ガール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062762434

感想・レビュー・書評

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  • 男の人にイライラしたし、女の生きづらさがすごい
    男の人がこれを書いたのがすごい
    ファッションセンスがある

    私もバリキャリだったらこうなっていたのか、こういう思いをしていたのかなぁ

  • 男が書いた物語とは思えない。
    主人公は女性ばかりだけど、サラリーマンなら誰でも面白く読めるはず。

  • 軽快な文体で読みやすかった。主人公たちの年齢にはまだ及ばないけれど、数年前に読んだ時よりもずっと、自分の話を読んでいるようだった。女としての私、いち会社員としてのわたし。バランスが取れなくなったり、人と比べたり。会社にいると、みんな平気な顔して働いてる。感情や心のうちはあけっぴろげにしないし、平然と淡々と穏やかに働いている。でも思ってるよね、いろいろ。それが大人の世界で、尊くて、人間らしくて、いじらしい。だから会社って好きなんだ。
    ーみんなで笑った。会社は楽しくていい。若者がいるし、おじさんもいる。そして自分たちのように微妙な年齢の女たちも。ー
    数年後のわたしは、この本をどんな気持ちで読んでいるのかな。

  • 昔に読んでめっちゃはまった大好きな本

    映画版も好き〜

  • 「ガール」の主人公は自分と同い年だけあって、現実を突きつけられたようだった。
    働いていると、様々な年代や立場の人と接しなければならない。
    それぞれ葛藤して最後はすっきりした気持ちになれるのがよかった。

  • 図書館で借りて。数年前に会社の先輩にお薦めされた記憶があり。女子あるある小説で楽しんで読めた。お光はイタイ人のようで素敵だなぁと思えるし、「ひと回り」も実際経験したことはないけど、気持ち分かるなーと恥ずかしくなりつつ感情移入して読了。ワーキングマザーが今の私には気になる。そこまで私は仕事優先させないな。

  • 初めて読んだ、奥田さんの本です。

    登場人物は男性からしてみれば、ちょっとイタい女性たちかもしれません笑
    現実や慣習から少し目をそらして、気難しくて。

    悔しいことに?、わたしはそのどれもに共感してしまいました笑

    けれども、どの話も女性に花をもたせつつ、男性視点だなという終わりかたです。
    だからこそ、元気になるというか、スカッとします。

    年齢を重ねたらまた違った読み方になるんだろうなと思います。

  • 働く女性を主人公にした短編集です。

    「ヒロくん」は管理職になり営業課長の肩書きがついた30代の女性が主人公。
    年上の男性を部下として使わないといけない女性管理職の悩みやあれこれ思うことが描かれている。
    彼女は結婚をしていて、夫は出世など全然意識しない男性。
    それと全く正反対なのが、部下の一人の男性で、彼は体育会系でいかにも女の下で働くなんて・・・というタイプ。
    あれやこれやありながらも最後は爽やかでホッとできる話だった。

    「マンション」は20代の若さでマンションを購入する女性の話。
    マンションを買うと決めるまでは「いつ辞めてもいい」と思っていた仕事に「辞められない」切迫感を感じるようになって・・・という話だけど、これもラストは爽やかで良かった。

    「ガール」は30代になり、公私共にいつまでも女としての特権が生かせなくなったと感じ始めた女性の話。
    確かにあの頃はそういうあせりを感じていたな~と思う話だった。

    「ワーキング・マザー」はシングルマザーでキャリアウーマンの女性の話。
    シングルマザーという事を武器にしたくないと頑張っている彼女だが、ふとした時にその武器を使ってしまい自己嫌悪に陥ってしまう。
    最後はちょっぴり心温まる話だった。

    「ひと回り」は一回り年下の新入社員を教育する事となった女性の話。
    その新入社員というのが爽やかなイケメンで、社内の女性の誰もが彼にピンク色の秋波を送る。
    それを側で見ていてヤキモキする女心。
    よく書けているな~と思った。

    どれも読みやすいし、読み終わって爽やかな気持ちやちょっと温かい気持ちになれるお話です。
    どの女性も大手企業や一流企業に勤めているというのが共通点。
    そして、「ディスコ」なんて言葉が出てくることからも時代は今よりもちょっと前の豊かな時代を舞台にしていると思われます。
    当時も働いていたので、懐かしいな~と思ったり、共感できる話ばかりでした。
    男性が書いてるとは思えないくらい、女性心理とか行動がちゃんと描けているので読んでいて共感できる。
    例えば女性同士の会話なんて、特にファッションの話題など、男性が書くといかにも想像で書きましたというのが多いけど、この本では違和感がない。
    これは働いている女性を実際に間近で見てないと書けない描写だと思いました。

    仕事をしていると何だかんだ言って、やはり男社会だな~と思います。
    そんな男性たちとうまく折り合いをつけながら、時にはぶつかりながら仕事をする女性の姿がちょっとユーモラスに、だけど等身大で描けていて好感をもちました。

  • 大好きな奥田作品の中で去年映画化された一冊。

    30歳を超えた女性たちが、自分の曲がり角を実感したり、戻ったり、迷ったりする姿をオムニバス形式で綴っています。世の中はそれぞれの価値観で「girl」と「lady」、「女子」と「女性」を使い分けます。しかし、この作品を読んだらそれは全く気持ちの問題で、大部分はずっと「girl」でいたいものなんだろうなぁ、と何となく理解しました。その辺の心の葛藤を真剣かつ面白おかしくしてしまう奥田さんはやっぱサイコーです。

    男性でも、というか男性こそ読むべき一冊ではないでしょうか。

  • やばい、嬉しい。一番いい時に読んだと思う。

    アラフォーの働く女性達(ほとんど独身)を軸にした短篇集。
    みんな、一人で生きていけるだけの社会的地位と能力と収入があるけど、キャリアと専業主婦の狭間で悩んでる。多分30代の働く女性誰しもが一度は経験する葛藤を上手く書いてると思う。女特有の悩みや人間関係とかもね。

    一応ブッククラブ5月の課題本なので、各話毎に感想書いとく。
    『ヒロくん』
    これ、タイトル『クリピー』でも良いんでないですか?
    ヒステリータイプの妻と鷹揚な旦那。必要です。会社で揉まれると家に癒しが必要なんです。
    「うーん、人によるんじゃない?」「そんなの答えになってない。何割かいれば立派な傾向なんだから」
    「確かに、言われてみればそうだ。全員とうまくいくほうが、確率としては小さい。これまでいろんな部署にいたが、そりの合わない人間が必ず一人はいた。」

    『マンション』
    なるほど。
    「失うものがない」という意味が、やっとわかった。自分が今、それだわ。
    ローンを背負ったら、家族を背負ったら、会社でやりたい放題言いたい放題できないよね。クビが怖くなるよね。
    会社の同僚が、家を買ったばっかりで、愚痴を垂れるくせに行動に移さない理由がはっきりした。目からうろこ。

    『ガール』
    女は男の目なんか気にしていない。自分が楽しいからお洒落をするのだ。
    本当にそうなのだ。

    『ワーキング・マザー』

    『一回り』

    自分現在29歳。ここ2年間でようやくキャリアを見据えることができる仕事をゲット。まさに今、キャリアウーマンとしての道を戻り難くなるところまで歩いてきた感じ。
    そんなタイミングで、この本が読めてよかった。
    アラフォーは遠すぎて実感がないわけでも、近すぎて現実とのギャップに幻滅することもない、ちょうどいい近未来。登場人物もみんな、自分が成り得るDINKSだったりシングルだったり。フィクションだけど、すごく親近感が湧いた。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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