してきた、藤沼一成の絵画や、古峨時計店。
    繋がっていくのだろうか…

    江南はどうなるのか…
    ひとり、『暗黒館』に向かった中学生・市郎は…
    『中也』は何者なのか…
    鹿谷はいつでてくるのか…

    しかし長い…
    まだあと3巻も…
    最後までたどり着けるのか…

  • いよいよこの超絶ロング館に手を出した。
    山奥の湖の島にある、外装も内装も全て黒の館、暗黒館。
    そんなおどろおどろしい館に足を踏み入れた”私”は、館の中でも奇妙な住民たちとあれこれやりとりしていくが…
    事件が起こらないので、とても長く感じる部分もあったが、ダリアの宴が恐ろしく禍々しく薄ら寒くて、これはこのあと一体何が起こるんだ?!と先が気になって仕方ない。
    四つの館の見取り図も見慣れてきたので、次巻以降の展開が楽しみです。

  • 館シリーズの中でも、最長の長さを誇る『暗黒館の殺人』の1冊目。
    状況説明や人間関係・この後に起きるであろう展開の伏線らしきものが並べられ、世界観も嫌と言うほどにまで味あわされる。全員が何かに固執し、とらわれている様子や裏に潜む狂気が十二分に展開されており,読んでいるこっちも引き込まれていく感覚に陥る。これから何が起きるのか楽しみである(第2巻へ)。

  • 再読です。
    「暗黒館の殺人」は、私が1番好きな小説です。
    「館シリーズ」を、順に再読しようと思っていたのですが、待ちきれず飛ばして読んでしまいました。
    ですが、初めて読む方はきちんと順序通り読む事をお勧めします。
    暗黒館は新しい方なので、過去の作品中の出来事や人物などが話に出てきます。
    登場人物の人物像なども知っておいた方が楽しさが倍増すると思います。

    ①十角館の殺人
    ②水車館の殺人
    ③迷路館の殺人
    ④人形館の殺人
    ⑤時計館の殺人 上下巻
    ⑥黒猫館の殺人
    ⑦暗黒館の殺人 1.2.3巻
    ⑧びっくり館の殺人
    ⑨奇面館の殺人 上下巻

    中也が訪れた玄児の生まれ育った暗黒館。
    一風変わった建築家、中村某が携わったと言われている。
    そこでの暗く異様な雰囲気と、周りを取り囲む奇妙な人物達。宗教的な要素が含まれるお話です。
    もちろん、シリーズに欠かせぬ彼も登場します。
    2回目なので、結末を知っている上でじっくり読み返してみると、なるほどと思える所や伏線がたくさん。
    面白くて本の厚さを忘れてしまいます。
    まだまだ、物語が始まったばかりです。

  • 総原稿頁2500枚!
    人生で一晩長い小説
    これまで館シリーズを読んできた人へのご褒美
    かつ試練に感じる
    まず登場人物の多さに尻込み
    綾辻先生曰くミステリーは雰囲気とのこと


  • 4部作の第1章。先は長い。だが、読む。

  • ついにここまで来た!「館」シリーズ7作目!
    蒼白い霧の峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登(うらど)家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴……。

    まだ第一巻で何も起きていない、半分にも至っていないけれど、既に面白い…!不穏に次ぐ不穏な展開、「ダリアの宴」(「ダリアの宴」で飲み食いしているものってもしかして〇〇だったり…??)、水車館ぶりの登場「藤沼一成」の幻想画。江南が十角塔から転落したことにより、暗黒館内部の情報や人物は全て「私」こと中也の一視点で見ていくことになる。中也さんはもうすでに記憶を取り戻しているけど、その名前は明らかになっていない…。読者は「私」に感情移入していくことになるけど、その「私」も謎多き人物で…。江南も中也さんも浦登玄児も、その他暗黒館に住まう住民全て、過去の記憶が曖昧になっていたり、過去に囚われてしまっていたり、今(作中世界)の時間軸に生きていない人な気がする…。第7作目の暗黒館では、「過去の記憶」がキーワードになってくるのかしら?

  • 9月24日はダリアの日――。
    と、綾辻先生がツイートされていたのを見て、ようやっとこの茫漠たる館に挑むことに決めました。

    〈宴〉は降霊術のようなものなのかな……と思いつつ、なにかの「肉」を食してしまった中也君はこれから一体どうなるのか。そして記憶を失ったままの江南は。というか何故時計館であんな目に遭ったのにまた来てしまうのか。
    二巻に続きます。

  • まだまだここから感がすごい
    すべて伏線に思える、読み進めるしかない

  • 久々の館。じわじわ不気味さが漂っていて、この館も好きです。今回の館があるのは熊本。
    闇に沈む巨大な館に、異形の住人たち。そして中原中也…好みの世界。
    初っ端から、江南くん大丈夫!?という展開でドキドキです。島田さん(といまだに呼んでしまう…)来ないし。
    ちょこちょこ、これまでの要素が出てくるのも良いです。十角形の塔に、藤沼一成の絵画。
    まだまだ事件は始まったばかりのようなので、続きも楽しみです。

  • 館シリーズ7作目。
    600ページ、正直長かった・・しかも今回は4部作。
    推理小説だけど、まだ主人公といえる鹿戸はまだ、さらにいくつか事件は起きているが・・・。
    江南の事故、地震、館の変わった住人、中也と江南の視点での話の展開、ダリアの日、謎だらけでどこがどう絡んでいくのか(すべて絡むんだろうけど)、今時点では全くわからない。モヤモヤ感しか残らない。
    259冊目読了。

  • 館シリーズ7作目!ついにここまで来たという感じです。
    シリーズの中で最も長く、登場人物も多くなかなか整理しながら読み進めるのが大変です…。
    前作共通して不気味な雰囲気はあるのですが、今作は登場人物が異形であるというのがよりゾッとします。一巻最後の方のダリアの日の儀式は読んでいてずっと不快でした。一体何を飲まされて何を食べているのか…。

  • 約600ページ読み終わったけど、解説いわくやっと始まりらしい。
    今までのように館の孤立状態はつくられたけれど、伏線の大量発生で謎だらけの状態。今後どうなるのだろう!?

  • ついに暗黒館にたどり着いた。ずっと足踏みしていた。
    建物の説明など、イメージしながら読んでいく。こういった説明が続くと本来は読み飛ばしたくなるところだが、時間がかけて読み続けた。
    解説にもあるように、まずはこの館の中を散策する気持ちで読み進めた。作り上げられた世界観がすごい。途中で何度も「これなに?どういうこと?」と思いながら読み進めた。

    早く先が読みたくなって、何度も2.3.4巻に手を伸ばす。その度に、もっと深く味わいたくて本を開くのを諦めて1巻に戻ってくる。

    いざ読んでみると、これだけの登場人物や館の設定に入り込むにはむしろ簡潔にまとめられていたのでは?と思い知らされる。

    今まで読んでいた館シリーズは確かに面白かったけれども、ここまで物語に入り込めたか?と言われると本作が1番だとも思えてきた。

    正直あと3冊も何を書くことがあるの?と思いながらこの先が楽しみでしょうがない。

  • 十角館の殺人を読んで
    面白かったので長編に挑戦
    館の外観や内装 インテリアも
    とても細かく書かれていて
    洋館のルームツアーをしている様で
    楽しく感じた
    4巻あるのでまだ事件らしい事件は
    おきずに読了 2巻へ続く

  • 館シリーズ7作目。湖上の島に建つ漆黒の館・暗黒館の噂を聞いた江南は調査へと向かう。一方、そこに住む浦登家に招かれた大学生・中也。座敷牢、異形の双子、奇怪な宴に遭遇し、現実と幻想の境界が闇の中へと薄れていく。

    今作は4分冊という大ボリューム。一冊目でも600ページあるが、ここまでがプロローグと言っても良さそうな雰囲気。江南、中也など視点が入れ替わりながら、広大な暗黒館を探索し浦登一族の闇に触れていく。とにかく大きい!バイオハザードの舞台になりそう。しかも読んでいくとなんか的外れでもなさそうな予感すらある。その狂気の真相は仄めかされているだけだけど、江戸川乱歩を招待したら喜びそうな館だなと。

    事件はまだこれからという展開ながら、謎や伏線のオンパレードで飽きさせない。メモを取りつつ読み進めたら、ノートが4ページに渡りびっしり埋まってた(笑) まだ推測に過ぎないけど、一冊目だけでも物語のある仕掛けには気づけるようにはなってそう。それを踏まえて、第一部と第二部の関係性を考えてみるとなかなか面白い。でも、それが解けても新しい謎が増えて底はまったく見通せない。

    あと、中村青司へと特にフォーカスされて描かれている作品でもある。これまでのシリーズを読んでいると、この名前に見覚えがある!という同窓会的な感覚に。そんな感じなので、この作品から読んでやろうというのはお勧めしない(笑) 4冊は厳しいかなと思いきや、この時点でものめり込んで読んでしまった。次からが事件本番っぽいので楽しみ。

  • 館シリーズ第七弾。その一。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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